スタージョンの法則とは、SF作家シオドア・スタージョンの提唱した法則である。
概要
文学に関するパネルディスカッションで「SFの90%はクズじゃないか」と批判されたスタージョンが「それならば、あらゆるものの90%はクズだ」と反論したことが起源であるとされる。
これは、一部を取り上げて全体がそうであるかのように非難する論調に対しての逆批判として極めて有用であるため、それ以後も様々な場所で用いられている。
例1:ニコニコにある動画の90%はクズである。そしてあらゆるものの90%はクズである。
例2:ニコニコ大百科にある記事の90%はクズである。そしてあらゆるものの90%はクズである。
補足
実は、本来スタージョンの提唱した法則は「常に絶対的であるものは存在しない」 ("Nothing is always absolutely so.")というものなのである。
例えばSFというジャンルを取り扱えば、必ずしも名作、もしくは駄作になると言うわけでもない。強いて言うなら凡作、佳作がほとんどになるだろうが、それらを名作、駄作と分類しているだけかもしれない。上記のとおり、その一部だけを指して、SF(および、あらゆるもの)とはこういうものだというのを諌める狙いがある。
また仮に、90%のクズを除去した所で、残りの10%から一部を取り出してさらなるクズを粗さがしするのが世の常である。そして、それも世の中の流行や時勢で変わるのだからなおさらである。
しかし、どうしたものか本来提唱した、絶対性の不在の部分はほとんど使われておらず、クズである部分の意味で用いられる。
心書きのようなものよりも、○○であると断じる方が人間にとって強く残る言葉になりやすい。
したがって、注釈無しの「スタージョンの法則」にこちらの意味が使われる場合はほぼないと考えてよい。
なお、創作においてはこうした駄作とも言える作品は、名作を含むジャンルでは必ず多く存在する。名作はこれら駄作、凡作から修練を得て成り立つものも多い故に、常に名作ばかりというジャンルではジャンル自体の将来性に危険が生じやすい。 あるジャンルの批評においても、中立的な視点や多様な視点での批評が求められる。
関連項目
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