ヒュー・エルステッドとは、「銀河英雄伝説」の登場人物である。
概要
前向きで困難な任務にも物怖じしない優秀な前線軍人であり、ダゴン星域会戦の勝利に大きく貢献した。
経歴
宇宙暦640年、帝国軍の同盟への大挙侵攻に際し、総司令官リン・パオ中将、総参謀長ユースフ・トパロウル中将の下で部隊を率いた艦隊指揮官の一人である。ちなみに、以前からトラブル・メーカーとして知られていたこの両名に対してはエルステッドも当然というべきか良い印象を持っていなかったようで、総司令部人事を知った時は天をあおいだという。
7月14日に開始されたダゴン星域会戦では序盤から活躍。
緒戦でオレウィンスキー艦隊が挟撃を受けた際、ネイスミス・ウォードとともに包囲網に穴を開けてこれを救出している。その後も最前線で奮闘、帝国軍が各個進撃を開始すると、リン・パオから特命を受けて帝国軍後方に回りこみ、情報不足に悩む敵の側面と後背を撹乱し、心理的な圧迫を与えた。この活動は戦闘中盤、帝国軍をして予備兵力としてカウフマン艦隊を温存させるという結果に繋がっており、後世から見れば、予備兵力が的確に前線投入されていれば崩壊していたであろう同盟軍本隊を救う功績を齎している。
7月20日、今度はエルステッドの目前に帝国軍パッセンハイム艦隊が現れる。しかしパッセンハイムは敵であるエルステッド艦隊を味方と、味方であるアルレンシュタイン艦隊を敵と誤認していた。その結果、エルステッド艦隊の前を無防備に通過する形となったパッセンハイムは斜め後方からエルステッドの襲撃を受ける。さらに彼はパッセンハイムがエルステッドとアルレンシュタイン両方を敵とみなして混乱に陥ったところに猛攻を加え、ついにパッセンハイムを帝国軍史上最初の戦死者としてしまった。そしてこれは、帝国軍内部で必死に戦線を立てなおそうとしていた参謀インゴルシュタット中将の更迭という深刻な問題をも引き起こすことになったのである。
こうして、帝国軍の指揮は有能とはとてもいえないヘルベルト大公の手に移り、会戦の帰趨は一挙に同盟軍の完全勝利へと雪崩れ込んでいった。艦隊指揮官とはいえ少将に過ぎなかったエルステッドが、その行動によってまず同盟軍の危機を救い、そして帝国軍を敗北へと落とし込んだのだといえよう。
関連動画
関連項目
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