マーフィーの法則とは、アメリカ空軍のマーフィーさんが由来とされる「法則」である。
概要
学問的に証明された法則、現実の法則というわけではなく、一種のジョークである。
認知バイアスや経験則から多くの人間が感じる、失敗に関することや悲観的な言明を、自虐的かつ哀愁を交えたユーモアとして「法則」として文章化したもの。要するに、悲観的な「あるあるネタ」である。
「ある特定のジョーク」というわけではない。上記のような特徴を持つジョークは全て「マーフィーの法則」であると言える。
起源はマーフィーさんが当時空軍のエンジニアで、トラブルが人命にかかわるほどの大きなプロジェクトに携わってた際、部品の故障箇所(誰かの配線ミス)を発見した際に
"If there is any way to do it wrong, he will"
(「いろんなトラブルがある場合には、一番悲惨なものを彼は選ぶ」 ─ ここで言う"彼"は配線ミスした誰かさん)
と言ったことが始まりとされ、それをプロジェクトリーダーがプロジェクト外の場で発言したことで大きく広まった。
そして、軍内部、各種技術雑誌、新聞とどんどん広まったという。
上記の起源が正確かどうかはさておき、1977年にこの「マーフィーの法則」ジョークを並べ立てたArthur Blochの書籍『Murphy's Law, and Other Reasons Why Things Go WRONG!』が出た際にはアメリカでベストセラーになった。
日本でも、Arthur Blochの著書を和訳した書籍『マーフィーの法則―現代アメリカの知性』が1993年に販売され、こちらもベストセラーとなったことでよく知られるようになった。
そして今なおこの法則は、心理学や認知バイアス研究の分野などで言及されることがある。
法則の一部紹介
「マーフィーの法則」として語られるものは無数にある。
上記のように特定の何かを指すわけではなく、ジョークの一ジャンルであるため。
時代に合わせて次々と新しいものが、不特定多数の人々によって生みだされていく。
なお、下記はどこからか引用されたもののようだが、引用元は不詳である。
洗車しはじめると雨が降る。雨が降って欲しくて洗車する場合を除いて。
いちど認めた例外は、次からは当然の権利となる。
機械が動かないことを誰かに証明して見せようとすると、動きはじめる。
母親は「こんな日もあるさ」と教えてくれたが、こんなにたくさんあるとは聞いていない。
人生で楽しいことは、違法であるか、反道徳的であるか、太りやすい。
バターをぬった面を下にして食パンが着地する確率は、カーペットの値段に比例する。
一話しか見なかったTVドラマ・シリーズの再放送を見ると、以前見た一話である。
あなたの好きなチームにトレードされてきたスーパースター選手は、すぐに目立たなくなる。あなたの好きなチームがトレードに出した役立たずの無名選手は、たちまちスター選手になる。
急いでいるときに限って何かと信号が赤になる。
一つの問題が解決すると、それが原因で新たな問題が発生する。
大事な予定がある日に限って残業になる。
全ての問題は、より大きな問題とだけ交換することが出来る。
どうしても欲しいものは、手に入らない。 もしかして:物欲センサー
婚約した日に素晴らしい人に出会う。
人は誤解により友人になろうとし、理解により離れていく。
どうでもいいときに絶好調となる。
計算間違いに気がついて念のためにもう一度計算し直すと、第3の答えを導き出してしまう。
探していない物は、必ず見つかる。
iPhoneにかかってきた電話が大切なものほど、指が湿っていて出ることができない。
作業場で道具を落とすと、もっとも手が届きにくい隅っこに転がり込む。
ゴルフにおけるベストショットは、一人でプレイしているときに出る。
机の上のお茶は、いつも最も重要な書類のほうに向かってこぼれる。
関連項目
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