モスクとは、イスラム教の礼拝堂のことである。
概要
「モスク」という名前は英語圏や日本などでの呼び名であり、アラビア語ではマスジドと呼ぶ。中世にイスラム勢力によって一部が侵略されていたスペインではマスジドが訛ったメスキータと呼ばれており、それがさらに訛ってモスクとなった。
イスラム教では偶像崇拝は禁止されているため、礼拝堂とはいっても礼拝となる対象の像や碑はどこにもない。その代わり、内部では聖地メッカ(マッカ)の方向へ礼拝を行う。そのため、壁に「ミフラーブ」と呼ばれるメッカの方向を指した窪みが刻まれている。また、イスラム教の指導者であるイマームなどが説教を行うことがあるため、そのための壇が設置されている。他にも断食明けの食事会や、地域の子供たちへの教育、お悩み相談所などに使われており、地域コミュニティや人々の交流手段の一つとなっている。日本での仏教寺院にも一部似たところがあるのかもしれない。
外見は国や地域によって異なるものの、大まかには「ドーム」と「ミナレット」が共通する。ドームは半球状の屋根であり、キリスト教の聖堂にも(細かな装飾は異なるが)共通して見られるものであるため、モスクに限られた装飾ではない。「ミナレット」はモスクに見られる細長い塔であり、ドームの脇や建物の隅に配置されることが多い。ミナレットは飾りとしてのほか、塔の上から人々に対して礼拝を呼びかけるためにも作られている。
しかし、不浄でない場所で礼拝が可能であればどこでもモスクにはなりうるため、必ずしも上記の特徴を備えているとは限らない。
イスラム教は世界各地で信仰されているため、モスクも様々な国で見られる。古い例だと中国に742年に創建された「西安大清真寺」がある。ドームは無く、瓦を使った中国建築の建物になっている。ミナレットも「省心楼」と呼ばれる三重塔になっている。20世紀後半からはイスラム教徒がこれまでに増して様々な国に移住しているため、モスクも増加傾向にある。
絵文字
Unicodeには、2015年のバージョン8.0からモスクの絵文字が存在している。
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コードは「U+1F54C」で、名称はそのまま「mosque」。[1]
環境によって表示される絵文字の詳細は異なっているが、概ね上記の「ドーム」「ミナレット」の特徴が描写されている。
関連動画
関連静画
関連項目
脚注
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