曖昧さ回避
概要
いわゆる家畜として牛、鶏と並んで飼育されることの多い動物。元はイノシシと同じく毛深い体つきをしていたが、食用として飼育するための品種改良が進められ、現在のような姿になったという。
かつては雌豚がトリュフを探し当てるために使われていたが、雄豚の持つフェロモンに似た匂いを放つトリュフを勢いあまって食べてしまうため、現在はもっぱらイヌが使われている。
蔑称として使われることが多く(後述)、あまり良いイメージが持たれていない動物である。
しかし実際はイヌ以上の知能と強い生命力を兼ね備えており、「もっと評価されるべき」動物と言える。また、後述するように不潔な動物のイメージが与えられているが、本当は真逆で非常に清潔でデリケートな動物である。
あと子豚がかわいい。世界的には矮化したペット用ミニブタも人気があり、特にイギリスなどではブタは犬や猫に次ぐ人気ペットとなっている。また、中国ではブタは子孫繁栄の象徴であり、また同時に貴重な食糧でもあり、中国料理では豚肉が主権を握っている。
日本ではブタは稲作が振るわず、小麦などの畑作が盛んな二毛作地域で飼育が盛んになった。例を挙げれば、関東ローム層に覆われた関東地方とシラスに覆われた南九州地方が代表的で、これらはともに養豚が盛ん、そして後述するブランド豚育成もここから発展した。
食材としての豚
豚肉は牛肉より値段が手頃なので、鶏肉とともに庶民の味方である。しかも、今日の豚肉は農家などの努力もあって格段に食味が上がっている。代表的な家庭料理としてトンカツ、豚肉の生姜焼き、豚汁、豚の角煮などがあり、その他中華料理でも定番の食材であり、洋食ではポークチャップなど、ご当地料理ではとんてきなどがある。
豚肉の著名なブランドにはさつま黒豚やイベリコ豚、金華豚などがある。
特に鹿児島県産の黒豚は高級品として有名で、 かつては下手な牛肉よりも高い評価を得ていた事も。
また豚肉だけでなく、骨からは出汁がとれ、とんこつラーメンはその代表例と言える。
沖縄では「鳴き声以外は全て食べる」と言われ、ミミガー(耳)、ティビチ(豚足)なども普通に食べる。
燻製にすることも多く、ハム、ソーセージ、ウインナー、ベーコンなども人気の食材。
北海道南部(室蘭、函館)での焼き鳥は鶏肉ではなく豚肉である。
一方で生の豚肉はE型肝炎や旋毛虫をはじめとする寄生虫の危険があるため、刺身文化がある日本ですら生豚肉を食べることはない……はずだったが、牛レバ刺し禁止を受けて代替品に豚レバ刺しを売るという極めて危険な飲食店が出現して問題となっている(豚レバーの生食は、やめましょう 厚生労働省)。なお、「無菌豚」という特殊な環境で育てられた豚は存在するが研究用であり、食肉としては出回っていない。無菌豚と混同されやすい「SPF豚」というのもあるが、これは免疫力を高め豚自身が病気に掛かりにくいように育てた豚であり、人が安全に生食できる訳ではない。
イスラム教、ユダヤ教徒が多く住む地域などでは豚肉を食べないという習わしがあるのも医学的には食中毒の危険が一因と思われる。ちゃんと火を通せばおいしいのに。
「豚のご飯」は恐らく関係ない。
まあ、世界にはドイツやフランス北部など豚を生食する地域はあったりもするのだが…。
蔑称としての豚
デブや不潔な人間に対して「豚」という蔑称が使われる場合があるが、食用豚の体脂肪率は多くても18%程度と余分な脂肪のないスマートな体を持っている(そもそも脂肪が必要以上に多いと食用に向かない)。単純な比較はできないが大体の豚は人間よりも筋肉質なのである。
そして豚は清潔な環境を好み、 決して身の回りを汚さない習性があるため、先述の蔑称は全くの誤解と言える。
ちなみにタレントの伊集院光は「愚公」「小生」などの意味合いで「痴豚」と自称する場合がある。
なお、豚の呼称を人間に用いるのは、とりわけ東アジアでは専らタブーであり、日本、韓国だけでなく、豚が市民権を得ている中国でも、人に対して使うと完全に喧嘩を売ることになる。
ただし、島崎藤村の作品などに書かれているように、牛と違って屠畜場における断末魔には往生際が悪いほどの悲鳴を上げるとのこと。
ニコニコ大百科に記事のある「豚」に関係のある蔑称一覧
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関連項目
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