モールス信号/モールス符号(-しんごう、-ふごう)とは、アメリカ合衆国の発明家サミュエル・フィンレイ・ブリース・モールスが発明した長短2つの組み合わせで構成された和文、欧文、数字等を表現する信号法である。
概要
一般に短符を「トン」若しくは「ト」、長符を「ツー」と表す。海上自衛隊の航海科では短符を「タン」若しくは「タ」、長符を「チョー」という。現在の日本では自衛隊かアマチュア無線家くらいしか使っていない。
有名なモノとして、遭難信号「SOS」があり「・・・---・・・」と表す。誤解されがちだが「・・・ --- ・・・」ではなく連続した「・・・---・・・」である。なお、遭難信号「SOS」を関係無線局以外が発信するのは禁止されている。
その他、「了解」を意味する「ラジャー」(Roger)はモールス符号で通信する時の「解信符」(了解の意)の「R」(・-・)から来ている。「R」は旧フォネティックコードで「ロジャー」(Roger)であるため。現在のフォネティックコードでは「R」は「ロメオ」なのだが、今でも昔のまま変わらない伝統である。
受信が非常に難しく習得するのは難しい上、実生活では他に使える人が居ないと無意味であるため、習得する機会は少ないというのが現状である。しかし、それは逆に言うと理解する人が少ないという事でもあり、その事を利用して試験等の不正行為に使おうとする輩も居るとか居ないとか・・・。(都市伝説では、とある試験で指で机を叩くモールス符号によるカンニングを試みたところ、試験官が「フ・セ・イ・コ・ウ・イ・ヲ・ヤ・メ・ロ」と机を叩き去っていったという。この試験官は元海軍軍人であった。)
近年では衛星通信の発達で敢えてモールス信号を使う必要も無くなってきており、特に商用ではほぼ使われていない。とはいえ携帯電話の某キャリアの呼び出しに「プププ(S)」が使われているように、未だに名残を残している。
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符号表
(文字符)
名称 | 呼称 | 符号 | ||
和 | 英 | 和 | 英 | |
イ | A | いろはのイ | ALFA | ・- |
ロ | ローマのロ | ・-・- | ||
ハ | B | はがきのハ | BRAVO | -・・・ |
ニ | C | にっぽんのニ | CHARLIE | -・-・ |
ホ | D | ほけんのホ | DELTA | -・・ |
ヘ | E | へいわのヘ | ECHO | ・ |
ト | とうきょうのト | ・・-・・ | ||
チ | F | ちどりのチ | FOXTROT | ・・-・ |
リ | G | りんごのリ | GOLF | --・ |
ヌ | H | ぬまづのヌ | HOTEL | ・・・・ |
ル | るすいのル | -・--・ | ||
ヲ | J | をわりのヲ | JULIETT | ・--- |
ワ | K | わらびのワ | KILO | -・- |
カ | L | かわせのカ | LIMA | ・-・・ |
ヨ | M | よしののヨ | MIKE | -- |
タ | N | たばこのタ | NOVEMBER | -・ |
レ | O | れんげのレ | OSCAR | --- |
ソ | そろばんのソ | ---・ | ||
ツ | P | つるかめのツ | PAPA | ・--・ |
ネ | Q | ねずみのネ | QUEBEC | --・- |
ナ | R | なごやのナ | ROMEO | ・-・ |
ラ | S | ラジオのラ | SIERRA | ・・・ |
ム | T | むせんのム | TANGO | - |
ウ | U | うえののウ | UNIFORM | ・・- |
ヰ | ゐどのヰ | ・-・・- | ||
ノ | のはらのノ | ・・-- | ||
オ | おおさかのオ | ・-・・・ | ||
ク | V | クラブのク | VICTOR | ・・・- |
ヤ | W | やまとのヤ | WISKEY | ・-- |
マ | X | マッチのマ | X-RAY | -・・- |
ケ | Y | けしきのケ | YANKEE | -・-- |
フ | Z | ふじさんのフ | ZULU | --・・ |
コ | こどものコ | ---- | ||
エ | えいごのエ | -・--- | ||
テ | てがみのテ | ・-・-- | ||
ア | あさひのア | --・-- | ||
サ | さくらのサ | -・-・- | ||
キ | きってのキ | -・-・・ | ||
ユ | ゆみやのユ | -・・-- | ||
メ | めいじのメ | -・・・- | ||
ミ | みかさのミ | ・・-・- | ||
シ | しんぶんのシ | --・-・ | ||
ヱ | かぎのあるヱ | ・--・・ | ||
ヒ | ひこうきのヒ | --・・- | ||
モ | もみじのモ | -・・-・ | ||
セ | せかいのセ | ・---・ | ||
ス | すずめのス | ---・- | ||
ン | おしまいのン | ・-・-・ | ||
゛ | I | だくてん | INDIA | ・・ |
゜ | はんだくてん | ・・--・ | ||
ー | ひっぱる | ・--・- |
アマチュア無線とモールス信号
アマチュア無線ではモールス信号をCW(Continuous Wave)と省略する。「音があるかどうか」で情報を伝達するため、電波の減衰やノイズに対して非常に強い。そのため、「遠距離通信を狙うならばモールス信号」というのが常識であった。また、「声を出さずに済む」ので家族がうるさい人や口下手な人にも向いている。近年はさらに雑音に強いデジタル信号が開発されたが、それでも「定型文以外の通信をしたい」「味がある」「ハムなら使えて当然(なお、アマチュア無線技士は1~4級に分かれているが、4級はCW不可である)」ということでモールス信号が使われている。
PCやスマホが発達したことから「PCを使ってモールス信号を送受信する」ことも実用化されている。これに対して「PCを使うとは何事か。ハムなら自力でやれ」と言わんばかりに「出力、長短、周波数を微妙にずらす」人もいる。
加えてPCを使えば「とんでもない猛スピードで送受信する」「逆に滅茶苦茶遅いスピードで送受信する」こともできる。「猛スピード」は送信時間を出来るだけ短くしたい航空機反射(地上→飛行機→地上になるため、交信のチャンスは1回数分程度しかない)、「滅茶苦茶遅いスピード」は月面反射通信(地球→月→地球」や超低周波(数百kHz)などで使われている。
注釈
この記事名が「モールス」になっているのは、「モールス信号」と「モールス符号」と二つの呼び方が存在するため。
従来は「モールス信号」の呼び方が多かったのだが、英語では「morse code」というためか「モールス符号」という和訳も近年使われている。
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関連項目
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