海上自衛隊(略称:海自、英名:JMSDF / Japan Maritime Self Defense Force)は、日本の領海の国防を主任務とする日本政府防衛省直属の海洋軍事組織である。海外からは海軍として認識されている。
その活動は領海警備・国外の海賊対処・国内外の災害救援・災害援助、米軍・同盟国との共同活動、国際平和協力活動、文部科学省所有の南極観測船(砕氷船)運用、海軍カレーレシピ開発・改良・啓蒙等多岐に渡る。
定員は4.52万人。現員4.32万人(95.2%) …2023年末現在
概要
公式英名は「Japan Maritime Self Defense Force」…JMSDF。だが、これまた諸外国からは「日本海軍」と呼ばれているし、自称でも「Japan Navy」を使うことがある(記事「THIS IS JAPAN NAVY」参照)。
その発足当時から、旧帝国海軍の伝統を色濃く受けつぐ組織となっている。
これは太平洋戦争後、旧海軍が解体されることとなったが、機雷掃海を続行するため海軍の一部は海上保安庁に組織を移り活動は続けており、また、旧海軍中枢の軍令部作戦課も名前を変えて人材を残していた。
旧海軍上層の将官達は形を変えて残しているこれら人材と組織を元に海軍を再編成しようと考えていたようだが、国内の動きは鈍く水上兵力再軍備の流れは一向に生まれなかった。
らちが明かないと感じた再軍備派は朝鮮戦争を前後して、アメリカ海軍士官と接触。水上兵力再軍備を訴えた結果、極東地域における水上兵力の補助という名目で、アメリカ海軍経由からの海軍再組織が伝えられた。
これにより国内の法整備が進み、海上警備隊が組織。あわせて、海上保安庁にあった掃海部隊とあわせて海上自衛隊が組織された。このあたりの物語についてはNHKの番組でも取り上げられたことがある。
上記のような経緯を経たために海上自衛隊は海軍の末裔を自負している。
それは行動様式から海軍カレー、はたまた時折新聞を賑わせる私的制裁問題など、(良い意味でも悪い意味でも)海軍の伝統を色濃く受け継いでいるようだ。そのため他の自衛隊からは「伝統墨守・唯我独尊」といわれる一因にもなっている。ただし海保と海自の設立の経緯、関係から「旧海軍の末裔は海保、海自は旧海軍の残党」とも言われることがある一方、今も続く海自と海保の関係性の歪さがあるのも否めない。
太平洋戦争時に潜水艦によって海上輸送路を寸断させられた過去と、あくまでもアメリカ海軍の役割分担という兼ね合いから対潜水艦戦と機雷掃海について重点的に装備が行われた。が、80年代を境に急速な勢いで艦艇を整備、イージス艦をはじめとして各種装備を整え、世界でも有数の水上兵力を整えた海軍組織となった。
主戦力は、艦艇約100隻(うち護衛艦約50隻、潜水艦18隻)、P-3Cなど航空機が約230機という編成。
湾岸戦争後の機雷掃海部隊派遣を皮切りに、イラク戦争前後ではインド洋での海上給油活動など今現在にいたるまで継続中で、最近はソマリア沖の海賊対策のためにも派遣された。
どうにもこうにも時の政府によっていい魔法の杖なんでも屋になっている側面もあると一部の人間は語ることがあるが、そもそも国際協調の時代の軍隊なんてどこの国でもそんなものである。
しかしながら最近は長く続くこのような活動のため、隊員の疲弊や負担増加が顕著になるほか、防衛費削減が続くことによる新隊員への教育不足など問題点が次第に明らかになるなど問題も見られるのが実情といえる。
職種
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海上自衛隊の職種|海上自衛隊 〔JMSDF〕 オフィシャルサイト (mod.go.jp)
その他、海上自衛隊の特殊部隊である特別警備隊(SBU)は職種に関係なく募集している。
(三等海曹以上30歳未満)
艦隊編制と規模
2014年現在、海上自衛隊が運用する部隊は自衛艦隊として集約され、自衛艦隊以下には、護衛艦隊、潜水艦隊といった艦隊部隊、航空機を運用する航空集団、その他掃海隊群などの直轄部隊によって編制されている。
海上自衛隊(海上幕僚監部=市ヶ谷) ※以降の括弧書きは司令部。艦名の括弧書きは定係港。
┣ [直轄艦隊] 練習艦隊(呉) ━ [直轄艦] 旗艦:練習艦かしま(呉)
┃ ┗ 第1練習隊(呉)
┣ 自衛艦隊(司令部=横須賀)
┃ ┣ 護衛艦隊(横須賀)
┃ ┃ ┣ 【機動運用部隊】 護衛隊群 ※第1~4護衛隊はDDHグループ、第5~8護衛隊はDDGグループ。
┃ ┃ ┃ ┣ 第1護衛隊群(横須賀)
┃ ┃ ┃ ┃ ┗ 第1護衛隊(横須賀)旗艦:いずも(横須賀)、第5護衛隊(佐世保)旗艦:こんごう(佐世保)
┃ ┃ ┃ ┣ 第2護衛隊群(佐世保)
┃ ┃ ┃ ┃ ┗ 第2護衛隊(佐世保)旗艦:いせ(佐世保)、第6護衛隊(佐世保)旗艦:きりしま(佐世保)
┃ ┃ ┃ ┣ 第3護衛隊群(舞鶴)
┃ ┃ ┃ ┃ ┗ 第3護衛隊(舞鶴)旗艦:ひゅうが(舞鶴)、第7護衛隊(大湊)旗艦:ゆうだち(大湊)
┃ ┃ ┃ ┗ 第4護衛隊群(呉)
┃ ┃ ┃ ┗ 第4護衛隊(呉)旗艦:かが(呉)、第8護衛隊(佐世保)旗艦:ちょうかい(佐世保)
┃ ┃ ┣ 【地域配備部隊】 第11護衛隊(横須賀)、第12〃(呉)、第13〃(佐世保)、第14〃(舞鶴)、第15〃(大湊)
┃ ┃ ┣ [直轄部隊] 第1海上補給隊(横須賀)
┃ ┃ ┣ [直轄部隊] 第1海上訓練支援隊(呉)
┃ ┃ ┗ [直轄部隊] 海上訓練指導隊群(横須賀)
┃ ┃ ┗ 海上訓練指導隊、誘導武器教育訓練隊
┃ ┣ 潜水艦隊(横須賀) ━ [直轄隊] 第1練習潜水隊(呉)、潜水艦教育訓練隊(呉)
┃ ┃ ┣ 第1潜水隊群(呉) ━ [直轄艦] 潜水艦救難艦ちはや(呉)
┃ ┃ ┃ ┗ 第1潜水隊、第3潜水隊、第5潜水隊
┃ ┃ ┗ 第2潜水隊群(横須賀) ━ [直轄艦] 潜水艦救難艦ちよだ(横須賀)
┃ ┃ ┗ 第2潜水隊、第4潜水隊
┃ ┣ 航空集団(厚木)
┃ ┃ ┗ 航空群
┃ ┣ [直轄隊群] 掃海隊群(横須賀)
┃ ┃ ┣ 第1掃海隊(横須賀)、第2掃海隊(佐世保)、第3掃海隊(呉)、第101掃海隊(呉)
┃ ┃ ┗ 第1輸送隊(呉)
┃ ┃ ┗ 第1エアクッション艇隊(呉)
┃ ┣ [直轄隊群] 開発隊群(横須賀) ━ [直轄艦] 試験艦あすか(横須賀)
┃ ┗ [直轄隊群] 海洋業務群(横須賀) ━ [直轄艦] 海洋観測艦、音響観測艦、敷設艦等
┗ 地方隊(横須賀地方隊、呉地方隊、佐世保地方隊、舞鶴地方隊、大湊地方隊)
水上艦艇である護衛艦を運用する護衛艦隊は、大きく機動運用部隊と地方配備部隊に分かれる。
機動運用部隊は4つの護衛隊群(横須賀、佐世保、舞鶴、呉)に分けられ、さらに護衛隊群では4隻程度により構成される2つの艦隊を編制している(DDGグループ/DDHグループ)。
従来まで、これらの護衛隊群は護衛艦8隻+搭載ヘリ8機による「88艦隊」を編制していたが、昨今の弾道ミサイル防衛やヘリの集中運用能力に特化したDDHと呼ばれるヘリ搭載護衛艦の配備が行われたため、より小規模で小回りのきく艦隊編制となったといえるだろう。
その艦隊編制はアメリカ以外で初めてイージス艦を配備するなど、水上兵力の観点からいえば空母がないとはいえ非常にバランスの取れたものといえるだろう。
例えば英国、仏海軍等は空母を持っているが故にバランスのやや悪い艦艇編成になってしまっている(空母以外の水上戦闘艦艇は20隻程度と規模が小さく、防空能力は空母に依存など)。この一因には欧州の軍事バランスの変化に伴い諸外国が任務を分担しうる状況であるため、というのもある。
これに対して海上自衛隊の護衛艦隊では、弾道ミサイル防衛/防空任務を行うDDGグループ、対潜水艦任務等などを行うDDHグループという二種類の艦隊を組み合わせて運用が出来るほか、4個護衛隊群によるローテーション配置が可能のため、その稼働率は極めて高いといえるだろう。
このほかにも補助艦艇でもアメリカ、イギリス以外に補給艦も高速なもの運用しているのは海上自衛隊ぐらいなもののため、インド洋などの重宝されるのはそれ相応の理由があるようだ。旧海軍時代からみると組織は小さいものの、外洋海軍(ブルーウォーター・ネービー)と言ってもおおげさではない規模ともいえる。
記事のある装備品一覧
艦艇と設計思想
日本国内に造船メーカー及び造船施設があるために独力で艦艇を設計、建造、運用できる能力をもっている。もっとも、その艦艇デザインや組み込む装備品は保守的なものが多く、諸外国海軍が運用し始めているステルス形状艦艇などの導入は見送られている。
もっとも、これは二つの理由があり、ステルスが有効な艦艇はどちらかというと高速・小型艦艇であり、これは荒天が続く日本海、太平洋海域では艦艇を大型化せざるをえないこと、またレーダー波反射を防いだところで艦艇の赤外線放射などを考えると水上艦艇のステルス形状には色々疑問な点がある、と中の人は考えているのかもしれないが実際は予算不足でそこまで手が回らないとみるべきか…。
またアメリカ海軍などが沿海域戦闘艦インディペンデンスなどで導入を開始つつあるトリマラン(三胴)型船体など、最近船舶工学などで注目されているような船体形状をもつ艦艇も導入されてはいない(双胴船としてはひびき型音響測定艦があるが)。
ただ、海上自衛隊がこの点に関してまったく考えていないというわけではなく、19DDと呼ばれる次世代汎用護衛艦デザイン案ではステルス形状に配慮した複合素材船体・かつ塔型マスト。先進推進システム…ポッド型エンジンを船体外に設置する…などのここ最近のトレンドをすべて盛り込んだ案も提案されていたが…とはいえやはりここでも財務省による予算削減の結果100億ほど削られ、既存の汎用護衛艦を踏襲したデザインに落ち着いている。
もっとも、技術研究本部では海幕要求のもと三胴船の水槽実験を継続しているなど、着々と準備が進められている。また、えのしま型掃海艇は2013年時点で世界最大のFRP艦船であり、次に控えるあわじ型掃海艦(25MSO、26MSO)はさらに一回り大型化される。
新防衛大綱ではイージス護衛艦8隻体制の確立、5000トン型護衛艦複数の調達、「沿岸護衛艦」という新種水上艦の建造、護衛艦の総数増大などが盛り込まれている。護衛艦隊直轄の10番代護衛隊も5個から6個に増大する。
エアクッション艇
90年代には米軍からLCAC(輸送用大型ホバークラフト)を購入し、エアクッション艇として配備。
60~70トン以上の積載量や高速性、砂浜への上陸、船舶において致命的な水面下の浅瀬や障害物を無視できる特性を活かし、陸上自衛隊の戦車を含む車両や、災害派遣等で重機や支援車両を輸送するなど活躍している。
エアクッション艇「1号」型|水上艦艇|装備品|海上自衛隊 〔JMSDF〕 オフィシャルサイト (mod.go.jp)
潜水艦
潜水艦も同様で、海上自衛隊の潜水艦は独自開発されており、諸外国の通常動力型潜水艦と比較すると最大級のサイズである。最新型のそうりゅうは、水中排水量で大型の通常動力型潜水艦であるキロ型を抜き、パーミット級SSNやスタージョン級SSNなどの旧世代の攻撃型原潜と並ぶ。これは長期間、長距離で活動する海自特有の事情から。
また良くも悪くも16隻+1隻という潜水艦隻数が決まっていることと、技術力維持のためという名目で、ほぼ毎年のペースで潜水艦を建造するという諸外国から見れば贅沢極まりない運用を行っていた。
しかし、2010年代に入り周辺諸外国の潜水艦導入ペースが上がってきたことを受けて、既存の潜水艦運用期間を延長し、22隻(実働用20隻+訓練用2隻)体制への変更が実行に移されつつある。これは実働に携わることのできる艦艇は保有する艦艇の1/3~1/5という原則。海自の監視すべき海峡が3箇所から5箇所に増大したことへの対応である。
現在建造中のスターリング・エンジン搭載型潜水艦「そうりゅう」型から、苦労の末実用化の目処がたったとされる燃料電池型AIP+リチウンイオン・バッテリを搭載した改そうりゅう型(28SS)が建造されると考えられていた・・・・・・のであったが、このたびAIPを廃しリチウム電池を積めるだけ積むこととなった。
通常動力型潜水艦の運用については多分ここまでとんがった国はいない。
航空機部隊
対潜哨戒機のP-3Cを配備しているが、アメリカ以外では最多の100機前後の運用機をもって日本周辺海域を哨戒しており、海域に対する対潜・哨戒能力は近隣諸外国を圧倒している(他国のP-3C配備は10機前後)。現在P-3Cの後継機であるP-1を配備中である。輸送機のC-130Rも保有している。
ヘリコプターについても最近は新型機種導入が積極的ではあるが、その半面、東日本大震災の被災地支援のため酷使してしまい損耗してしまったYS-11のかわりにアメリカから中古のC-130Rを購入するなど、柔軟な機材導入も行っている(中古とはいえ輸送任務にいい機体が手に入った形である)。
国産の飛行艇であるUS-1(退役)、US-2を救難機として運用しており、離島からの救急搬送にも用いられる。
対潜装備
よく言われるのが海上自衛隊は対潜水艦戦闘を重視している、ということである。これはほぼ正しいといって間違いなく、その能力はアメリカに続き世界第二位という噂がある。
この原因としては、日本が島国である以上、海上の輸送ラインを封じられることはまさしく死活問題であること、太平洋戦争において米軍の潜水艦により連合艦隊が思いっきりボコボコにされたことなどが考えられる。
実際その力の入れようは半端ないといえる。前述のP-3C大量保有に始まり、巡航ミサイル並みに大型化し長距離に素早く正確に太くて逞しい魚雷を送り込む07VLA、護衛艦隊とデータリンクしつついざとなったら自前で魚雷をぶち込むSH-60K&P-1、ヘリ、VLA、魚雷発射管の三段構えという当時としては珍しい豪華装備のはつゆき型&むらさめ型&たかなみ型、ヘリ運用に特化し艦載機によって効率的かつ広範囲に捜索を行える潜水艦狩りの権化というべきひゅうが型&いずも型、世界初の複合誘導型追尾上昇機雷である91式機雷、せっせと敵潜水艦の情報を集めるひびき型などなど装備の面からしてその傾向はうかがえる。
海上自衛隊カレー(海軍カレー)
バカにしてはいけない。何しろ、死と隣り合わせの戦場で食事は貴重な娯楽。飯がマズくて反乱だけではなくて、国を転覆させる革命騒ぎになった歴史すらあるのだ。特に狭い上に娯楽の少なく土日祝日非番であろうとコンビニやブックオフ・恋人とのデートにも行けない艦船、特に外すら見えない潜水艦においては豪華な食事が用意される例は珍しくない。
日本も多分にもれず、海上自衛隊では専門の調理員(給養員)を配置しており、他自衛隊と比べて質の向上を積極的に図っている。
カレーライス
特に海上自衛隊(旧海軍)といえば、カレー。毎週金曜日(週休2日制導入前は土曜日)はカレーの日と決まっている。カレーを食べるようになったのは脚気対策であり、明治期の海軍が英国海軍の兵食を参考にして切り替えたことが始まりである。その時に英国式カレーが美味で好評であったため、海軍はこれを改良発展していったものである。「休日前の昼食=カレー」となった経緯としては「曜日感覚の維持」と当初は言われてきたが、実際は「週を跨いだら腐りそうな食材をカレーの具材として入れてロスを減らしたい」と「土曜日時代は昼から休みなのでなるべく手間を抑えて早く休みたい」というのが本当の理由である。ただ、その結果として「休日前の昼食=カレー」ということで隊員の曜日感覚の維持に繋がっていったのである。
カレーの材料を積み忘れて緊急寄港しちゃうほどカレー好き。
そのカレー好きっぷりたるや凄まじく、カレーの悪口を言ったカレー嫌いの艦長の部屋のドアに斧が刺さっていたという(都市)伝説もある。というか伝説であってほしい。
作り方にはそれぞれの艦で特色があり、秘伝のレシピが存在する。艦隊司令ですらどの艦のカレーが旨いとは言えないほど各艦プライドをもっているらしい。
これら、カレーを含めた艦内の調理は各艦の第4分隊が受け持っており、同分隊の所属隊員は皆、舞鶴の給養員専門の術科学校で、厳しい教育を受ける。その腕前は料亭の板前に等しいそうで、実際に最終試験には、ほぼそれに等しい和食ないし洋食のフルコースを、コンセプトと材料だけを提示された上で、自分の腕と知恵で作る難関が待ち受けているという。
レシピの公開
そして何より、各艦のカレーを中心とした、名物料理を専用のホームページを準備して、レシピを公開する海軍というのは、多分海上自衛隊だけではないだろうか。中には手軽に美味しく作れるものもあり、忙しいお母さんや独り者にも結構重宝されているという。但し、本来の味を再現できるかは(ry
この他、海上自衛隊では艦内などでの食事レシピを公開してくれるが、メニューのカテゴリが「カレー、和食、洋食、中華・その他、スイーツ」とカレーは単独で独立した項目だったりする。 → 海上自衛隊公式サイト:海上自衛隊レシピページ
…どれだけこだわっているのかがよくわかる。ところで、このサイトのロゴどこかで見たような…
水泳
たまに誤解されるらしいが
泳げる人間しか海上自衛隊に入れない訳ではない。
極論、カナヅチでも入れる。(厳密には個人の水泳能力に応じグループ分けて訓練され、結果的に遠泳が可能なレベルになる)もちろん評価にはなるため泳力があって無駄という事ではない。
また艦艇各所に浮き輪、救命ボートなども完備され、ライフジャケットも着ているため万一落水しても即水没という事はない。さらに言えば地上勤務の職種もある。(艦艇だと乗組手当は出るのでお給料は増えるけど)
人手不足なのに「泳げる人間しか採用しない!」なんて条件を付けてしまえば、せっかく興味を持ってくれた人まで諦めてしまい本末転倒である。それか陸自や空自に取られる。
必要な場合
潜水・救難を行う部隊や、飛行機・ヘリコプターなどパイロット系は陸海空を問わず水泳訓練は必須だし、採用枠が狭く優秀な側を採用するとなれば全く泳げない人間を選びたいか?…といえば言うまでもないので、それを目指している方は遅かれ早かれ泳げるようになっておくか、泳ぎの感覚を掴んでおいたほうが良いだろう。
問題点は…?
このように総じていえば優秀な海上自衛隊だが、近年の水上艦・潜水艦を問わない艦艇の大型化。そして乗員の省力化により一人あたりのワークロードが増大し、艦の居住性が向上してもその疲労回復に追いつかない。頭数が足りないためにダメコンの脆弱性を危惧する声が、内外からあがっている。
加えて海上自衛隊は地区(基地)を自らの実力で、満足に警備することが出来ない。一応、小銃や拳銃などで武装した陸警隊という組織が存在はするが、本職の歩兵部隊に叶うものではなく、舞鶴地区などは軽装歩兵3個中隊で制圧可能と自嘲されたという噂もある(そしてその程度の部隊を事前浸透させるのは不可能ではない)。
そうした次第で航空自衛隊基地と並び、有事に際しての地区警備は陸上自衛隊に依存しているのだが、その陸自が海自の拡張の代償として大削減を受けており、今後の地区警備能力。つまり地区を根拠地とする水上艦部隊、潜水艦部隊の行動継続能力の安全性が低下する可能性が高いのではと、既に危惧の声があがっている。
同時に護衛艦の数を増大、艦艇そのものを大型化しつつも、新大綱でも人員は現在と据え置きであり、上にもあるような教育の不十分。そして隊員個人の疲労蓄積の問題は、今後も払拭することは極めて困難である。
また古今東西を問わずにいじめという行為は、いかなる組織においても発生するが、海上自衛隊でもさわぎり事件、たちかぜ事件のようないじめ自殺が多い。そしてさわぎり事件までは遺族泣き寝入りに近い有り様で、自衛隊や防衛庁(当時)は黙秘を決め込み続けた。ようやく支払われた賠償金も人死が出たにしては雀の涙である。
そしてたちかぜ自衛官いじめ自殺事件では、内部告発をした3等海佐を「部内規律に反した」として、海上幕僚長自ら懲戒処分手続きに乗り出し、小野寺五典防衛大臣(当時)に拒否されている。白書ではメンタルヘルス、いじめ対策を謳っているものの改善は険しい道のりとなっている模様である。
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関連項目
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