レスリング(Wrestling)とは、格闘技の一種である。ボクシングと並び、世界最古の格闘技として知られる。なお、英語におけるレスリングの元の意味は、「取っ組み合う」である。
概要
レスリングには大きく分けてオリンピックの公式競技である「アマチュアレスリング」と、それより派生した「プロレス」に分けることができるが、一般的には、レスリングと言えば前者のことを指す場合が多い。また、アマチュアレスリングは、「グレコ・ローマンスタイル」と「フリースタイル」の2つに大別される。
グレコ・ローマンスタイルでは、上半身にしかタックルが出来ず、脚を持ったりすることが出来ない。女子競技が行われているのは一部地域のみで、世界レスリング連盟は女子のグレコ・ローマンスタイルを公式協議と認めていない。このスタイルでは、ロシアのアレクサンドル・カレリン等が知られている。
フリースタイルでは、下半身へのタックルも認められている。女子の伊調馨、伊調千春、浜口京子、吉田沙保里といった日本の女子選手が知られている。
この2種類のレスリングは「オリンピックスタイル」と総称されており、狭義のレスリングはこの2種類のみを指すのだが、このほかにもオリンピックに採用されていない「ノンオリンピックスタイル」が存在する。関節技が認められる「グラップリング」、関節技と打撃技が認められる「パンクラチオン」、砂浜で行われる「ビーチレスリング」などがある。
ガチムチパンツレスリングとの関連性
ニコニコ動画では、「レスリング」と言えば「ガチムチパンツレスリング」のことを指すことが多い。そのため、純粋なスポーツのレスリングが好きな人間は肩身の狭い思いをしているとされている。なお、ガチムチパンツレスリングとは、米国のゲイ向けAVに登場する、レスリングの動きを交えた、スキンシップ的な取っ組み合いを指していることがほとんどで、これは多くの場合レスリングの体をなしていない。その為、関連性はほとんど無いと言える。
他競技への応用
応用の利く技が多いため、格闘技の選手が学ぶ機会が多い。また、筋力やスタミナ、下半身の力など基礎的な能力も育まれる。プロレスや総合格闘技では、レスリングにおけるタックル、クラッチ、ガブり(相手の仕掛けたタックルを、上から体を乗せることで潰す技術)といった技は転用可能な技術である為、大抵の選手が身につけている。
オリンピック種目除外の危機について
2020年のオリンピック以降オリンピック中核競技からはずされる決定が2013年初頭にIOCによって決定され、オリンピック種目としての存続が危ぶまれている。理由としてTV視聴率、階級(男女、スタイル)の多さ、ルールのわかりにくさ、グレコローマンスタイルの動きの少なさが挙げられた。
古代オリンピックから実施されている競技であり近代オリンピック第1回大会から正式種目になっており、欧州で人気が高い種目かつ格闘技としては高い安全性やマットさえあれば容易に始められるという敷居の低いスポーツであるにもかかわらず、除外種目として選考されたことに疑問の声が多数あがり、特に競技人口の多い強豪国アメリカ、ロシア、イランはこの決定に抗議している。ロシアに至っては、ロシア連邦大統領であるプーチンがIOC委員会会長に直接面会に訪れる事態となった。また、競技人口が少ないながら強豪国に数えられる日本においてもアメリカなどに足並みをそろえ抗議を行っている。
結局、「スカッシュ」「野球・ソフトボール」とともに最終選考に残り、2013年9月9日未明、「レスリング」が過半数の票を獲得し、種目の除外は回避された。
関連動画
関連項目
- レスリングシリーズ
- プロレス
- アームレスリング
- アレクサンドル・カレリン
- 吉田沙保里
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