誤審(ごしん)とは、審議・審判を誤ること。特に以下の意味で使われる。
- スポーツ競技において審判員が競技判定を誤ること。
- 裁判などの審議で正当とは言えない判決を出すこと。
確かな証拠が無いにもかかわらず有罪または重罪とする場合、確かな証拠が有りながら軽微な罪or無罪とする場合など、一般的な罪および処罰の例から著しく外れた判決を主に指す。
特に前者に関しては、死刑制度や冤罪の問題など、誤った結果を押し付けられた人物に取り返しのつかない不利益を与える事になるため、今日まで重大な問題として議論されている。
(無関係の人物に無期懲役判決が下りた「足利事件」、獄中にて95歳で老衰死するまで本人が無実を訴え続けた「帝銀事件」、疑問が多いとされる証拠に基づき本人の自白無しで処刑が行なわれた「飯塚事件」、電車内での多発する「チカン冤罪」の問題など。)
本項では1.について記述する。
概要
野球やサッカーに代表される対戦型競技で問題となって来るものの1つがこの誤審である。
極端に言えばその判定により試合結果を大きく動かしてしまうこともままあり、審判には余程のことが無い限り従う必要がある重大な職責があるゆえに、高度なジャッジスキルが要求される。ここでは野球・サッカーを例に挙げる。
野球の場合
セ・リーグ、パ・リーグそれぞれに球審1名、塁審3名の計4名が審判として付く。日本シリーズ、オールスターの場合は外審2名を含めて6名となる。アメリカメジャーリーグの場合、レギュラーシーズンが前者、ポストシーズンが後者となる。社会人野球においても同様であるが、高校野球の際にはナイトゲームになると外審が追加され6名となる。また、英語でアンパイア(Umpire)となっている事から、一方の球団に有利な審判を下す審判団の蔑称も存在する(例:読売ジャイアンツ=ジャンパイア、阪神タイガースの場合は珍パイア等)。
野球における有名な誤審騒動としては、橘高淳(きったかあつし)による誤審騒動、MLBのボブ・デービッドソンによる第1回WBC(World Baseball Classic)の誤審判定問題、2007年9月11日のロッテ-日本ハム戦で起きた中村稔球審による明確な誤審、ソフトバンクへに対する誤審が多い良川昌美による誤審騒動があげられる。なお、あまりに誤審がある場合には厳重注意処分、戒告処分のほか、イースタン・ウェスタン各リーグ等への研修行きもある。
しかし、NPBにおける誤審騒動対応に疑問が生じる事件が起こる。上述の良川事件である。
彼に関しては、過去に6回騒動を起こし、うち4度ソフトバンク絡みで騒動(しかもなぜか4回とも9月。うち2つは2010年、2つは2011年)を起こしているが、特に問題となったのが2011年9月16日に起こったソフトバンクホークスvs日本ハムファイターズ戦での出来事である。8回、日本ハム中田が打ち損じた打球を城所がフェンス際でキャッチ、フライアウトになると思われたが、これをどう思ったのか二塁塁審だった良川が一度フェンスに当たってそのボールを城所がキャッチしたものと判定、フェンス直撃の二塁打となった(どう見てもフライアウト)。これに対してソフトバンク側からNPBに対して質問書を提出する事になるが、なんとNPBのコミッショナーが直々に判定に問題は無かった(つまり誤審は無かったのでお咎めなし)としてソフトバンク側の質問を一蹴したのである。この一連の騒動で、プロ野球ファン(特にホークスファン)から物議をかもすことになった。
サッカーの場合
サッカーにおける代表的な誤審は以下のものがある。
日本においては4級審判員から1級審判員、国際審判員までの階級分けがされているが、Jリーグの審判においては、実績のある1級審判員から選出されている。(世界の事情についてどなたか加筆をお願いします)
有名な誤審
- 1982 FIFAワールドカップ準決勝 フランス対西ドイツ
- フランスの決定機を西ドイツのゴールキーパーがチャージで阻止、フランスの選手は負傷してしまうが、警告はおろかファールにもならなかった。
- 神の手
- 1986 FIFAワールドカップ準決勝で、ディエゴ・マラドーナが明らかなハンドで得点。ファールとされず得点は認められた。
- 2002 FIFAワールドカップの韓国戦での露骨なホームタウンディシジョン
- イタリアに対してカードを多発させた反面、韓国選手がイタリア選手の後頭部を蹴るなど明らかなラフプレーを黙認したことや、韓国対スペイン戦でゴールをファールとするなどのスペイン側2ゴールの取り消し。
- FIFA創立100周年記念DVD「FIFA FEVER」の「10大誤審疑惑」にも実に4つもの誤審が入っている。ちなみにイタリア戦の主審であったエクアドル人バイロン・モレノは後日にもエクアドルで意図的誤審を行っており、最終的にはFIFAから除名された。
- 仏の手
- 2010 FIFAワールドカップ地区予選プレーオフで、ティエリー・アンリが明らかなハンドから決勝点をアシスト。
審判の現状
プレーヤー(選手)や観客からみて、明らかなものであったとしても、審判は試合場(コート)全体を見渡すことや、人の影(見えにくいところや死角、光と影)などにより、判断が難しい場合もある。
だが、裏金が回っていることや、ホームでの試合、審判自身の感情の表れなど、審判として決してやってはいけないことをしている審判がいるのは事実であり、これがオリンピックなどの予選で起こっている場合もある。
最近誤審が多いわけ(例:サッカー)
最近誤審が多いわけは、「審判の現状」にかかれたもの以外で
1.についてはそのまま。これは、FIFAが講習会を開くなどをして改善を施している(が、結果は出ていない)。
2.は、いままで目視しにくかったものが、映像(スローカメラ)等により、人間では判断が難しい細々なファールやライン際が分かるようになったため。
3.マスコミやサポーターなどが、判定ミス(誤審)をお祭り騒ぎするようになった。
2・3は「昔から誤審は同じくらいあった可能性」を示している為、本当に昔より誤審が増えたかどうかはわからない。
最近は2.を逆手に取って、審判側も判定に機械を使おうという流れもある。
関連動画
関連項目
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