1980年代終盤に発売された初代機、そして後述するような後継機も合わせて、主に全国のゲームセンター、またデパートやショッピングセンターなどのゲームコーナーに定番ゲームとして置かれた。
長年にわたって日本人に親しまれてきており、エレメカではない他のジャンルでの派生作品も生まれた。
初代
ゲーム内容
ワニが入った5つの穴がプレイヤーに向けて配置されており、ワニが口をガチガチと開閉させながらプレイヤーに迫ってくる。プレイヤーがそれらのワニをハンマーでなぐって退散させる、というゲーム内容。同時に複数のワニが迫ってくるので完璧に対応するのは難しいというところにゲーム性があり、叩けないままワニがこちらに迫りきってガブッと噛む仕草をすると「かまれた」扱いとなる。
「なぐったワニ」と「かまれた回数」はカウントされており、「なぐったワニ」から「かまれた回数」を引いた数が「とくてん」(得点)となる。40点以上を稼ぐと、ボーナスとしてプレイ時間が延長される。得点によって、最終的に「まいったスゴイ!!」「あぶなかったー」「こんなもんでしょ」「まだまだあまい!」「やーいざまあみろ」の5段階の評価メッセージのうちいずれかが点灯する。その日のハイスコアは「本日のスゴウデ」として表示され続ける。
一度もかまれずに殴り続けたときの点数は、報告によってばらついている。「パーフェクトを取った」時の画像を公開しているブログ[1]もあるが、その際の「とくてん」は117点であるよう。しかし同じく一度もかまれずにプレイしているのに「98点」を取っている動画(「関連動画」参照)もある。
プレイヤーの成績によって難易度が自動調整されるという機能も搭載しており、そのため下手なプレイヤーも上手いプレイヤーも楽しむことができるという。この難易度自動調整がどう働いたかによって「とくてん」上限値が変化するのかもしれない。あるいは内部的なバージョン違いなど。
ワニを殴ると「いでっ!」と痛がる声を発し、こちらを噛んだときにも「ばくっ!」と声を発する。また、プレイ終盤には「もう、おこったぞ!」と声を発して、こちらに迫る頻度や同時に迫ってくるワニの数が上昇、噛まれずにプレイするのは難しくなる。こちらを噛んでくる凶暴なワニのわりに少年キャラのような可愛らしい声質をしているが、これらのボイスを担当したのは当時まだ新人だった声優の「渡辺久美子」氏であるそう[2]。渡辺氏は同じナムコのゲーム『風のクロノア』シリーズの主人公「クロノア」の主人公の声優も担当しているので、声を聴き比べてみるのも一興かもしれない。
発売年
ナムコの後継会社であるバンダイナムコグループ各社の公式サイト内の資料では、初代「ワニワニパニック」の発売は1989年[3]。とするものと1988年[4]とするものが混在しており、どちらが正確であるのかは不明。仮に「試験的に一部のゲームセンターに限定販売したのが1988年中で、試験が終了して正式に販売されたのが1989年に入ってから」などの事情があるとすれば、どちらも正しい可能性すらある。
「Since its releace in 1988, WANI-WANI PANIC has been one of the must-buy machines for any type of locations.」と英語で記された販促パンフレット(?)を掲示しているサイトもある[5]が、このパンフレットの出自もわからないので何とも言えない。
修理対応の終了
初代は初発売から四半世紀以上が経過し、破損・劣化・故障なども進んでいる。修理不能となって撤去されてしまうケースもある。
旧ナムコ製品の保守修理サービスを行うバンダイナムコグループ企業「バンダイナムコテクニカ」公式サイトでも、保守対応修了リストに「ワニワニパニック」を掲載している[6]。とはいえ修理依頼があれば「部品があれば」対応しているらしいが、部品の供給も途絶えているそうなので修理不能となる可能性も高い[7]。
まだ稼働中の初代ワニワニパニックを見つけたら、ある意味貴重品なのでやさしく叩いてプレイしてあげよう。
後継機種・派生作品など
人気機種であったため、多数の後継機種や派生版が生まれている。
後継機としては、1990年に大阪で開催された「国際花と緑の博覧会」(通称「花博」)に出展された、8人通信対戦型の特別版「ワニワニパニックスペシャル花博」や、その普及版「ワニワニパニックGRANDPRIX」(1991年)、1996年の「ワニワニパニック2」などがナムコから発売された。また「ワニワニパニック3」は「ホープ」から発売された。
2020年6月には初代を再現しつつ、ポイント表示などを行っていた正面ボードが大型液晶に変更された「ワニワニパニックR」が稼働開始。
また、ナムコのメダルゲーム筐体「カーニバル」のワニワニパニックバージョン(1989年)や同じくメダルゲーム「ワニワニパラダイス」(1997年)、乾電池で動く電動玩具、LSIゲーム(任天堂の「ゲームウォッチ」のようなタイプ)、パチンコ機種「CRワニワニパニック」(2000年)など、エレメカ以外の派生作品も多数存在している。
「イタイワニー」との混同
ちなみに、別のおもちゃ「イタイワニー」のことを「ワニワニパニック」と呼んで混同しているケースがけっこうある。
「イタイワニー」は1993年にリリースされた「株式会社シー・シー・ピー」の製品で、「大きく口を開けたワニの歯を押していくと、どれかの歯に反応してワニが口を閉じる」というもの。ヒット商品であり、こちらも派生商品が複数出ている。
「ワニに噛まれる遊具」という共通点があるために、名前を混同して覚えてしまうケースがあるものと推測される。
関連動画
関連静画
関連リンク
- ワニワニパニックR | バンダイナムコアミューズメント
- NAMCO ARCHIVES AYUMI|ナムコワンダーランド ワニワニパニック
- 軽井沢ワールドトイミュージアム:WTM通信vol.12(サイト消滅済みのためインターネットアーカイブ)
- 昭和の名機「ワニワニパニック」が再ブレイクの兆し 令和へと受け継がれる開発者たちの想いとは | ORICON NEWS
関連項目
脚注
- *ワニワニパニック | フロンティア技研
- *『ワニワニパニック』開発者からグループ会長にまで上り詰めた男が語る、ナムコ激動の40年。創業者・中村雅哉との思い出、バンダイ経営統合の舞台裏【バンダイナムコ前会長・石川祝男インタビュー:ゲームの企画書】
- *NAMCO ARCHIVES AYUMI|ナムコワンダーランド ワニワニパニック
- *『弊社商品の保守対応終了について』
- *Wacky Gator by Namco Limited | Arcade Machines | Highway Games
- *『弊社商品の保守対応終了について』
- *ワニワニパニックが“絶滅危惧種”に! 製造元倒産で部品供給も途絶え…… (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
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