全国花火競技大会とは、秋田県大仙市大曲地区において8月第4土曜日に開催される花火師頂上決戦大会である。
概要
日本煙火協会が後援し、かつ、内閣総理大臣賞が与えられるのは全国でこの大会と土浦全国花火競技大会(茨城県土浦市)の2大会で両大会で内閣総理大臣賞を取ることは花火師にとって最高の名誉である。
なお、内閣総理大臣賞はないものの、熊本県八代市においても「やつしろ全国花火競技大会」が開催され、それを含めて日本三大花火競技会として多くの花火ファンに知られている
この大会が日本国内では最も権威のある競技大会とされる。会場対岸には姫神山、福伝山などがあり、それらの山に反射する音と花火観覧の邪魔になる光がない事もこの大会の自慢の1つである。
1910年(明治43年)に創始され、第二次世界大戦による中断を経て2012年(平成24年)で86回目の開催となった。
2010年(平成22年)には100周年を記念して「100周年記念番組」と称する花火が打ち上げられた。多くの花火ファンに愛されている。
なお、2011年大会から前年大会で「内閣総理大臣賞」を受賞した花火師による「エキシビジョン花火」が打ち上げられる。 昼花火の競技大会が行われることで有名で、主催者によれば日本国内で昼花火の競技大会はこの大会のみであるとされる。
また競技会の合間にテーマに合わせて打上げられる、ワイドスターマイン「大会提供花火」は毎年大変な人気で、各回毎に異なるテーマを掲げて大曲花火協同組合青年部が1年かけて製作する。
「大会提供花火」は全長500メートルに及ぶワイドスターマイン。1セットのスターマインではなく一列に並んで何カ所も打ち上げられ、音楽に合わせて約5~7分に渡り壮大な打ち上げを行う。フィナーレの速射連発、数カ所からシンクロで上がるトラの尾、一斉に上がる銀冠・錦冠は圧巻。
ドイツ・ハンガリー・台湾・韓国など、海外でも「大会提供花火」の名で打ち上げられた。
競技内容は17時頃に開始される昼花火の部と、19時から開始される夜花火の部に分かれ、夜花火の部のほうが規模が大きい。
昼花火の部は5号早打ち5発、割物または煙竜。夜花火の部は課題・自由玉の10号玉それぞれ1発の10号割物の部と創造花火の部で競われる。
創造花火は「花火は丸い」という概念を破り創造性を追求する。したがって、形は従来の丸型にこだわることなく三角でも四角でもよい。
最近、他の花火大会でも笑顔やアニメキャラクターやヒマワリ、麦わら帽子、サングラスとお馴染みになったが、このような創作花火はこの全国花火競技大会が発祥とされている。
テーマをもうけて2分30秒以内で形態、色彩、リズム感、立体感などの創造性を審査する。主流は速射連発(スターマイン)だが、8号玉早打ちでも良い。
総合優勝者には内閣総理大臣賞、創造花火の部優勝に経済産業大臣賞、10号割物の部優勝には中小企業庁長官賞、昼花火の部優勝に大会会長賞が与えられる。また特別賞で文部科学大臣奨励賞がある。
ちなみに、競技玉は作った本人が打ち上げなければならない。また安全面から花火の火の粉が消えずに地面に触れたら減点などの細かな基準があり、
この事からもこの大会が日本のトップクラスの競技会であると言える。
この大会の人気は相当なものでアクセスがそんなに良くない土地柄だが、毎年全国から平均して70万人が鑑賞に訪れ、中にはキャンピングカーで1週間くらい前から前乗りしている強者もいる
しかしながら都市機能は4万人程度なので、当日は毎年のごとく一般道高速道を含めて渋滞が各所で発生し、それの対策のため渋滞緩和の協議会が設置され、「大曲花火アクセスNavi」という交通情報のWebページが常設され少しでもスムーズな往来ができるように取り組まれている。
その甲斐もあってか、2007年くらいを境に最後まで見ていても土曜日のうちに大曲市街地を抜けられるようになってきている。
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関連項目
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