商とは、以下のことを表す。
- 商 - 古代中国の王朝。日本では殷、殷王朝と呼ばれることのほうが多い
- 商 - 除算の答え
- 商 - 商人階級のこと。士農工商の一つ
- 商 - 五声の一つ
- 商 - 数学用語で、商集合やそれに類する代数構造のこと。quotientの訳
- 商 - 星の名
- 商州 - 中国にかつて存在した行政区画
人名
中国語圏の姓名である。
漢字として
商
- Unicode
- U+5546
- JIS X 0213
- 1-30-6
- 部首
- 口部
- 画数
- 11画
- 意味
- 商売する、商人、行商人、流通、良し悪しを量る、諮る、計算する、秋、という意味がある。
- 賞と通じて、賞める、褒賞、という意味がある。謫と通じる。
- 〔説文解字・巻三〕には「外よりして內を知るなり」とある。
- 字形
- 後述。
- 音訓
- 音読みはショウ(漢音、呉音)、訓読みは、はかる、たまう、あきない。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校3年で習う教育漢字である。JIS X 0213第一水準。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。
- 声符
- 商を声符とする漢字には、𧶜などがある。
- 語彙
- 商意・商運・商音・商歌・商会・商搉・商機・商議・商業・商估・商賈・商工・商校・商魂・商才・商材・商子・商市・商事・商社・商女・商船・商戦・商兌・商度・商定・商店・商人・商売・商標・商品・商埠・商用・商略・商流・商旅・商量・商論
字形説
諸説ある。
宮殿を表す丙と王位を表す冠の象形字の会意とする説、宮殿を表す丙に従い章の省略を声符とする形声説、台座を表す丙と辛の会意で刑罰権を表すとする説(白川静)、言+内の会意説(〔疑疑〕、〔通訓定声〕)などがある。
甲骨文では、商の都や人名などに使われていて、原義は明らかでない。
〔説文〕は冏に従い章の省略が声符の形声説としていて、ほかにも章の省略+冏の会意、辛+冏の会意説など、冏に従うという説がある。しかし甲骨文では、口を含まない形であるので、必ずしも冏に従う字というわけではない。
商売の意味
商王朝(殷)が周王朝によって滅ぼされた後、商の人が各地に散らばり商売人になったので、商売のことを表す字になった、という説(小島祐馬)がある。しかし、商王朝の滅亡後商の貴族は周王朝に仕えており、また周王朝は商のことを殷と呼んでいることから、この説は否定されることが多い。
ほかに、商は金文のころから賞与や賠償の意味で使われているので、そこからの引伸義で商いの意味を持つようになったとする説(白川静)がある。
異体字
- 𡅟は、〔集韻〕にある古文。
- 𠿧は、〔集韻〕にある古文。
- 𠾃は、〔集韻〕にある古文。
- 𡂦は、〔集韻〕にある古文。
- 𡃬は、〔集韻〕にある古文。
- 𡄚は、〔集韻〕にある古文。
- 𠹧は、〔玉篇〕にある古文。
- 𥫐は、〔篇海〕にある籀文。
- 𧶜は、〔字彙補〕に古文商字とある字。〔説文解字〕には別の字として載っていて「行賈なり」とある。
- 𠼬は、〔漢語大辞典・異体字表〕にある異体字。
- 𠘾は、〔六書略〕に商と同じとある異体字。
- 𨝗は、〔康煕字典〕に商と同じ、俗に邑を加えるとある俗字。
- 謪は、〔荀子・儒效篇〕に見え、註に商と同じとある異体字。
関連項目
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