概要
天北は国鉄民営化の直後の1989年に廃止された天北線を経由した唯一の優等列車である。
優等列車が大増発された1961年の俗に言うサンロクトオのダイヤ改正で急行天北は誕生したのだが、稚内駅を発着していた4つの急行列車の中で天北のみが準急時代を経験せず当初から急行列車として設定されていた。天北が設定された1961年から天北が廃止される1989年までの28年(正確には1968年からの2年間は除く)もの間、稚内駅を発着する列車は宗谷・天北・礼文・利尻と固定されていた。尚、稚内駅発の時刻も朝の宗谷・昼の天北・夜の旭川行礼文・夜行の利尻と区別されていた。
使用車両は経由地の宗谷本線・天北線が非電化だった為に基本的に気動車が使用されていたが、1985年からは昼間の列車であるのに14系客車が使用されるという異例の事態となった。これは経費削減の為に夜行急行利尻と使用車両を統一した為だが、下り天北(と上り宗谷)は利尻と共通運用の為に寝台車が連結されており、寝台車にはグリーン券で乗る事ができた。しかし客車昼行急行天北も1988年のキハ400形・キハ480形投入に伴い気動車急行になっている。
そして1989年の天北線廃止に伴い急行天北も宗谷本線経由急行宗谷の増発で対応する事となり廃止されてしまった。これで天北は優等列車が路線廃止日まで運行されていた最初の事例となってしまった。その他の事例に北陸新幹線開業で信越本線の横軽間が路線ごと廃止された在来線特急あさま等がある。余談だが急行天北の時間帯で運行されていた急行宗谷は1992年7月に急行サロベツに変更されている。
廃止直前の運行形態
停車駅
| 駅名 | 札 幌 駅 |
岩 見 沢 駅 |
滝 川 駅 |
深 川 駅 |
旭 川 駅 |
和 寒 駅 |
士 別 駅 |
名 寄 駅 |
美 深 駅 |
音 威 子 府 駅 |
小 頓 別 駅 |
中 頓 別 駅 |
浜 頓 別 駅 |
鬼 志 別 駅 |
南 稚 内 駅 |
稚 内 駅 |
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| 下り天北 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 上り天北 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
列車名の由来
経由路線の天北線から。
年表
1961年10月 札幌~稚内間に天北線経由の急行天北が設定される。札幌~滝川間は釧路駅発着の急行狩勝と、札幌~旭川間は網走駅発着の急行はまなすと併結していた。
停車駅は札幌 - 岩見沢 - 美唄 - 砂川 - 滝川 - 深川 - 納内(下りのみ) - 旭川 - 士別 - 名寄 - 美深(下りのみ) - 音威子府 - 小頓別(上りのみ) - 中頓別 - 浜頓別 - 鬼志別 - 南稚内(下りのみ) - 稚内
1975年3月 再び運行区間が札幌~天北線経由稚内間に変更される。
1989年5月 天北線廃止に伴い音威子府~南稚内間を宗谷本線経由で運行されていた急行宗谷の増発で対応する事となり急行天北廃止。
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