小選挙区比例代表並立制とは、衆議院議員選挙で使われる選挙制度の一つである。
概要
小選挙区比例代表並立制は「小選挙区制」と「比例代表制」という2つの選挙制度を並立して行われる選挙のことである。日本では1996年の衆議院議員選挙から導入されている。並立させることで双方のデメリットを補い合う目的がある。
ややこしいことに「小選挙区比例代表併用制」という制度もあるらしいのだが、これは比例代表制に重きを置いている場合が多いらしく、小選挙区の比重が高い日本では「小選挙区比例代表並立制」を使うことが正しいと言える。
それぞれの選挙制度
小選挙区制
2017年現在の衆議院の議席数であるの465名のうち、289名が選ばれる選挙制度。
日本全国を289の選挙区に区分し、それぞれの選挙区で1人ずつ当選させる方式。なお、選挙区は各都道府県に1議席ずつ与えたのち、それに加えて人口比例に応じて配分されるようになっている。
右記は2017年10月22日に行われる衆議院議員選挙における各都道府県の選挙区及び議席数である。
各選挙区で1人しか当選しないため、多数派の意見が採用されることになる。このため世論が反映されやすく二大政党制を目指すうえでは効果的に働く。
しかし、当選者以外は全て落選となってしまうため、大きな規模の政党に票が集まりやすいこの制度だと、小さな政党や無所属の候補者にはかなり不利な制度である。
また、当選者以外の票は意見に反映されないという意味の「死票」が大量に発生してしまうのも問題点の一つとされている。
比例代表制
2017年現在の衆議院の議席数465名のうち、176名が選ばれる選挙制度。
全国を11のブロックに区分し、それぞれ議席数を配分する。各ブロックの組み分けおよび議席数は右の通り。
投票された「政党の得票数」を集計し、ドント式と呼ばれる方法で整数で割っていき、各政党から事前に提出された立候補者名簿に応じて当選を決定する選挙方法。
- 政党ごとの得票数を集計。
- 得票数を整数で割っていく。
- 割った数の大きさに応じて名簿順位に沿って議席を獲得。
- 名簿順位が同じ場合、小選挙区での惜敗率で決まる。
- 小選挙区で有効投票数の10%に満たない候補者は対象外。
このようにして当選が決まるので、以下の場合で「6議席」で争う場合はこうなる。
政党 | 東方自由党 | アイマス党 | ボカロ運動党 |
---|---|---|---|
総数 | 100,000 | 80,000 | 50,000 |
÷1 | 100,000![]() |
80,000![]() |
50,000![]() |
÷2 | 50,000![]() |
40,000![]() |
25,000![]() |
÷3 | 33,333![]() |
26,666![]() |
16,666![]() |
比例代表制は、小選挙区制と比べると小さな政党でも議席を獲得できる可能性が高くなっているのが特徴。ただし、政党に依存した方法のため無所属の候補者は立候補することはできない。ただし、推薦する形で名簿に登録すること自体は可能らしい。
この名簿に登録をしておくと、万が一小選挙区で落選したとしても比例で当選することができる。このことは「復活当選」と呼ばれ、メディアの開放速報は大臣経験者などが一旦落選したが復活当選ができるか否かを取り上げることが多い。
関連リンク
関連項目
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