憂鬱くんとサキュバスさんとは、漫画作品である。作者は「さかめがね」。
集英社のウェブ漫画サイト『となりのヤングジャンプ』にて、2015年9月から連載されている。
概要
癒されなくては、いやらしくなれない。
乱暴に要約すると「主人公の元に精を奪おうとしたサキュバスが押しかけてきたが色々あってうまくいかず、主人公と同居することになって共に日常を送る話」であり、こう書くとお色気コメディ漫画のようである。確かに下ネタは多いし、コメディ系漫画ではある。
だが、時に体も動かせなくなるような深刻な鬱に陥っている主人公と、そんな彼のことを心配しつつ明るく寄り添うサキュバスの姿を描く、下ネタ多めの癒し系漫画でもある。
コミックス第1巻の帯には、とある読者がTwitter上で溢した感想の中から
こういうふうに接してくれる誰かが欲しかった
との一節が記されている。
2016年12月からは、『となりのヤングジャンプ』とニコニコ静画のコラボ企画「となりのヤンジャン!」の一環として、ニコニコ静画 (マンガ)にも後追いで少しずつ掲載されている。
ウルトラジャンプ(集英社刊)2015年12月号に「となりのヤングジャンプ注目連載お試し第1話!!」として掲載されたことがある。
ストーリー
一人暮らしの青年の部屋に、男の精を奪う恐ろしい淫魔サキュバスが襲来した。
「吸い尽くしたるで~!」
その青年は長時間勤務の日々に疲れ果てて鬱となっており、性欲も、生きる気力も失っていたのだ!
性欲が無い相手にはサキュバスも手出しのしようがない……。だが非常に前向きで努力家だったそのサキュバスは憂鬱について真面目に学び始める。
そして、青年をどうにか元気付けて性欲を取り戻させようと、彼と同居して甲斐甲斐しく世話をしはじめるのだった。
登場人物
- 憂(ゆう)
- 「あ 半年振りだ… 0時前に帰れたの…」
「ごめん… 君のために何もできない… 僕…」
一人暮らしの青年。鬱による不眠のためか目の下にクマがある。
勤務先に酷使される日々を送っているうちに鬱になってしまっており、その影響で性欲を喪失している。
サキュバスが世話をしてくれているのに彼女の栄養になれないことを気に病んでいる。また隙あらば頑張ろうとするなど、根が真面目。つまり鬱になりやすそうな性格をしている。
名前は第34話で初めて出てくる。 - サキュバス
- 「心の燃料切れ… 真面目 努力家 責任感の強い人は自分を責めてしまいがち… がんばれではなくがんばったねが適切な声かけ… ふむ…」
「ユーウツなの直したらエロいこと出来るんやろ? それやったらウチが元気付けたるわ思てな!よろしゅう!」
淫魔サキュバス。なぜか関西弁。胸が小さい。
主人公の精を吸い尽くすために襲撃したが、彼が性欲を失っていることを知り一旦引き下がる。だが勉強家だったために鬱のことを書物で学び、鬱を改善させれば性欲も復活するはず、という発想の元で主人公と同居し、元気づけるために世話を始める。
普段の言動はエロかったりストレートにシモいが、実は密かにプラトニックな純愛小説などを好んでおり、エロい雰囲気がない純粋なハグなどにも弱い。だがこれはサキュバスの価値観からすると「変態」の部類に入るため、恥ずかしく思ってひた隠しにしている。
バイトするために「さくまさん」という偽名を名乗ってはいるが本名は不明。サキュバスにとって本名は命と同じ。 - ツグナエル(天使)
- 「頑張ってください! みんなは普通にできてることですよ? 努力が足りません! こんな状態良くないです! 心の力を燃やして悪魔を退けましょう!」
- 「悪魔の施しを受けて生きるなど恥ずかしくないんですか?」
天使。胸が大きい。
主人公が鬱で動けなくなっている様を「悪魔サキュバスに堕落させられた哀れな人間」と誤解し、更生させるためにやってきた。
鬱への理解がなく、上記のような「鬱の人間にかけてはいけない言葉」を連呼するなど、更生させるどころか精神的にトドメを刺しにきているかのような言動をとる。だが、本人に悪気はなく励ましているつもりのよう。どうにもポンコツ。
下界に拠点がないようで、ホームレス支援の炊き出しをもらったり、主人公とサキュバスの家に訪れた際に飯をたかることで食いつないでいる。
名前は第34話で初めて出てくる。 - 店長
- (こんなにいい子が悪い男に騙されているなんて…)
サキュバスがバイトしているパン屋「パンデミック」の店長。
優しいいいひと。働き者で朗らかなサキュバスを好ましく思っている。 - だがサキュバスの伝え方が悪かったために、主人公とサキュバスの関係を「体目当てのヒモ男に騙されている」と誤解しており心を痛めている。
ついでの知識
コミックス
2016年9月16日にコミックス第1巻発売。描きおろし番外編&隠しコミック全12ページが収録されている。
「となりのヤングジャンプ」の連載ページでは、この1巻発売に際して
という、漫画のコミックスの売り文句としてはなんだか一風変わった文章を掲げていた。
沈黙、そして活動再開
2018年1月の第84話を最後に更新が途絶えていたが、2020年3月21日に作者がツイートを再開。没ネームが公開(pixiv fanbox 支援者限定)された。"めっちゃ元気" であり、"近く良いご報告ができますよう(程々に)頑張って" おり、ファンティアやファンボックスでの支援者を募集中とのこと。同年4月22日、2年ぶりの更新となる第85話が公開された。
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原型
この作品には原型があり、2016年2月に作者の「さかめがね」がTwitter上に投稿した6枚の漫画、「鬱病患者に取り憑いてしまったサキュバスが頑張る漫画」がそれである。
これは現在の「憂鬱くんとサキュバスさん」とほぼ同様の内容であったが、しかし「鬱病」とダイレクトな病名を使っているところや、青年が早まった真似をするショッキングなシーンなど、一味違う内容も含んでいた。
作者の言葉によれば、この原型となった漫画には「うつの改善には周囲の人のうつへの深い理解と献身が必要である」というテーマがあったらしい。
関連静画
関連リンク
- となりのヤングジャンプ
- 憂鬱くんとサキュバスさん - ニコニコ静画 (マンガ)
- さかめがね(@sakamegane) - twitter
- さかめがね - ファンティア
- さかめがね - pixivFANBOX
関連項目
脚注
- *作者であるさかめがねのツイートより
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