コメディ(英:Comedy)とは、ギリシャ語の「kōmōidia」を語源としており、これは「催しで歌う人」を意味する。
現在、英単語として「Comedy」と言った場合は「喜劇」「見る人を笑わせる映画・テレビ等の作品」などを意味する。
概要
コメディとは喜劇の事である。対義語は悲劇を意味するトラジェディー。
元々は、舞台喜劇で使う用語であったが、テレビ、映画などが普及してからはそちらでも使われるようになった。
コメディに登場する人の事は「コメディアン」と呼ぶ。日本の場合は「コメディアン」と言うとお笑い芸人全般を指す場合が多い。
日本では女の人でコメディを行う人のことも「女性コメディアン」と呼んだりするが正確には男性だけが「コメディアン」で女性が「コメディエンヌ」になる。
コメディ映画やコメディドラマ、コメディ番組など、娯楽作品の中でも人気があり日常的に目にしたり聞く機会が多い。
なお真面目な展開が主である作品の中にクスリと笑わせる要素や登場人物が一部盛り込まれているような作品の場合は「コメディ」に含まれないと解釈され、そのシーンまたは登場人物のみを指して「コメディリリーフ」または「コミックリリーフ」という言葉を使用する。
日本の漫画・アニメ・ゲームにおける「コメディ」
日本ではいわゆる「コメディ漫画」など、物語の中に笑いを誘う要素が込められている作品全般に対して「コメディ」という言葉が使用される。笑い以外の要素が付加されているコメディ作品は「◯◯コメディ」などと言われており、日本では特に「ラブコメディ」と呼ばれる恋愛と笑劇を足した作品が人気となっている。略され「ラブコメ」とも言われる。
コメディの要素さえあれば「◯◯」の部分は何でも当てはまる。例えば家庭内や日常を主題とした喜劇作品であれば「ホームコメディ」、SFを主題としたコメディ作品であれば「SFコメディ」など。「じゃりン子チエ」のような人情ドラマをベースにした作品は「人情コメディ」と言われるなど、その分類は多岐に渡る。
ラブコメに別の主題が加わっている作品であれば、さらにその前に接頭語がつく(例・『らんま1/2』→「格闘ラブコメ」、『ラブひな』→「ハーレムラブコメ」など)。
「コメディ作品」と「ギャグ作品」の違い
日本では笑いを誘うジャンルの作品としては他に「ギャグ作品」が存在するが、ギャグ作品とコメディ作品の最大の違いは「ストーリーライン」を重視しているか否かにあると言える。
いわゆる「コメディ漫画」のような作品とは、『個性豊かな人物が登場するが突拍子な人物が登場することは少ないか、あってもストーリーラインを無視するほどのキャラクターであることは少なく、キャラクター同士の交わりや、物語の本線と伏線を絡みあわせる中で生じる「ズレ」や「おかしさ」を滑稽に描くことで読者の笑いを誘うタイプの作品』のことであり、(後々の笑いのために敢えて)物語の伏線にシリアスな展開を織り込むこともしばしば存在する。
一方「ギャグ漫画」のような作品とは『ストーリーラインはほとんど無視され、常識外れな登場人物がなりふり構わず場をかき回すような作品』のことであり、ストーリー性はあってもストーリー漫画のそれと比べると多分に短絡的であることの方が多い。
またコメディ作品は原則的に登場人物などの設定や時系列の流れなどは作品中を通じて維持された形を保つのに対し、ギャグ作品は一話もしくはごく短い連続もので一つのストーリーが完結することが基本で、ネタや作者の都合のために設定がコロコロ変わることも少なくない。
作品の土台となる「笑い」の質においても性質の異なる部分があり、コメディ作品の笑いは総じて(毒などの有無といった意味で)健全なイメージのものであるのに対し、ギャグ作品は風刺や毒、不条理や下ネタも厭わず盛り込まれやすい、といった点に違いがある。これも、ストーリーに沿って展開するコメディとは違い、むしろストーリー性が薄いからこそ後者のような毒のある笑いやシニカルなネタが盛り込みやすいといった要素があると言えるだろう。
このように、同じ「笑い」を提供する作品であっても、ストーリーラインの重要性や笑いの質などにおいて「コメディ」と「ギャグ」との間には明確な違いがある、と言うことができる。その一方で、スラップスティックコメディ(ドタバタ喜劇)のような作品の場合はギャグ作品と同類とみなされることも多い。
しかし両者は決して相容れないというものではなく、「ハヤテのごとく!」のように、ラブコメの体裁を保ちつつ作品中にパロディギャグをふんだんに織り交ぜるなど、ラブコメ漫画ともギャグ漫画ともどっちとも取れるような作品も中には存在する。そのような場合は、読者の判断にお任せするか、そんなこと気にせず読んでもらうしかないであろう。
一般的に「コメディ漫画」は「ギャグ漫画」よりも笑いの要素は少ないと思われがちだが、これは前述の要素が原因で、必然的にギャグ漫画の方が「笑わせどころの手数が多くなる」ことに起因するものである。しかしコメディ漫画には「ストーリーの絡め合わせを活かした笑い」という、ギャグ漫画とは異なる可笑しさを描けるという特性があり、時にギャグ漫画を凌ぐ爆発的な腹筋崩壊ストーリーが描かれることもある。このため、一概に「コメディ漫画の方がギャグ漫画よりも笑いが少ない」とは言い切れない。
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