杉本昌隆(すぎもとまさたか)とは、将棋棋士である。棋士番号197。愛知県名古屋市出身。
弟子に藤井聡太、室田伊緒、中澤沙耶がいる。とくに藤井と室田は非常に有名になったため、本人の戦績より、彼(彼女)らの師匠としての知名度ばかりが上がってしまった感があるが、若い頃は振り飛車党強豪棋士の一人として知られた。
概要
21歳でプロ入り、その後は順位戦で最高B級1組まで上り詰めたこともある実力者。また、竜王戦は1組を7期経験している。生粋の振り飛車党として知られ、中でも四間飛車党として、大山康晴から始まり、森安秀光、小林健二に次ぐ系譜を辿っている。尤も、小林の後にあの藤井猛が現れ大革命が起きたために、四間飛車党の中でもややマイナーな存在となっているが、色々と定跡を体系化し、データベース化した功績は大きい。また、プロ棋士では珍しく、相振り飛車の定跡本も出版している。そして、最後の正統派四間飛車党棋士とも呼ばれた(そう呼んだのは村山聖だが、近年では高崎一生が正統派の四間飛車を多く指しこなし、高い勝率を誇っている)。
この振り飛車党の気質について、師匠の板谷進からは、若いうちは(伸び悩むから)居飛車をやるようにと勧奨されるものの、奨励会から今日まで振り飛車一筋でここまで来ているという、まさしく振り飛車党の鑑である(一方で、村田顕弘の進言を受け、居飛車も指すようになり振り飛車破りの定跡書も出している)。
ちなみに師匠の板谷も名古屋、本人も名古屋、弟子も愛知と愛知と縁が深く、将棋教室も名古屋に置いているなど、名古屋愛が強い。そのため、地元では石田和雄と並び人気が高く、普及にも熱心である(また、室田や藤井の件もそうだが、宣伝が上手いともいわれている)。
藤井がスピード昇段したことでしばらく両名“七段”で並んでいたが、2019年2月に藤井に先んじて八段に昇段した。
杉本先生
杉本が今日脚光を浴びているのは、藤井聡太の師匠だからであり、若いうちからその才能を見抜き、小6の時には平手で打ち負かされたという。そして「もう将棋で教えることはない」と告げ、以後は棋士や社会人としての礼儀や振る舞いを指南するようになった。そして、彼をプロにできなかったら引退するというほどの意気込みだったそうだが、その心配は全くの杞憂であったのは今更語るまでもない。
だが、杉本が先生とか師匠とか呼ばれ出したのはもっと以前からで、名古屋で有名な将棋教室の先生をやっていたことと、室田伊緒というアイドル棋士(当時は。現在は女帝と呼ばれ…ry)の師匠だったことで、そのときに盛んに採り上げられたことによる。面倒見の良さは藤井のエピソードからも伺えるが、当然この室田に対しても溺愛しており、某掲示板では「いおたんかわいいよいおたん…」と彼女を愛でる師匠のAAが作られたりしていた。
順位戦昇級について
2018年度C級1組順位戦にて、50歳にしてB級2組復帰となった。
30前後がピークと言われる将棋界において、50代で順位戦昇級となるケースは少なく、
特にC級1組は若手強豪が上がることが多いため珍しい出来事だった。
50歳の昇級は歴代4番目の高齢記録とのこと。
過去のC1→B2の高齢記録として下記の3回がある。
59歳-松下力八段
54歳-岡崎史明九段
52歳-岡崎史明九段
いずれも昭和の記録であり、当時とはC級1組の人数にかなりの差があるため、
現代での昇級はかなり凄いと言える。
弟子の藤井聡太との同時昇級が期待されていたが、彼は惜しくも順位差で昇級ならずと1敗に泣く結果となった。
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関連項目
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