《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》(けんきゅうしつのへんしゅうきょう)とは、マジック:ザ・ギャザリング(以下、MTG)のカードである。初出は2011年発売の『イニストラード』。
概要
Laboratory Maniac / 研究室の偏執狂 (2)(青)
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
あなたのライブラリーにカードが無いときにあなたがカードを引く場合、代わりにあなたはこのゲームに勝利する。
2/2
所謂、勝利条件を追加するカード。
本来、MTGではカードが引けない場合は負けになるが、このカードが場にあればそっくりそのまま勝利となる。
それを除けばごく普通の性能のバニラクリーチャーでしかない。
ゴシックホラーをモチーフとしたイニストラードらしい、サイコでマッドな研究者といった風のカード。
彼の頭には大いなる計画だけが渦巻き、それが成功したらどうなるかまでは考えが行かなかった。
His mind whirled with grand plans, never thinking of what might happen if he were to succeed.
MTGにおいて、デッキはライブラリーと呼ばれ、プレイヤー自身の知識を現している。本来はそれが枯渇するということは負けなのであるが、己の欲求からそれを限界まで掘り進めることこそが彼の勝利なのだろう。
もちろん、フレーバーテキストの通りその先のことなど考えにはない。
知識の渇望
このカードを使うからには、当然ふつうの勝ち方はしない。殴りもせず、ただひたすらに自分のデッキを削り続けるコンボデッキに近い構築が必要となる。所謂メルヴィン型のプレイヤーに愛されるカードといえよう。
特殊勝利条件の中でも、比較的どうすれば達成できるのかの選択範囲が広い。
ライブラリーがゼロになった時点では勝ちではなく、そこから1枚は引かないと勝てない点は注意したい。
使用例
・The Spy(ザ・スパイ)
ヴィンテージ(一部制限カードを除き何でもあり)とレガシー(一部禁止カード有り)のフォーマットに存在する、界隈では言わずと知れた1ターンキルデッキ。このデッキの特徴は何といっても土地カードが一枚も存在しないこと。土地が無かったらマナが出ないだろ!と思うかもしれないが、土地以外のマナファクトというのは結構いろいろと存在する(Moxだの睡蓮の花びらだのダリチューだの)。これらを駆使して4マナを確保し次のカードをキャストするのがこのデッキの1キルコンボの始まりである。
Balustrade Spy / 欄干のスパイ (3)(黒)
クリーチャー — 吸血鬼(Vampire) ならず者(Rogue)
飛行
欄干のスパイが戦場に出たとき、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上から、土地カードが公開されるまでカードを公開し続ける。その後、それらのカードを自分の墓地に置く。
2/3
コイツの能力は2/3の飛行・・・はオマケであり、本命はそのあとのCIP。ライブラリを土地が出るまで上から公開し、めくれた分を墓地送りにするというライブラリ破壊能力であるが…
察しのいい方はもうお気づきになっているだろうが、この能力を自分を対象に撃つことで先述のデッキ構築の都合上『土地が入っていない=土地が公開されることはない』のでライブラリが全て墓地にシュートされる。後は下記のコンボを決め、勝利となる。
- 『ライブラリから直接墓地に落ちたとき代わりに戦場に出る』という一風変わった能力を持つ《ナルコメーバ》を場に複数出す。
- スパイやナルコを生贄にすることで墓地から唱えられるリアニメイト(いわゆる死者蘇生)呪文《戦慄の復活》をフラッシュバックし、《栄光の目覚めの天使》をリアニメイト
- 天使の能力『種族が人間のクリーチャーを全てリアニ』を起動し、フィニッシャーたる《研究室の偏執狂》と《巻物の君、あざみ》を戦場に吊り上げる。
- あざみの能力で1ドロー、ライブラリはすでに空なのでドローできません→勝利
このデッキの強みは相手の墓地対策や打ち消しカードがない状態でスパイとマナファクトが初期手札に揃えば確定初手ワンキルになる所である。他の普通のコンボデッキがある程度の不確定要素を孕んでいるのに対し、コイツはスパイさえ通せばほぼ確定となってしまう。が、フォーマットがフォーマットなので開始1ターン目なのに打ち消しカウンター(ウィルだのデイズだの)が飛んでくるのもご愛敬。幸いこのデッキはコンボパーツ以外は土地じゃなければ何を入れても成立するので、こちらも打ち消しを入れておくとよいかもしれない。またこの必要パーツが少ない性質を利用し、他のデッキアーキタイプであるドレッジによる勝利ルートを確保したハイブリッド型があったりする。まあどっちにしろ墓地対策には弱いんだけどね。
関連動画
使用する動画はいくつかある…が、カード名をググると出てくる頼子とはいったい……。
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関連項目
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