という意味である。
具体的には以下のような意味でつかわれる。
- ある製品シリーズにおいて、上位と位置付けられた製品が下位と位置付けられた製品の全ての機能を持っていること。ソフトウェアに対して使われることが多い。
- 1.から転じてTCGにおいて、カードの強さを比較した際に一方があらゆる面においてもう一方より上回っていること。
その他、様々なジャンルで同一系統の性能・能力を持つ二つのものについて、一方がもう一方を完全に上回っている時に「○○は××の上位互換」という使われ方をされる。
アッパーバージョンと言われる事もある。
1.の説明
- ある製品に通常版と廉価版があるとする。この時、通常版で廉価版の全機能を使える場合は「通常版は廉価版の上位互換である」と言う。
- ある製品に対して新バージョンが販売され、新バージョンが既存バージョンの全機能を使える場合も同様に「新バージョンは通常バージョンの上位互換である」という。
対義語として「下位互換」がある。当然、下位の製品が上位の製品の全機能を使えるわけがないので「上位版で作成したデータを(機能制限されつつ)下位版でも使用できる」「一定の条件下で上位版の製品と同じように使える」と言う程度の意味である。
上位互換(下位互換)に近い言葉として後方互換(前方互換)がある。これは、2番目の例のように「新しいバージョンが古いバージョンの全機能を持っている。」ことを指す。新しいバージョンは古いバージョンに機能を追加している場合が多いので、後方互換の製品は上位互換の製品であることが多い。
2.の説明
同じ使用目的のカードを比較して、一方が明らかに強い場合、強い方を「上位互換」、弱い方を「下位互換」という。
例えば、
- コスト1で対戦相手かモンスター1体に3点のダメージを与えるカード
- コスト1で対戦相手かモンスター1体に2点のダメージを与えるカード
- コスト2で対戦相手かモンスター1体に3点のダメージを与えるカード
- コスト1で対戦相手に3点のダメージを与えるカード
以上、4種があったとする。この時、1は、「2と比べて威力が高く、3と比べてコストが安く、4と比べて狙える相手が多い」という点でそれぞれに対する上位互換である。そして、2,3,4同士はそれぞれに対して一長一短なので上位互換、下位互換の関係にはない。
ただし、「一長一短」というのも曲者で
という2種類のカードがある時、ゾンビが絶対使わないようなザコ1種類だけしかなく、ドラゴンばっかりいるゲームだったとしても、この2枚は上位互換、下位互換の関係にはない。上のカードは(クソザコ)ゾンビにダメージを与えられない、という点で下のカードの代用にならないためである。
そのため、「無視できる程度とはいえ、一応弱いカード側でできて強いカード側ではできないことがある」場合でもざっくり「上位互換」「下位互換」でくくり、そういった要素すらなく一方的に強い場合に「完全上位互換」という言葉を使うことがある。[1]
上位互換のカードがあっても、下位互換のカードが必ずしも「いらない子」「デッキに入らない」というわけではない。ほとんどのTCGでは山札に入れられる同名カードの枚数に制限があるため、「多少弱くても同じような効果のカードがたくさんほしい」ということがある。
この例でいうならば、とりあえず1はフル投入するとして、よく使われるモンスターの体力に応じて2か3がいくらか投入されるだろうし、直接ダメージで対戦相手を倒すつもりなら4がフル投入され、さらに3が投入されることになるだろう。
関連項目
脚注
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