紀とは、人名やその他いろいろな意味のある言葉である。
人名
姓
氏
古代氏族に紀氏があった。
紀伊国造が代々紀氏を称した。天道根命を祖とするといい、その歴史は気が遠くなるほど古い。代々紀伊国(和歌山県)日前・國懸神宮の神官を務め、その血筋は現在まで伝わっている。
また、公家の紀氏は武内宿禰の子という、木角(き・の・つの、漢字は紀角とも)宿禰を祖とする。カバネは臣、のちに朝臣。武内宿禰の母が紀伊国造の出身であったことからウジを紀とした。
のち、紀長谷雄の長男、淑望が美濃国、三男、淑信が武蔵国へと移住し、紀氏の子孫は各地に広まった。
現代における苗字としては「きい」と伸ばして発音されたり、「きの」と読ませることが多い。
- 紀大人(き・の・うし、? - 683年?) - 飛鳥時代の政治家
- 紀友則(845年 - 907年) - 平安時代の歌人
- 紀貫之(866年/872年? - 945年?) - 平安時代の歌人
- 紀夏井(き・の・なつい、? - ?) - 平安時代初期の貴族
- 紀古佐美(き・の・こさみ、730年代 - 797年) - 奈良時代後期から平安時代初期にかけての貴族
- 紀長谷雄(き・の・はせお、845年 - 912年) - 平安時代前期から中期にかけての公卿、文人
日本の苗字
漢姓
名前
- 池内紀(おさむ、1940年 - ) - 日本のドイツ文学者
- 大矢紀(のり、1936年 - ) - 日本の日本画家
- 荻原紀(ただし、1952年 - ) - 日本の俳優、スタントマン
- 中上紀(のり、1971年 - ) - 日本の小説家
- 陳紀(? - ?) - 後漢末の武将
- 蕭紀(508年 - 553年) - 中国南北朝時代の梁の皇族
その他
漢字として
紀
- Unicode
- U+7D00
- JIS X 0213
- 1-21-10
- 部首
- 糸部
- 画数
- 9画
- 意味
- 糸筋を整理し治める、(細い)綱、筋道を立てておさめる、整理する、掟、規則、記す、記録、順序立てて記す、数、要、道筋、糸口、年、極まる、という意味がある。 〔説文解字〕には「絲の别あるなり」とあって、糸が分けられ整理されていることとある。
- 字形
- 形声で声符は己。
- 音訓
- 音読みはキ、訓読みは、のり、いとすじ、しるす。名のりに、おさむ・こと・すみ・ただし・とし・もと、などがある。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校4年で習う教育漢字である。 JIS X 0213第1水準。
- 異体字
- 簡体字は纪。
- 語彙
- 紀元・紀行・紀綱・紀載・紀伝・紀年・紀要
関連項目
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