自動車検査登録制度とは、道路運送車両法に於いて義務付けられている法制度のひとつである。略称は「車検」。
概要
一般公道上を走行する自動車に対し、その自動車が保安基準に適合し安全に走れるかどうかを定期的にチェックする為に義務付けられている法制度のことである。
車検に合格した車両には自動車検査証(略称は「車検証」)が交付される。車検証は自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責証明書)と共に車両内に搭載することが道路運送車両法第66条により義務付けられている。
車検制度は1930年から始まり、1951年に軽自動車を除き義務化された。1973年には軽自動車も検査義務対象となった。
車検義務対象の車両
車検の周期
車検の周期は新規登録後の初回車検と、継続車検時とで異なる車両が存在する。
車検の受験は車検満了日(その日まで公道走行可能な日)の1ヶ月前から可能。
もし車検満了日を過ぎてしまった場合公道走行は不可能になるが、市町村役場にて借りられる「自動車臨時運行許可番号標」(仮ナンバー)を取り付ければその車両のある車庫~整備工場・運輸支局の間のみ公道走行が可能になる。
種別 | 初回車検 | 継続車検 |
自家用乗用自動車(軽・小型・普通) | 3年 | 2年 |
自家用三輪乗用自動車 | 2年 | |
250cc超の自家用自動二輪車(トライク・サイドカー付含む) | 3年 | 2年 |
自家用バス(定員11人以上) | 1年 | |
自家用軽貨物自動車 | 2年 | |
総重量8トン未満の自家用貨物自動車 | 2年 | 1年 |
総重量8トン以上の自家用貨物自動車 | 1年 | |
自家用キャンピングカー | 2年 | |
総重量8トン未満の自家用特種貨物自動車 | 2年 | 1年 |
総重量8トン以上の自家用特種貨物自動車 | 1年 | |
軽特種自動車 | 2年 | |
自家用大型特殊自動車 | 2年 | |
総重量8トン未満の自家用貨物大型特殊自動車 | 2年 | 1年 |
総重量8トン以上の自家用貨物大型特殊自動車 | 1年 | |
レンタカー用乗用自動車(三輪・小型・普通) | 1年 | |
レンタカー用軽乗用車 | 2年 | |
250cc超のレンタルバイク(トライク・サイドカー付含む) | 2年 | 1年 |
レンタカー用バス(定員11人以上) | 1年 | |
レンタカー用軽貨物自動車 | 2年 | |
総重量8トン未満のレンタカー用貨物自動車 | 2年 | 1年 |
総重量8トン以上のレンタカー用貨物自動車 | 1年 | |
レンタカー用キャンピングカー(軽自動車除く) | 2年 | 1年 |
総重量8トン未満のレンタカー用特種貨物自動車 | 2年 | 1年 |
総重量8トン以上のレンタカー用特種貨物自動車 | 1年 | 1年 |
レンタカー用の軽特種自動車 | 2年 | |
事業用旅客自動車(タクシー・ハイヤー・バス) | 1年 | |
事業用軽貨物自動車 | 2年 | |
総重量8トン未満の事業用貨物自動車 | 2年 | 1年 |
総重量8トン以上の自家用貨物自動車 | 1年 | |
250cc超の事業用自動二輪車 | 3年 | 2年 |
霊柩車 | 2年 | |
バス型(定員11人以上)の霊柩車 | 1年 |
車検を受けるには
車検を受けるには主に3つの方法がある。
指定工場は運輸局がお墨付きを与えた一部の自動車整備工場・自動車用品店・メーカーのカーディーラーがそれにあたる。「自動車検査員」という国家整備資格を持った整備士が常駐しており、行政の車検場と同じ効力を持つ。行政機関が休んでいる土日祝日でも車検を受けられる。
認証工場は指定工場と同じくブレーキ等の要資格部分の整備を行えるが、検査はよその検査場に持ち込むのが最大の違い。
ユーザー車検は自動車のユーザーが行政の検査場に事前予約したうえで自分で持ち込んで検査を受ける方式。検査場の近くにはそれらの需要を見込んで事前のメンテナンスを行う「テスター屋」などが立ち並ぶ。なお車検を受けるためには業者に払う代金のほかに、自動車重量税、自賠責保険料、印紙代という「法定費用」がかかる。
車検切れの車両で公道走行した場合の罰則
まず、車検切れの車両を公道上で走行した場合、道路運送車両法108条・道路交通法による行政処分により以下のペナルティが与えられる。
- 刑事罰 6か月以下の懲役、または30万円以下の罰金。
- 運転免許の違反点数 6点(酒気帯び運転時の場合、検挙時の呼気中アルコール濃度が0.25ミリグラム未満の場合は16点、0.25ミリグラム以上の場合は25点)。
また、車検切れを起こしていた場合大抵は自動車損害賠償責任保険も切れている場合が殆ど(検査対象の自動車では最大でも37ヶ月しか入れないうえ、基本的には車検有効期限に合わせて入る)なので、自動車損害賠償法第86条の「無保険運行」に抵触しそのペナルティも課せられることになる。
- 刑事罰 1年以下の懲役、または50万円以下の罰金。
- 運転免許の運転免許の違反点数 6点(酒気帯び運転時の場合、検挙時の呼気中アルコール濃度が0.25ミリグラム未満の場合は16点、0.25ミリグラム以上の場合は25点)。
これにより累計12点となり、初犯でも90日間の免許停止処分、前歴が1回でもあれば免許取り消しとなってしまうため、車検の切れた車両を決して公道上で運行してはならない。
関連動画
関連項目
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