西宮のおばさんとは、『火垂るの墓』の登場人物である。アニメでは山口朱美が声を担当し、2005年のドラマでは松嶋菜々子が演じている。またドラマ版では澤野久子という名前が付いている。
概要
関西弁と割烹着が印象的な兵庫県西宮市に住む清太と節子の親戚。現在は未亡人。
清太たちの母親とお互いの家のどちらかが焼失したら疎開先として世話をするという約束をしており、家無き子となった二人を引き取る。
当初は好意的に接していたが、碌に手伝いをしない清太や夜泣きがひどく我が儘を言ってばかりの節子にだんだんと嫌気がさし疫病神呼ばわりしたり「横穴へ住んどったらええ」と言い放つなど態度が悪くなっていく。最終的に二人は自分の意思で家を出ていくが、それを見送ったときの表情は心配するのとせいせいしたという感情がないまぜになっているように感じられる。
実写版においては亡き夫に代わり家を守るため、敢えて実の娘から「鬼」と評されるほどの嫌われ役に徹していたような描写がなされている。
子供の頃は悪辣な人物に見えても歳を重ねて清太たちの置かれている状況を考えると、おばさんの言い分も理解できるようになった人も多いのでは?ただもう少し言い方には気を使った方が良かったかもしれない。
ちなみに原作者である野坂昭如の疎開先の叔母は態度の豹変などはなかったようである。
高畑勲は『アニメージュ1988年5月号』にて、「当時は非常に抑圧的な、社会生活の中でも最低最悪の『全体主義』が是とされた時代。清太はそんな全体主義の時代に抗い、節子と2人きりの『純粋な家族』を築こうとするが、そんなことが可能か、可能でないから清太は節子を死なせてしまう。しかし私たちにそれを批判できるでしょうか。我々現代人が心情的に清太に共感しやすいのは時代が逆転したせいなんです。いつかまた時代が再逆転したら、あの未亡人(親戚の叔母さん)以上に清太を糾弾する意見が大勢を占める時代が来るかもしれず、ぼくはおそろしい気がします。」と語っている。
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関連項目
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