「黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ」とは、藤田和日郎による黒博物館シリーズの三作目。
2023年9月まで「モーニング」にて連載されていた。単行本全6巻。
概要
今回の黒博物館の見学希望者はメアリー・ウルストンクラフト・シェリー。小説「フランケンシュタイン――あるいは現代のプロメテウス」の作者メアリー・シェリーその人である。目的の証拠品は1842年、5月12日、ヴィクトリア女王が催した「舞踏会」の現場に遺されていた片方の赤い靴。その舞踏会で起こった事件は極秘であり、誰にも内容を知らされていなかった。
だが、メアリー・シェリーは自分を当事者だと言い「小説の語り口で」学芸員に聞かせた物語とは……?
物語はメアリーが過去を回想して語るパートと、それに対して現代のメアリーと学芸員が感想を述べるパートが交互に進み、19世紀当時のイギリスの社会風景も描写しながら進んでいく。
登場人物
- メアリー・シェリー
- 作家。おだてられると弱い。
- 回想の中では作家業に行き詰まり、生活費や息子の学費に困っている。そんな折に舞い込んだ女怪物の教育の依頼を受けたことから物語が動き始める。
- 夫や複数の子供を失っており、一人だけ残された息子のパーシーを溺愛している。
- 学芸員(キュレーター)
- いつもの黒博物館の学芸員。メアリー・シェリーの大ファン。
- エルシィ
- コンラッド・ディッペル博士によってロシアの女暗殺者集団の死体から作り出された<怪物>。
- 全身が包帯に覆われ、傷だらけの顔をしており、メアリーも当初はその姿を見ただけで悲鳴を上げた。
- 肉体は女暗殺者のもので高身長で高い身体能力とそれに合わせた戦闘技術を持つが、頭部のみは村娘のものが使われており、訛りがひどくマナーなどの知識に乏しい。
- 名前の由来はLittle Childの頭文字をつなげたもの。名付け親はメアリー。
- ヴィクトリア女王暗殺阻止のために舞踏会に参加させることが計画され、上流階級にふさわしい知識・振る舞いを身に着けさせようとメアリーが雇われた。
- アレックス・ダンヴァーズ大尉
- 近衛歩兵第一連隊の隊長。メアリーとエルシィの物語が始まる11か月前にロシアの女暗殺集団と交戦しており、隊員に多くの被害を出すものの暗殺者の一人を打ち取ることに成功する。
- その死体を使って女怪物が作られていたことを知ると、その戦闘能力に注目してヴィクトリア女王の護衛に使おうと計画し、メアリーに教育を依頼した。
- コンラッド・ディッペル博士
- ダンヴァーズが打ち取った女暗殺者の死体を使って<怪物>を作ったマッドサイエンティスト。
- エルシィの体の調整のためにフィールド・プレイス屋敷にも滞在する。
- ティモシー・シェリー準男爵
- メアリーの義父。妻子持ちだった息子と駆け落ちしたメアリーのことをよく思っていない。
- エルシィの教育の場としてフィールド・プレイス屋敷を提供するが、いろいろときつく当たる。
関連商品
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