全国瞬時警報システム、通称J-ALERT(ジェイアラート)とは、通信衛星と同報系防災行政無線や、有線放送電話を利用し、緊急情報を住民へ瞬時に伝達するシステムで、2007年2月9日から一部の地方公共団体で運用が開始された。
概要
JALERTは、公衆警報システムの一環であり、アメリカのEBSやEASに近いものである。
運用される場合は、国民が対処をする時間的余裕もなく大規模損害を蒙る状態となりえる状況となる場合である。大規模噴火(富士山の爆発的噴火、桜島の山体崩壊を伴う噴火など)、巨大隕石の衝突リスクが30%以上を超えた場合、弾道ミサイル飛来、仮想敵国による強襲攻撃を感知した場合、大規模な津波の起こる可能性がある場合に、ホボすべてのメディアを通じて国民へ送付できるシステムとして設立された。国民保護法に基づく運用であり、2009年1月6日以降に当初地方公共団体に限られていたJALERT受信者が、指定行政機関、指定地方行政機関、指定公共機関等にも拡大され、各省庁や公共機関、マスコミ、公立学校・病院等でも受信可能となった。
実際にやり取りが行われている情報は以下のものである。
- 地震情報
- 緊急地震速報
- 震度速報
- 震源・震度に関する情報
- 東海地震予知情報
- 東海地震注意情報
- 東海地震調査情報
- 津波情報
- 津波警報(大津波)
- 津波警報(津波)
- 津波注意報
- 火山情報
- 噴火警報
- 火口周辺警報
- 噴火予報
- 気象情報
- 気象警報(大雨、洪水、大雪、暴風、暴風雪、波浪、高潮)
- 気象注意報(16項目の気象注意報)
- 有事関連情報
- 弾道ミサイル情報
- 航空攻撃情報(いわゆる空襲警報)
- ゲリラ・特殊部隊攻撃情報
- 大規模テロ情報
しかし、地方公共団体によって取捨選択され、住民に伝えられることになる。原則として通報システムの自動起動が定められているものは、先に述べた大津波警報、津波警報、噴火警報、緊急地震速報、有事関連情報の5つである。
緊急事態の情報伝達の流れ
- JASDF:BADGE、USSTRATCOM:JFCC SPACE、NORAD
- 内閣官房
- 消防庁
- SUPERBIRD B2(通信衛星)
- 全国地方公共団体などの受信者
- 防災行政無線、有線放送電話、サイレンetc
- 住民
国民保護サイレン
J-ALERTを通じて発せられる緊急警報のうち、ゲリラや特殊部隊による攻撃、ミサイル着弾の恐れなど国民の生命に重篤な危険が迫っている場合に流されるサイレン。正式には国民保護に係る警報サイレン音と言う。
このサイレン音は聞くと人間の恐怖心や不快感、警戒心を呼び起こすような音で構成されている。
なおこのサイレン音をむやみに流すと法令により罰せられる場合があるので注意されたし。自室で一人で聞く分には何ら問題はないし、内閣官房の国民保護ポータルサイトで聞くことも出来る。
課題
時間的余裕のないことを通報するシステムであるが、最大50秒の遅れが発生しており、送信ラグや機械的ラグを減らす努力が課題のひとつである。また、導入そのものは地方公共団体の判断によるため、全国の導入が急がれる。さらに、誤作動の危険性は緊急地震速報の比ではなく、かなりの件数おきている。実際に運用することが想定されているだけに、早急な対応を願うばかりである。
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