爆撃とは、主に航空機などを用いて爆弾やミサイルによって行われる地上への攻撃である。
概要
ときは第一次世界大戦、航空機が戦場に投入された当初は偵察がその任務であった(詳しくは偵察機の項目を参照)。というわけで前線から後方まで敵中を飛ぶことになったわけだが、そうするとパイロットたちの中からこう考える人たちが生まれる。「ただ観察するだけじゃなくて上から攻撃して帰れば一石二鳥じゃね?」というわけで偵察ついでに敵に手榴弾から石・レンガなどを落とし始めるようになった。ちなみに世界初の航空攻撃による人間の殺傷で落とされた武器はスイカだったといいます。そんなこんなしているうちに本格的に空からの攻撃が注目されます。というわけで現在まで爆撃機や航空機が作られることになります(詳しくは爆撃機の項目を参照)。
爆撃の素晴らしさといえば砲兵の攻撃よりも高精度でしかも射程もずっと長いという点です。砲兵の攻撃は持続力が圧倒的に高く、やろうと思えば数日だって続けられます。しかしいくら火砲の射程が長いといっても飛行機の航続距離にはかないませんでしたし、また真上から爆弾を投下できる爆撃は風の影響や速度などで命中率が下がるとはいえ砲撃より圧倒的に高精度なわけです。また現在ではその威力も大型の爆弾やミサイルによって砲撃より瞬間的には高いことが多いです。あらゆる陸上兵器は航空機による攻撃にさらされれば耐えることは困難です。
爆撃はその任務によって種類が分けられます
- 戦術爆撃 - 主に戦術的目的での爆撃。さらに二つに分かれる。
- 近接航空支援
これは主に砲兵と同じように味方地上軍へ火力支援を行うものです。つまり前線の歩兵や戦車などの部隊を直接攻撃して味方の支援を行います。前線といってもその範囲は比較的広く後方の司令部や砲兵陣地への攻撃もこれにはいります。爆撃の中でも一番わかりやすく、戦争映画やアニメでもよくみるのがこれです。前線の兵士にとってこれほど頼りに感じる存在もないでしょう。 - 航空阻止
前者が戦闘部隊を直接攻撃していたのに対し、こちらは敵の物資集積所や後方の橋や線路などの交通拠点、補給道や補給部隊そのものなどを打撃することによって兵站など後方支援を破壊します。こうなると敵は補給や補充が滞ることでその戦闘力を完全に発揮することができないまま弱ることになります。また後方の予備部隊を打撃して前線への増援を防ぐのもこちらになります。
- 近接航空支援
- 戦略爆撃 - 敵軍ではなく敵国の継戦能力そのものを破壊するために行う爆撃
これは勝利のために敵国の都市や工場、インフラを破壊することで敵国の経済や生産力、ひいては社会そのものを戦争に耐えられなくするためのものです。 工場がなければ武器・兵器を作れませんし、物流や経済が破壊されれば国家の機能は大幅に制限されてしまいます。そして国民が戦争を諦めてしまえば戦争を続けることは困難です。現在では人道的・効率的な問題からかつてのような無差別爆撃ではなく、精密誘導兵器により敵国の経絡秘孔を突くことが主流になっています。
関連項目
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