ソ連陸軍の中の人:我々はPT-76の後継水陸両用戦車、試作車両『オブイェークト685』の予算をもっと要求する!
ソ連政治局:金がないので却下。
中の人:あと歩兵戦闘車『BMP-1&2』の後継車両も要求する!
政治局:じゃあ『オブイェークト685』を元に高火力かつ水陸両用の歩兵戦闘車を開発して両方の後継にして。
中の人:あんですとー!
政治局:医者は必要かね?
中の人:す、スンマセン、ナマ言ッテマシタ(ガクブル
……BMP-3とは旧ソ連で開発され現在もロシアで運用されている歩兵戦闘車である。1987年より配備開始。
解説
冗談抜きで上記のようなやり取りがあり開発された(医者云々は冗談だけど)経緯を持つ歩兵戦闘車。
車体は軽量化のためにアルミ合金製だが防弾鋼板が所々使われており、アメリカのM2歩兵戦闘車の25mm砲に耐えるだけの装甲は持つ。ドンガラはでかくなり車内は広々。しかし元にした車両が戦車だったことがたたり、エンジンは後部に設置。乗員はエンジンを踏み越えるような形で後部から降りる羽目になった。後部ドアの高さ1mは少々窮屈だけど仕方ないね。上部にもハッチがありここから対空ミサイル(携帯対空ミサイル『ストレラ2』)を撃つことが可能。
武装は試作当初は30mm機関砲・30mm自動擲弾筒・7.62mm機関銃・対戦車ミサイル2発をすべて露天設置してたが『火力が全然足りんがな』な話になり、立派な砲塔に100mm低圧ライフル砲(自動装填装置つき!)と30mm機関砲を同軸にセット、対戦車ミサイルは低圧ライフル砲から腔内発射とした。FCS(火器制御装置)は極めて高度なものを採用。レーザー測遠儀に弾道コンピュータ、2軸砲安定装置まで備え、行進間射撃すら可能とかやりすぎだろ。ちなみにこの砲塔含めたシステムを『武装複合体2K23』と呼び、これだけの外販も行なっている(後述)。あと7.62mm機関銃を前面左右に計2丁設置。
水上航行はBMP-1&2の「キャタピラで水を掻き掻き」推進をやめウォータージェット推進にした。時速10ノット(約20km)で航行可能。
作ってみたのはいいけれど
実はBMP-3は開発後ソ連内の配備は遅々として進まなかった。高価(といってもM2に比べて半額以下なのだが……)な上斬新かつ強力な武装、ぶっちゃけると2K23がソ連陸軍の中の人に性能が信用されなかったのである。
転機はソ連崩壊。金がないロシアは当時の最新兵器をバンバン売りに出し始めた。そこにUAE(アラブ首長国連合)やクゥエートといった湾岸戦争でハイテク武器の力を見せ付けられた国々の注文が殺到したのである。
現在最大のユーザーとなったUAEなど中東諸国やベネズエラ、ギリシャが採用。韓国も100両以上購入[1]しているベストセラー歩兵戦闘車である。
2K23単体では中国にライセンス生産の許可を与え、中国の最新式歩兵戦闘車である『04式』や『08式』に搭載されている(車体は中国自前とのこと)。
関連動画
関連項目
脚注
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