Core i7とは、intelのCPUで、Core 2 Quadの後継にあたる。
概要
最初期はTDP130Wと発表された瞬間「プレスコの再来だ…」とか恐れられたが、Core 2シリーズ譲りの可変クロック機能を搭載しているため、蓋をあけてみればそこまで爆熱という訳ではなく一安心された。
CPUクーラーはCore 2シリーズとほぼ同様の物が付くが、一部のハイクロック品にはサードパーティのクーラーもびっくりなサイドファンクーラーが付属され「それだけくれ」というユーザーも居たらしいので、i7-980Xなどに付属するものや、それよりも小型簡略化されたLGA1156用CPUクーラーが単品で発売された。
CPUコアは、スタンダードなモデルでは4コアに据え置かれたものの、Pentium 4で採用されたハイパースレッディングテクノロジーが復活搭載され、OS側からは8コアとして処理されるようになった。
第8世代からはメインストリームも6コア12スレッドに、第10世代では8コア16スレッドになった
一方でワークステーションモデル向けとしては、6コア搭載のものが投入された。第8世代以降は差別化が難しくなった為ワークステーション向けはXeonに統一されブランドが無くなった。
第二世代に当たるSandy Bridgeコアにおいては、TDPが改善されたのに伴い、ハイエンド向けにはクロック倍率の制限を解除した、末尾にKのつくモデルが登場、再びオーバークロック人気が復活することとなった。
それに加え、従来はチップセットに組み込まれたグラフィック機能が一部を除いて内蔵され、AVXといわれるより高速な並列か処理命令が加えられた。これによって、動画のエンコードなどを高速処理できるようになった。
2015年にリリースされたSkylakeコアの倍率フリーモデルでは、サードパーティのクーラーを使用することが多いこともあって、リテールクーラーの提供は行われなくなった。
2024年1月現在では、第14世代のアーキテクチャ採用の製品がリリースされている。
息の長いCPUブランドということもあり同じcorei7ネームのCPUでも初代と第14世代では性能が大幅に変わるので「corei7搭載PC」とだけ書いてあるPCに飛びついて買うと痛い目を見る。中古で買う場合もそのモデルを狙って買う場合を除いて第七世代以前は避けると良い。(第7世代最高性能のcorei7-7700kを第8世代以降のcorei5どころかcorei3が軽々と追い抜いて行くこともある。)
Nehalemアーキテクチャ世代
LGA1156版
- 開発コードは''Lynnfield(リンフィールド)''
- キャッシュメモリを3次まで搭載。
- メモリコントローラ・PCI-expressコントローラをCPUに統合。このためチップセットが1枚だけになった。
- メモリはDDR3によるデュアルチャネルに対応。
- いくつかのCPUコアが完全停止しているときは、残りの動作しているCPUコアをオーバークロックで動かすIntel Turbo Boost Technologyを搭載。
LGA1366版
- “Nehalem(ネハレム)”という開発コードで呼ばれていた次世代製品群のうち、最上位の“Bloomfield”。6コアモデル(970・980・980X・990X)は“Gulftown”という別の開発コードが付けられている。
- キャッシュメモリを3次まで搭載。
- メモリコントローラをCPUに内蔵。
- メモリはDDR3によるトリプルチャネルに対応。
- 4(6)つのコアすべてがハイパースレッディング・テクノロジー(HT)に対応しているため、OSからは8(12)コアとして認識される。
- PCU(電源コントロールユニット)により動作していないCPUコア毎に電源を完全停止し、省電力化している。
- いくつかのCPUコアが完全停止しているときは、残りの動作しているCPUコアをオーバークロックで動かすIntel Turbo Boost Technologyを搭載。
Sandy Bridgeアーキテクチャ世代
LGA1155版
- LGA1156版の後継で、開発コードネームはアーキテクチャ名と同様の"Sandy Bridge"。
- Core i7 2600KやCore i7 2700KなどのCPUが存在。
- 拡張命令であるIntel AVXを実装。
- LGA1156と違いCore i5やCore i3と同様にGPUがCPUと一緒に実装。
- Intel Turbo Boostは全コアのみならず、GPUに対しても対応。
LGA2011版
- LGA1366版の後継で、開発コードネームは"Sandy Bridge-E"。
- 6コア12スレッドのi7 3930KとExtreme Editionのi7 3960Xが2011年11月14日に発売解禁。
4コア8スレッドのi7 3820も2012年2月13日に発売解禁。 - 拡張命令であるIntel AVXを実装。
- メモリはDDR3によるクアッドチャネルに対応。
- Intel Turbo Boostは全コア対応。
Ivy Bridgeアーキテクチャ世代
LGA1155版
- LGA1155版Sandy Bridgeの後継で、開発コードネームはアーキテクチャ名と同様の"Ivy Bridge"。
- コアの製造にはintel初となる3Dトランジスタ技術が用いられた。製造プロセスルールは22nm。
- PCI Express 3.0・DirectX11をサポート。
- CPUとヒートスプレッダーの間に挟まれている素材がハンダからグリスに変更され、熱伝導率が悪くなった。このため、CPUを殻割りして熱伝導率の高いグリスに塗り替える者が後を絶たず、秋葉原の一部のPCショップでは殻割りに失敗したCPUを持ち込むと、新しいCPUを通常より少し安く販売するサービスが行われた。
Haswellアーキテクチャ世代
LGA1150版
- 2013年発売。
- LGA1155版Ivy Bridgeの後継。
- それまで採用されていたAVXがAVX2にバージョンアップし、計算処理能力が向上した。
- FIVRが導入され、電流をより細かく制御できるようになった。これに関連して、省電力モード「C6/C7ステート」が追加されている。
2014年に改良型のHaswell refreshが発売された際に、その倍率フリーモデルであるDevil's Canyonが登場した。従来の倍率フリーモデルは事実上、倍率ロックを解除しただけのようなものであったが、このモデルではそれに加えて、
などの変更がなされており、よりオーバークロックしやすくなっている。
Broadwellアーキテクチャ世代
LGA1150版
当初はモバイル向けのみの提供を予定していたため、デスクトップ向けは開発が遅れ、ハイパフォーマンス版の投入は見送られてHaswell Refreshベースに置き換えられた。
実際に発売されたのも、TDPを抑えて小型デスクトップをターゲットとしたBroadwell-Cで、それほど積極的なプロモーションも行われなかった。
Skylakeアーキテクチャ世代
LGA1151版
デスクトップ向けとしては2世代ぶりのハイパフォーマンス版の投入が行われ、オーバークロック対応の6700Kも登場した。
一方でLGA2011向けにはHaswell-Eが引き続き提供され、Skylakeコアの投入は未定である。
マイクロソフトは、2016年1月に、Skylakeコア搭載CPUでのWindows 7および8.1のサポートを2017年7月で打ち切る発表をしたが、3月には2018年7月までのサポートに延期、緊急的なバグ、セキュリティホールへの修正プログラム適用は、それぞれのWindowsのサポート終了まで行うと変更した。
Kaby Lakeアーキテクチャ世代
この世代の7700kを買った人は色々とハズレくじ引いた感ある。
Coffee Lakeアーキテクチャ世代
2017年10月5日発売(日本は未定)。日本での発売が遅れるのには、販売店側が旧製品の在庫が捌けるまで待って欲しいと申し出たこと、製造が追いつかないなど諸説がある。
socketはLGA1151だが、電気的構造が変わったために旧製品とは互換性がない。だったらsocketごと変えてくれよ……
この世代からRyzen対策で6コア12スレッドになった。Windows11対応なのはこの世代から
Comet Lakeアーキテクチャ世代
2020年4月30日に発表され、5月20日に発売された。8コア16スレッドになった。
Rocket Lakeアーキテクチャ世代
USB3.2に対応された、あんまり変わらない。
Alder Lakeアーキテクチャ世代
2021年11月4日から発売された。プロセスルールがようやく10nmに刷新された。スマホ同様高性能コア(Pコア-Performance Core)と高効率コア(Eコア-Efficient Core)のハイブリッドスタイルになり、シングルコアの性能向上・マルチコア性能の挽回を行った。DDR5メモリ・PCI Express 5.0に対応している。corei7はPコア8コアEコア4コアの12コア20スレッドと変則スタイルである。
Raptor Lakeアーキテクチャ世代
corei7はPコア8コアEコア8コアの16コア24スレッドとなった。「Core i7」ネームはこの世代で最後になる。
Meteor Lakeアーキテクチャ世代
この世代以降はCore Ultra7 / Core7にネームチェンジする模様
関連動画
関連項目
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