NK-クラス:世界終焉シナリオ、あるいは、NK-クラス:"グレイ・グー"世界終焉シナリオ(英:NK-Class "gray goo" end-of-the-world scenario)とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』において、「財団」が規定する『K-クラスシナリオ』のひとつ。
自己複製する物質によって引き起こされる文明破壊シナリオ。
概要
別称である『NK-クラス:"グレイ・グー"世界終焉シナリオ』の由来である『グレイ・グー』は、K・エリック・ドレクスラーが著書『Engines of Creation』の中で登場させた語彙。自己複製特性を有するナノマシンが、バイオマスを使って無限に増殖する(『灰色の泥』ということ)ことで起こる世界終焉を指す。
この自己複製特性を扱った作品は枚挙に暇がないが、もっとも日本人にとって知名度があるのは漫画『ドラえもん』のてんとう虫コミックス17巻収録『バイバイン』であろうか。本作では、登場人物のひとり、野比のび太が栗まんじゅうが1個しかないことに悩んでいると、それを解決するためにロボット・ドラえもんが22世紀の薬剤『バイバイン』を取り出す。これをかけた栗まんじゅうは5分で倍々に増加するのだが――。
財団世界ではバイバインがもはや笑い話になるレベルの自己複製特性を持つアノマリーが複数登場しており、財団はその対処に追われている。
NK-クラスを起こすオブジェクト
SCP-505 - Ink Stain (インクの染み)
ファーバーカステルブランドの万年筆。この万年筆のインクは自己複製特性を有するため、多孔物質はもれなく汚染し、すべての物質をインクで染め上げる。自己複製特性以外の異常性こそないものの、植物は光合成を遮られ、動物は化学中毒で死ぬので洒落にならない。SCP-026-JP (現代のハイヌウェレ)も井沼博士に脊髄を抜き出された際に同じような自己複製特性をもつ真っ黒なシチューを産み出している。
SCP-871 - Self-Replacing Cake (景気のいいケーキ) 
237個のケーキのコレクション。食べられても24時間後に再出現する。それだけなら項目名の通り『景気の良いケーキ』で済まされるのだが、食べられなかった場合、更にそのケーキの付近に別のケーキが出現してしまう。このケーキを放っておいただけで、80日で地球はケーキで覆い尽くされた死の星になると計算されている。
なお類似オブジェクトとして、鶏肉が増えるSCP-558-JP (ひよこの山とビッグ・ママ)、じゃがいもが増えるSCP-1689 (ジャガイモ入れの袋)などがある。食べ物が増えるのはもはやよくあることなのだろう。
SCP-030-JP - 石油喰らい
カイコガに近いが成虫も幼虫と同じ無変態の虫。石油製品を食っては可燃性のない排泄物を排出し続ける。自然界で捕食者がいないうえに、増加スピードは一度の産卵で300個の卵を生み、それが3日で孵るという尋常でないもの。寿命こそ30日と短いが、自然分解にも時間がかかり、ならばと焼却を試みても不完全燃焼するとダイオキシン類を出すという嫌がらせのようなアノマリーである。こんな自然も文明も諸共に破壊しかねないオブジェクトだが、製作者はどうやらエコロジー・キャンペーン向けにこのオブジェクトを産み出した模様。とりあえず、ごめんで済んだら財団は要らないんだよ。
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関連項目
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