石油とは、以下のことを指す。
ここでは(1)の資源について記載する。
概要
炭化水素を主成分とし、少量の硫黄・酸素・窒素などさまざまな物質を含む液状の油。
明治時代、石炭の代わりになる油として「石炭油」と呼ばれていたのが、短縮して「石油」となった。地下の油田から採掘後、ガス、水分、異物などを大まかに除去した精製前のものは原油と呼ばれる。原油を加熱蒸留してから脱硫と分解を行い、ガソリン・灯油・軽油・重油・アスファルトといった石油製品を製造する。
石油製品は自動車の燃料・暖房といった身近な用途だけでなく工業・運輸・農林水産業など幅広い分野で大量に使われ、原油価格の上下が世界経済に与える影響は大きい。原油の供給逼迫および原油価格の高騰は「オイルショック」と呼ばれる世界的な経済混乱をもたらす。1970年代のオイルショックの頃に小学生だった人たちは、可採年数を根拠に「石油はもってあと40年」などと教わっていたらしいが、これは現在の石油価格で確実に採算の合う油田の埋蔵量(確認埋蔵量)を、現時点の石油の消費量で割ったものである。よって、人類が石油を取り尽くしてしまうということはない(その前に採掘コストが上がりすぎて石油採掘は事業として成り立たなくなるだろう)。
オイルショック以降は採掘コストの高い深海底や地中深くの油田の採掘が盛んになり、21世紀以降はさらなる原油価格高騰により、頁岩を熱分解をして石油を取り出すシェールオイルも盛んに採掘されるようになったため、確認埋蔵量は増加傾向にある。
日本でも秋田県や新潟県は油田地帯として知られていたが、現在では見る影もなくなっている。現在の日本でも原油生産はされているが消費量に比べ微々たるものであり、多くを中東からの輸入に頼っている。大半が産油国の国営会社との直接取引によって調達されている。この取引はDD取引と言われ、転売の禁止や仕向け地の限定などの条項が盛り込まれており、トレーダーが自由に売買できるような原油はほぼない。
現代社会は石油によって得られるエネルギーや製品で溢れているのだが、それが地球温暖化を始めとする環境問題の原因ともなっている。
石油はどこから来るのか
実は未だにその起源が確定していないまま採取と利用を続けている存在でもある。石油がどうやって生まれるのかについては、堆積した生物の死骸などが化学変化したものを起源とする「有機説」と、地中の石・マグマなどが変化した生物起源ではないものを起源とした「無機説」が存在する。
現状の段階では基本的には有機説が主流ではあるものの、未だにハッキリしていない部分も多い。もし無機起源説が正しければ無尽蔵に採掘できる可能性がある。しかしもし有機起源説が正しければいずれ地下資源として枯渇してしまうリスクがあるということになる。
- 【有機物説】
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