SC相模原新スタジアム問題単語

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SC相模原新スタジアム問題とは、Jリーグに所属するサッカークラブ「SC相模原」のJ2ライセンス基準を満たさないスタジアムに起因する課題である。当初は相模原市内の米軍基地返還地への新設が模索されたが、計画が頓挫。最終的にクラブがホームタウンの一つである『海老名市』への本拠地移転計画を提出するという、Jリーグのスタジアム問題の中でも特に異例の展開を見せている。

概要

SC相模原のホーム「相模原ギオンスタジアム」はJ2ライセンス基準（収容1万人など）を満たしておらず、クラブは2020年のJ2昇格時に「5年以内に新スタジアムの具体的計画を提出する」ことを条件に、例外的にライセンスの交付を受けた。これにより、新スタジアム建設はクラブがJ2以上に定着するための絶対条件となった。

当初、SC相模原は市内に本拠地を置く他の3つのプロスポーツチーム（ラグビー・女子サッカー・アメフト）と連携し、JR相模原駅北口の米軍相模総合補給廠返還地への多機能複合型スタジアム建設を市に要望。10万筆超の署名を集めるなど大きな期待を集めた。しかし、市が求める「民設民営」や「用地の無償貸付不可」といった厳しい条件をクリアできず、市の土地利用計画にスタジアムは盛り込まれなかった。

計画提出期限が迫る中、2025年6月30日、クラブは親会社であるDeNAの強力なバックアップを背景に、ホームタウンの一つである海老名市内での「民設民営」による新スタジアム建設計画をJリーグに提出。長年協議を続けてきた相模原市にとっては、事前の十分な相談がないままの「寝耳に水」の決定となった。

経緯まとめ

補足

• DeNAの存在

  この計画が海老名市で「民設民営」として進められる最大の理由は、2022年にクラブの親会社となったDeNAの存在である。プロ野球でのスタジアムを中心としたまちづくりの実績と資本力を背景に、相模原市では不可能だった民間主導での大規模開発が可能となった。

• 海老名市のスタンス

  海老名市はクラブの計画を歓迎し、都市計画や許認可の手続きなどで協力する姿勢を示しているが、あくまで「民設民営」が前提である。市長は公金を支出する考えがないことを明言しており、市の直接的な財政負担がないことが、計画を受け入れた大きな要因となっている。

• 相模原市長の思い

  本村市長はクラブの決定に「率直に残念」と述べつつ、これまで市としてスタジアムの改修やコロナ禍での緊急支援など、クラブに尽力してきたと説明。期限最終日の夕方に電話一本で事後報告を受けた際のやり取り（市長が「海老名でしょ」と問いただした件）も明かしており、強い失望感をにじませている。

• 市民の熱意

  相模原では10万筆超の署名が集まったが、市外在住者も多く、市民全体の総意とまでは言えなかった。多くの市民は駅前の「にぎわい創出」は望んでいたものの、その手段がスタジアムであることには、財政負担や稼働率、騒音問題などへの懸念から、必ずしも乗り気ではなかったという側面もある。

• 市議会の動きと行政内のねじれ

  相模原での計画が頓挫した後、一部の市議会議員は解決策を模索するため、北海道日本ハムファイターズの本拠地「エスコンフィールドHOKKAIDO」へ視察に訪れた。しかし、この動きは市の執行部の方針と異なっていたため、「税金の無駄遣い」との批判も浴び、行政内の一枚岩ではない状況を露呈する結果となった。

関連リンク

• SC相模原 オフィシャルサイト
• ＳＣ相模原 海老名にスタジアム整備 Ｊリーグに計画を提出 - タウンニュース (2025年7月3日)
• SC相模原の海老名移転計画に相模原市の本村市長「残念」 - タウンニュース (2025年7月5日)
• 相模原駅前「多目的スタジアム」見送り ギオンス過密化も - 相模原町田経済新聞 (2025年5月26日)

関連項目

• Jリーグ百年構想
• Jリーグ
• 神奈川県
• 相模原市
• 海老名市
• SC相模原
• DeNA

親記事

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