国際サッカー連盟(Fédération Internationale de Football Association, FIFA)とは、サッカーの競技団体を国際的に統括する組織である。本部はスイス・チューリッヒに置かれている。
概要
世界各国のサッカー競技団体を統括し、サッカーの国際試合、とくにワールドカップを組織・運営する。通常のサッカー以外にフットサル、ビーチサッカーもFIFAが管轄している。
2018年時点で211の国と地域の国内競技連盟が加盟し、国際競技連盟としては世界最大である。これらの国内協会は、 CAF (アフリカ)、AFC (アジア)、UEFA (ヨーロッパ)、Concacaf (北米・中米・カリブ海地域)、OFC (オセアニア)、CONMEBOL (南米) の6つの地域連盟のいずれかに加盟している必要があり、大陸競技連盟だけに加盟しているサッカー協会はFIFAの大会には参加できない。
イギリスの本土4協会(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの各協会)は、競技としてのサッカーの成立過程およびFIFAへの加盟に関わる歴史的背景から、特権的な地位が与えられている。サッカーのルールや重要事項に関しては、FIFAとこのイギリス本土4協会で構成する国際サッカー評議会が決定することになっている。
FIFAの本部はスイスのチューリッヒにあり、スイスの法律に基づいて設立されている。FIFAの最高機関は全FIFA加盟協会で構成されるFIFA総会であり、唯一の立法機関である。年に1回通常会議として開催され、1998年以降は年に1回臨時会議が開催されている。総会はFIFAの統治規約およびその実施・適用方法に関する決定を下す。FIFA規約の変更を可決できるのは総会のみである。各国サッカー協会は規模やサッカーの強さに関わらず1票を持っている。
FIFAの戦略的かつ監督的な機関としてFIFA評議会が存在し、FIFA会長1名、FIFA副会長8名、6つの大陸連盟それぞれで選出された計28名で構成されている。
評議会の管轄下にはFIFA評議会と事務局の職務遂行を助言し支援する常任委員会と懲戒委員会、不服申立委員会、倫理委員会、監査およびコンプライアンス委員会で構成される独立委員会がある。
独立委員会はFIFAから完全に独立した立場で任務を行うが、常にFIFAの利益のために、またFIFA定款およびFIFAの各規則に従って職務を遂行する。また、懲戒委員会、不服申立委員会、倫理委員会はFIFAの司法機関としての機能を有している。
1902年に世界で初めてサッカーの国の代表同士の対戦が行われ、それを契機にサッカーの国際的な統一の機運が高まり、1904年にヨーロッパの7ヶ国のサッカー協会で創設された。初代会長はFIFA創設を主導したフランス人のロベール・ゲラン。母国イギリスが加わったのは1905年である。最初にFIFAワールドカップを開催したのは1930年。ワールドカップは次第にオリンピックをも凌ぐ規模の世界最大のスポーツイベントへと拡大していき、関連収入を最大の収入源とすることで巨額の資金を得たFIFAもまた巨大な利権組織となるのだった。
組織が拡大するにつれて組織の腐敗も目立つようになり、FIFAワールドカップの招致活動を目的とした資金工作のFIFA理事24名やFIFA会長選での金銭のやり取りが問題となり、2015年FIFA汚職事件として立件された。2015年9月には200万スイスフランの不正な支出があったとして、当時の会長ゼップ・ブラッターにまで捜査が及ぶスキャンダルにまで発展した。
近年では2016年10月13日に掲げた「未来へのビジョン」という新しく策定された中長期の活動指針を打ち出しており、10年間で40億ドル以上を出して加盟している211のサッカー協会に分配を行っている。また、男子と比べればまだまだマイナー競技である女子サッカーの普及にも尽力しており、2026年までに選手の数を6,000万人に増加させるという目標を掲げている。
一方で金権体質なのは相変わらずであり、高騰する放映権料とスポンサー契約料、チケットの横流し問題、不自然なW杯の開催地選定など組織の腐敗は改善されてはいない。特に2020年代以降の放映権の高騰はより深刻なものとなっており、日本でも2022 FIFAワールドカップのテレビ放送が危ぶまれたり、ワールドカップアジア予選のアウェイ戦のテレビ放送がなしになるなどの問題が起きている。
歴代会長
FIFA会長は4年に1回の会長選挙によって選ばれる組織の最高の職位であり、FIFAを代表し、FIFA総会、FIFA評議会および緊急委員会の会合、そのほかFIFA会長が議長に任命された委員会を統括する。
代数 | 国籍 | 名前 | 在任期間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
初代 | ![]() |
ロベール・ゲラン | 1904年~1906年 | FIFA設立 |
第2代 | ![]() |
ダニエル・ウールフォール | 1906年 - 1918年 | |
第3代 | ![]() |
ジュール・リメ | 1921年~1954年 | FIFAワールドカップ創設 |
第4代 | ![]() |
ルドルフ・ジルドライヤー | 1954年~1955年 | |
第5代 | ![]() |
アーサー・ドルリー | 1955年 - 1961年 | |
第6代 | ![]() |
スタンリー・ラウス | 1961年 - 1974年 | |
第7代 | ![]() |
ジョアン・アベランジェ | 1974年 - 1998年 | FIFA女子ワールドカップ創設 |
第8代 | ![]() |
ゼップ・ブラッダー | 1998年 - 2015年 | 2015年FIFA汚職事件により罷免 |
第9代 | ![]() |
ジャンニ・インファンティーノ | 2015年 - |
大陸ごとの組織
- 欧州サッカー連盟(UEFA)
- 南米サッカー連盟(CONMEBOL)
- アジアサッカー連盟(AFC)
- アフリカサッカー連盟(CAF)
- 北中米・カリブ海サッカー連盟(Concacaf)
- オセアニアサッカー連盟(OFC)
主催する主な大会
男子サッカーナショナルチーム
男子サッカークラブチーム
- FIFAクラブワールドカップ
- FIFAインターコンチネンタルカップ
女子サッカーナショナルチーム
女子サッカークラブチーム
- FIFA女子クラブワールドカップ(2028年開催予定)
- FIFA女子チャンピオンズカップ(2026年開催予定)
フットサル、ビーチサッカー
eスポーツ
- FIFAeワールドカップ
廃止された大会
FIFAパートナー
FIFA+
2022年4月よりスタートしたFIFAの公式動画配信サービス。FIFAワールドカップをはじめとしたFIFA主催大会のアーカイブやハイライト、さらにオリジナルドキュメンタリーなどのコンテンツが配信されているほか、一部FIFA主催大会やW杯予選をはじめ世界各地のアマチュアリーグ/カップ戦など年間40,000試合をすべて無料でライブ配信している。
開始当初はiOSとAndroid、PC(ブラウザ経由)のみサービスを提供していたが、2023年7月26日よりAmazon Fire TVやAndroid TV(対応テレビも含む)でもアプリの提供が開始された。
関連動画
関連項目
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- UEFA - CONMEBOL - AFC - Concacaf - CAF - OFC
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