UVB-76とは、ロシアの小さな村にある短波ラジオ放送局のおそらくコールサイン(無線局識別のコード名)、およびその独特な放送内容につけられるタグである。
30年以上もの間、数秒おきにブザー音を発するだけの放送を続けており(まれにそうでない内容の放送を行うことも。後述)、「The_Buzzer(ザ・ブザー)」とも呼ばれている。
概要
短波4625kHz。最初の放送は1982年。当時は短い電子音だったが、1990年頃から特徴的な今の音色になる。
音質がよくない上、ブザーに交じって時折物音や会話が聞こえることから、録音や自動発信ではなく、ブザーの出る機械をマイクの前に置くというかなりアナログな方法が取られていることがわかっている。
モスクワ時間で毎日午前11時から50分間はブザーが停止する(保守点検のためとされる)。毎正時の前60秒間はブザーが鳴りっぱなしになる。
2010年6月10日に突然音が停止したが、何事も無く再開された。
また、ブザーを中断しロシア語によるメッセージを放送することがある。海外サイトによれば、細かいものまでカウントすると結構な回数になるようだが、絶え間なく送信されていることからすれば極稀なことである。詳細はこちら
なお、何らかの目的があっての放送だと言われているが、その実態は未だに謎に包まれている。
放送局としての諸元
コールサイン | UVB-76と推定される |
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放送局所在地 | ロシア連邦 ロジェキ村近郊(過去の地点は特定されているが、現在の送信地は不詳) |
運営者 | 不明 |
周波数 | 短波 4625kHz |
信号形式 | 振幅変調/下側側波帯抑圧 1ch音声信号と推定される |
出力 | 不明 |
送出用機材 | PKM-15送信機、PKM-20送信機 |
アンテナ | ロシア VGDSh (水平ダイポール) |
用途の謎
当然ながらそれなりの施設を用意して放送している無線局である以上、誰かが何らかの目的で発信しており、誰かが受信することを期待していることには間違いない。しかしながら、最初の音声放送で「UVB-76、UVB-76…」と(当然ロシア語で)発音されるまではコールサインの読み上げすらなく、そもそもこのUVB-76という名前がコールサインであるのかどうかすら解っておらず、この放送が何のために行われているのかはまったくの謎である。
送信地点は、以前に音声でアナウンスされたことがあり、Googleマップで施設の場所も確認できるが、近年移動したため詳細は不明となっている。現地のロシア人が以前の送信地点に凸してロシア語による報告と動画がようつべに上がっているが、建物等は残っているが廃墟のようになっている模様。
そのような事情に対し、以下のような仮説はよく説かれるものである。当然ながらこれらが正しいという保証はない。
- 何らかの機材の生存信号である。すなわちマイクで拾って放送しているブザー音は何らかの機材が正常稼働中に発するものであり、この機材の故障を知るために放送している。
- 上記目的の拡張として、「モスクワ自身の」生存信号である。すなわちこの信号が途切れて一定期間が経過した場合、モスクワが攻撃を受けたと見做し軍が現場独自の判断で行動を行える、というものである。
- 上記目的の延長線上として、極度の緊張時のために確保している電波である。
- いわゆる乱数放送であり、国外展開している軍やスパイなどに司令を送っている。
- 人間が聴取することを目的とした放送局ではなく、アナログモデムのようにデータ通信を行なっている。
- 反射・散乱波を受信して電離層を観測する目的の信号である。近年ロシアから公刊された文献に、そのような目的の信号の搬送波としてUVB-76のそれと同一の周波数が書かれているのが発見されている(doi:10.2205/2007ES000227)。
素材としてのUVB-76
当然、この特徴的な音色が放置されるはずはなく、実に様々な形で動画が作成されている。
なおUTAU無生物シリーズとして音源化、MMDUTAUモデルも存在する(蘇音ナミ・
関連動画
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関連項目
- UVB-76のタグ一覧
- おそロシア
KGB専用便利リンク 毎月5日はUVBの日・・・毎月11日はハンマーの日に対抗か。 ただし、あまり流行っていない上投稿日時も統一されていない模様
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