ただのカカシですなとは、映画『コマンドー』での悪役、ベネットのセリフである。
テレビ朝日版吹替の映画『コマンドー』において、ベネットが自身の雇い主のアリアス大統領に対し、人質の護衛のためにつけた大人数の私兵を指して放った言葉。翻訳は平田勝茂。
実際のやり取りは以下の通り。()内は原語。
口だけ達者なトーシローばかりよくそろえたモンですなぁ(I love listening to your little pissant soldiers trying to talk tough.)
(They make me laugh. If Matrix was here, he'd laugh too.)
(Mr Bennett, My soldiers are patroits.)
ただのカカシですなぁ。
(Matrix and I could kill every one of them, in the blink of an eye. Remember that.)
上記の通り、原語では「Your soldiers are nothing.」であり、平田勝茂氏のセンスが光る意訳となっている。原語に忠実な翻訳であるTBS版吹替では「だが使い物にならん」と訳されている。
前後のやりとりを見てわかる通り、ベネットがアリアスの雇った私兵を低評価すると同時に、人質である娘ジェニーを奪還しに必ずやってくるであろうメイトリックスの脅威を忠告する台詞となっている。ベネットはかつてメイトリックス率いるコマンドー部隊の隊員の一人であったために、その実力誰よりも知っているが故の台詞である。
端的に言うと、ベネットの評価は的確であった。
島にいた私兵は、メイトリックスを前にあっけなく全滅した。一度だけ手榴弾によって彼に手傷を負わせることに成功したもののただそれっきりで、結局一方的に虐殺されるに終始した。
これを機に他の映画でも、主人公に一方的に倒されるモブ兵士や敵構成員のことを「カカシ」と呼ぶことが、港湾労働者組合員もといシュワ映画ファンの間では定着している。
島で殺されたのは80名強だったが、埠頭のパトリア興行の倉庫で兵器の準備をしていた私兵らを加えると100名以上の兵力だったことがわかる。一方でアリアスは「私の兵士は皆愛国者だ」と豪語していたが、直前のシーンでは「小娘一人にこれじゃあ、大げさすぎるんだよ」とぼやいているの兵士が映っており、士気が低かったことが窺える。実力も前述の通りであるため、まともな人材を雇えなかったか、アリアス派にはまともな軍人が殆ど残っていなかった可能性など、アリアスの財力や人望などの事情を垣間見ることができる。
アリアスは現バル・ベルデ大統領のベラスケスをメイトリックスに暗殺させたのと同時に、その混乱に乗じて政権を奪還するカウンター・クーデターを画策しており、これらの兵士はその際の護衛や武力行使に用いるものだったと思われる。
アリアス自身は成功するつもりでいたらしく、メイトリックスとエンリケスの乗った飛行機を見送ったサリーからの報告を受けて「明日の今頃は私はバルベルデに帰っている。大統領として」と豪語しており、バル・ベルデ本国の一味から電話で報告を受けた際は「はい、アリアス大統領だ」(presidente)と自らを大統領と呼んでおり、最早成功した気でいた状態だった。
掲示板
14 ななしのよっしん
2025/01/26(日) 12:20:39 ID: U0gUebEFOT
「私の兵士はみな愛国者だ」"my soldiers are patriots"に切り返してこの台詞だからな、いい会話だ
「口だけは達者なトーシロ」"little pissant soldiers trying to talk tough"の訳も好き
15 削除しました
削除しました ID: THTtM5E9Ye
削除しました
16 ななしのよっしん
2025/08/01(金) 20:58:35 ID: DGzKbyMvsy
原語だと使い物にならないとか兵士でも何でもないという意味になるからただのカカシという言葉は大分オブラートに包んだ表現でもあるという…
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最終更新:2025/12/10(水) 13:00
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