つかこうへい 単語

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ツカコウヘイ

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つかこうへいとは、日本の劇作家小説家である。

概要

本名:金原峰雄(金峰雄[キム・ホンウ])。自身は在日韓国人二世にあたる。

つかこうへいの由来は、当時から非難されていた日本における在日韓国人の身分から、「いつか」な世の中に、との思いを込めてつけたという説が有名であるが、つか本人の著書『飛龍美智子の生涯』あとがきには、中核派学生運動」からであると記されているらしい。

大学在学中に演劇に触れ、20代前半から、アングラ二世代の旗手として内の演劇界に旋を起こした。
初期の戯曲『熱海殺人事件』と『蒲田行進曲』が特に有名。
舞台化含め、これらは昭和期を代表する作品といわれ、「つかブーム」を巻き起こした。

1994年に自身の劇団を創設。その後、大分にも劇団を、北海道にはセミナーを開設。地域密着や文化発信に尽力した。

ヘビースモーカーであり、普通喫煙しながらトーク番組に出演した事もある(氏に限ったことではないが)。

2010年1月がんを表。闘病を続けつつも、舞台練習風景ビデオ等でチェックし、病床の身でありながら熱心に導していた。

同年7月10日に死去。

「恥の多い人生だった」「日本韓国の間にある対馬峡に散して欲しい」と、もし自分が亡くなったら表して欲しい事を事務所に伝え、表となった。

衷心より哀悼の意を表します。

演出・作風

情に溢れたパワフルな作のものが多い。

まぐるしく変わる場面、音響照明、凄まじい勢いで繰り出される台詞と、初めて見る観客には物語の筋を掴むことすら難しいとさえ言われるハイスピード・ハイテンションな作の持ちで、その勢いはまさに『怒涛』の一言。
人によっては支離滅裂にさえ見えるほどに、物語を形作る要素を大量にどんどんと繰り出す。
つか自身は、「間だの芸だの要らない。客は、0.01間違えたら死ぬという真剣勝負を見にきている」としている。

特にその場面転換の演出は特異で、暗転することを嫌い、大音量の音響ギラギラした照明と共に、登場人物達がまぐるしくアクションをしたりダンスをしたりすることで表現していた。
そのため、台詞のやり取りが終わったと思うと手なダンスが始まり、次に台詞が始まったときには既に物語の中で○○年が経っていた、という展開も少なくない。 
宮藤官九郎エッセイで、初めてつか作品を見たときのことについて、「音響手で照明手で、それに負けないぐらいの勢いで役者必死な形相で叫んでいるが、正直役者の言葉が聞こえない部分もあって、物語についていくのも精一杯だった。ただ、エネルギーと勢いの凄さを非常に強く感じた」と書いている。 

初期は特にアングラ要素が強く、2人のゲイが1時間半絡み続ける『いつも心に太陽を』などはその良い例である。また、非常にの強い登場人物が多く、『熱海殺人事件』の木村兵衛はその代表であろう。
『モンテカルロイリュージョン』で木村を演じた阿部寛は、演出をするつかに、「阿部よ、客は、まともな人間をわざわざ金払って観に来てるんじゃねえんだよ。劇場じゃなきゃ見られないような狂った人間をこそ観たいんだよ。もっと狂え」と叱されたと語っている。 
一方、後期ではエンターテイメント性が強くなったと評する向きもある。 
全体的に登場人物は、男の割合が高い。 

舞台は、舞台に近いものが多く、必要最低限のものしか置かれない。『熱海殺人事件』などは、木村兵衛などをはじめとして、これに並ぶ椅子二三置かれるだけだが、これはまだ多い方であり、『幕末純情伝』『ロマンス』などは、ほぼ舞台に近い状態で上演される。

衣装・小具もやはり必要最低限に留まる。特に衣装は、坂本竜馬が革ジャンだったり、その相手であるヒロインジャージだったりと、衣装自体が重要な役割を果たす場面以外では、時代背景すら考慮しないこともある。 

作品

熱海殺人事件
つかこうへいの名を世に知らしめた代表作。『ザ・ロンゲストスプリング』『モンテカルロイリュージョン』『サイコパス』など、多くのバージョンが作られ、つかの生涯にわたって幾度とく上演された。
偏屈な刑事木村兵衛が、部下であり愛人である婦警地方からやってきた刑事と共に、熱海殺人事件イマイチ抜けない容疑者を一流の殺人犯に仕立て上げようとし、やがてその中で登場人物達が成長を遂げて行くという話。
初作は、つかが弱冠25歳の時の作品であるが、史上最年少で岸田士戯曲賞を受賞した。また、後に記者達によって戦後の戯曲ベスト2に選出された。ちなみに第1位は、三島由紀夫の『サド公爵夫人』。
蒲田行進曲
時代劇の撮が行われている京都舞台に、売れっ子俳優四郎、その人である小、大部屋役者ヤスを中心に巻き起こる悲喜劇を描く。
深作欣二監督映画化され、大ヒットを飛ばした作品。一般人の間につかこうへいの名を浸透させた。 
幕末純情伝
沖田総司は女だった。
男として育てられた少女剣士沖田総司と、革命坂本龍馬の悲を描く。
91年に映画化され、大ゴケをかました。 
ロマンス
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