まいばすけっと(スーパーマーケット)とは (マイバスケットとは) [単語記事]

コンビニエンスストアとスーパーマーケットの中間的な存在として、都市部の住宅街や駅前などにドミナント戦略で集中的に出店し、急速に店舗数を拡大している。「近い、安い、きれい、そしてフレンドリィ」をコンセプトに、低価格で生鮮食品や惣菜、日用品を提供することで、都市生活者の日常的な買い物ニーズに応えている。

略称は「まいばす」。

概要

まいばすけっとは、「都市型小型食品スーパー」という独自の事業モデルを採用している。これは、コンビニサイズの店舗面積でありながら、スーパーマーケット並みの品揃えと価格を実現するものである。

出店戦略としては、徒歩3分圏内の小商圏をターゲットに、特定の地域に店舗を集中させる「ドミナント戦略」を採用している。特に、閉店したコンビニエンスストアの跡地などを活用する「居抜き出店」を積極的に行うことで、初期投資を抑えつつ効率的に店舗網を広げている。

商品は、生鮮食品、弁当、惣菜、日配品、加工食品、日用品など、日常の食卓に必要なものを幅広く取り揃えている。弁当や惣菜はセントラルキッチン方式で製造されているため、店内での調理スペースが不要となり、コスト削減に繋がっている。

同じイオングループのミニストップとは、ファストフードに注力するミニストップと、低価格な生鮮食品に強みを持つまいばすけっとで役割が分かれているため、直接的な競合は少ない。また、マルエツプチや成城石井といった同種の小型スーパーとも、価格帯や品揃えで異なる客層をターゲットにしている。

まいばすけっとは、同じく小商圏をターゲットとするコンビニエンスストアと競合関係にあるように見えるが、明確な差別化を図っている。

価格: コンビニエンスストアが定価販売を基本とするのに対し、まいばすけっとはスーパーマーケットのビジネスモデルに基づき、徹底したローコスト運営による低価格販売を実現している。
品揃え: コンビニは弁当、惣菜、パンなどの加工食品や飲料、日用品が中心だが、まいばすけっとは生鮮食品（野菜、精肉、鮮魚）を豊富に取り扱っている。これは、毎日の献立を考える主婦層や、自炊をする単身者にとって大きな魅力となっている。
営業時間とサービス: コンビニが24時間営業や公共料金支払い、ATMなどのサービスで「利便性」を追求しているのに対し、まいばすけっとは最長で朝7時から深夜 0時までの営業が中心である。サービスよりも、毎日の食卓を支える「買い物の場」としての役割を重視している。

まいばすけっとは、イオングループのプライベートブランド「トップバリュ」を積極的に導入することで、コンビニにはない価格競争力と品揃えの幅を両立させ、独自の立ち位置を築いている。

まいばすけっとと同様に、都市部を中心に小型店舗を展開するスーパーマーケットはいくつか存在する。

マルエツプチ: ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス（USMH）が運営する小型スーパーである。まいばすけっとと同様、駅前や住宅地に展開し、生鮮食品や惣菜の品質に力を入れている点が特徴である。なおUSMHはイオン子会社であるため、遠い親戚ではある。
成城石井: 高品質な食品や輸入食品、自家製惣菜で知られるスーパーである。駅構内などにも小型店舗を多く展開しており、価格帯は高めだが、都市部の顧客の「ちょっといいもの」ニーズに応える点で共通している。
オオゼキ: 東京都内を中心に展開するスーパーで、一部には小型店舗も存在する。新鮮な食材や珍しい商品の品揃えに強みを持っている。