オートレースとは、600ないし500ccのオートバイ8台を走らせてその着順を競う、競馬、競輪、競艇(ボートレース)と並ぶ公営競技のひとつである。所管官庁は経済産業省。
現在、伊勢崎(群馬県)・川口(埼玉県)・浜松(静岡県)・山陽(山口県)・飯塚(福岡県)の5か所にオートレース場がある。
悲しいことに近畿や北日本にはオートレース場はなく、オートレース自体全く知らないなんて人もかなり多い。
1951~55年までは近畿地区にもレース場があったものの、売上げの低迷や排気音による近隣住民の抗議行動、またレース中に事故が頻発するなどしたため、短期間で廃止されてしまった。
(長居(大阪府・長居公園の中)・甲子園(兵庫県・甲子園競輪場のバンクの内側)・園田(兵庫県・園田競馬場のコースの内側))
過去には2輪車とともに4輪車のレースが行われたり、ダートコースを用いて競技が行われていたが現在は2輪車のみ・アスファルトのコースでレースが行われている。
かつて、地方競馬の代表格・大井競馬場の隣(いまは駐車場がある場所)に大井オートレース場があり、業界初のアスファルト舗装路・1周500m走路として造られた。
用地の広さなどの問題があり新規のダートコース建設が困難だったため、苦肉の策として建設されたのだが、結果としてこれがその後のダートコース→舗装路コースへと移行される際のモデルとなった。
売上・来場者数も好調だったものの、プロ野球選手との八百長(黒い霧事件)や当時の都知事の「ギャンブル廃止公約」により廃止される。(ところが、競馬・競艇は存続、競輪は休止扱いであり、実際に廃止されたのはオートのみであった)
この大井の廃止・移転受け入れによって誕生したのが伊勢崎オートである。(事実、伊勢崎オートの所有者は東京都競馬(大井競馬場の所有会社)である。)
また、千葉県船橋市にも船橋オートレース場が存在したが、こちらは2016年3月をもって閉鎖された。
2009年2月17日 飯塚オート9Rにて、「田中選抜予選」と銘打ったレースが行われた。このレースはTVで取り上げられ、ニコニコ動画でもそのカオスぶりで話題となったレースである。
これに味をしめたのか定かではないが、ちょうど1年後の2010年2月17日、同じ飯塚オート12Rにて「鈴木vs吉田選抜戦」(鈴木選手と吉田選手が4名ずつ)が行われたり、同年8月13日・伊勢崎オート6Rにて「鈴木くん大集合」が行われている。
1周500mのオーバルコースを6周することで行う。(グレードレースの優勝戦は8周、日本選手権やオールスターなどSGの準優勝戦・優勝戦においては8周・10周となる)
スタート前には試走(1周)を行い、そのタイムは後述するハンデとともに車券予想の材料となる。車券の買い方は他の公営競技とほぼ同じなので割愛する。
選手の実力差がある場合は、10m単位でハンデ(スタート位置が後ろになる)が付けられ、そこから順位を上げる姿も魅力のひとつといえる(0ハン(=ハンデ0mスタート)の選手が逃げ切って勝つ確率は低いとされる。勝てるなら0ハンでの出走にはならないからである。0ハンやハンデの軽い選手は成績が良くなるとハンデが重化される(スタート位置が後ろに下がる)・もちろんその逆もある)。基本的に車番が大きいほどハンデが重くなり、開催中の結果次第でハンデが変動することもある。
レースによってはオープンレースといい、0mもしくは10mに8台が並んでレースをすることがある。この場合、10mオープンだとスタート位置に角度がついている関係で内枠が有利になるため、ハンデの軽い選手を内枠、つまり1番や2番に入れている。0mオープンの場合は、選手がそれまでの成績順に好きな番号を選ぶ枠番選択や、成績順にくじを引き番号を決める枠番抽選などにより選手の枠が決まる。
競走に使うバイクのエンジンは1993年10月にスズキが製造するセアに統一されている。600ccと500ccがあり、新人選手は500ccのエンジンからオートレーサーとしてのキャリアをスタートする。
その特殊な走行スタイルに合わせてハンドルが左右非対称の独特の形状となっており、素人が見てもそれが特殊な物であるとわかるくらいである。
また、このバイクにはブレーキが無い。レースがきわめて接近して行われるため、もしブレーキがあって使ってしまうと追突事故などが起こり得るためである。ギアが2段のみであり、スタート時にローギアを使った後は全てトップギアでのアクセルワークのみ(減速はエンジンブレーキ)でバイクを操る。
メーターやミラーなどもなく、エンジンは押しがけ。レースに必要最低限なもののみ装備されたこのバイクで公道を走ることはもちろんできない。
#これは、ブレーキの付いていない競輪の自転車も同様である・・・が、こちらは悲しいことに一部の心ない人間による死亡事故発生例や道交法違反での摘発例がある・・・
ちなみに、競輪同様、このエンジンやタイヤ等の部品、選手の身を守る防具は全て選手の自腹である。
また、競艇同様、整備はすべて選手自身が自らの手で行わなければならないルールとなっている。
他の公営競技では競馬ではゲート故障で、競艇では大時計故障でなど、発走に関わる機器の故障があるとレースが行えないが、オートレースにおいては公道同様に手旗が信号機の代用として運用可能なため、手旗信号による発走合図でレースが行われた例もいくつかあり動画にもなっている。
オートレースで競技をしている際のスピードはMAX150km/hと、かなりのものである。そのため、落車事故による衝撃で大ケガをすることもあり、場合によっては命を落とすこともある。
かつて西の横綱と呼ばれた中村政信選手も、落車により若くしてこの世を去った選手の一人である。生前の彼の雄姿は以下の動画から見ることができる。
『内線のガードマン』穴見和正。自身の過去の経験から、他者と一線を画すインベタ走法を編み出し、その走りを今でも貫いていることで有名。70歳となった今でもその走りは健在で、トップ選手に勝つことも。
『絶対王者』高橋貢。オートレーサーとしては史上最高額の1億4812万4255円を稼ぐなど、かつて最強の名をほしいままにした選手。上位の選手が数多く出てくる中、未だにトップクラスをキープしている。
森且行。いわずと知れた元SMAPのメンバーであり、オートレーサーという自らの夢を見事に叶えた男。所属する川口オートではトップクラスの成績を誇る。2020年に脱退時の約束だった「日本一になる」目標を24年越しに達成。オートレーサーとして唯一ファンサイトがあることからも、その人気が伺い知れる。
青山周平。元ロードレーサーで全日本チャンピオンになるほどの逸材だったが、2011年にオートレーサーとしてデビューするとデビュー戦から12連勝・全勝優勝・当時最速のデビュー35日で優勝と新人記録を総なめに。現在、鈴木圭一郎と熾烈なトップ争いを繰り広げるオートレース界最強の男。
鈴木圭一郎。小2でポケバイに乗り、3年後川口オートレース場で行われたポケバイレースで優勝。2013年のデビュー後からその才能を発揮し、グレードレース史上最年少優勝、SG4連続制覇など輝かしい記録を残す。現在は青山周平とトップ争いを繰り広げている若き天才。
唐鎌大輔。デビュー当初は将来を嘱望されていたが、今やランク最下位の常連どころかクビの可能性すら出てくるまでに追い込まれた選手。2chではダイタンやパープルのあだ名で親しまれ、彼のAA( ・3・ )も存在する。
→2011年3月をもって新陳代謝制度(成績下位選手の強制登録消除)により引退となってしまいました・・・。
現在、伊勢崎と川口、飯塚で実況を担当しているVOICE TRUSTの堂前英男と吉原完がオートレースの実況を主に担当している。
「高塚が!高塚が!忍者のごとく現れましたがどっかに行ってしまいました!」
また、かつては飯塚、現在は山陽で活躍する宮本隆与は独特の実況スタイルでニコニコのオートレースファンを沸かせる。
「針、3秒前、2秒前、1秒前!各車一斉にスタートぎゃおおおおん!」
かつて日本選手権優勝戦中継の実況を、東京12チャンネル(現:テレビ東京)局アナ時代の小倉智昭が務めていた。
掲示板
27 ななしのよっしん
2022/10/02(日) 12:33:47 ID: jzI7uhn55r
俺は競馬党なんだが、先日友人に誘われてオートレース場に初めて行ってみた
バイクの規格は全員同じらしいけど、思ったより差が出るもんなんだなーと驚いたわ
その辺りがテクニックの差とか言うやつなのかな?
何でも1人でやるらしいし、ほぼ個人競技?
見ていて「レース」というより「格闘技のトーナメント」に近い印象を受けたわ
1回行っただけだし
個人的には面白さがイマイチ良く分からなかったが
特定の選手を掘り下げて
ファンになったりすると楽しめるのかな?
28 ななしのよっしん
2023/06/21(水) 22:51:42 ID: A02fAO0x+6
通常のモータースポーツは選手それぞれにスポンサーやらメーカー、チームがサポートについてそれも「物語」としての盛り上がりになる
オートレースはギャンブルという程なので公平を期す為にみんな同じマシーン
そりゃ地味になるわ
29 ななしのよっしん
2023/06/21(水) 22:52:51 ID: A02fAO0x+6
多分、日本のモータースポーツ好きもオートレース観戦に来る人はほとんどいないやろ
急上昇ワード改
最終更新:2024/11/20(水) 01:00
最終更新:2024/11/20(水) 01:00
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