クブルスリー(Cubresly)とは、「銀河英雄伝説」の登場人物である。
CV.田中信夫(石黒監督版OVA)、高階俊嗣(Die Neue These)。
自由惑星同盟軍士官。本編開始時、中将・第1艦隊司令官。後に統合作戦本部長。
幅と厚みのある中背の体を持った有能な軍人で、部下に対して驕らない性格の持ち主。統合作戦本部長時の高級副官としてウィッティ大佐がいる。
石黒監督版OVAにおける旗艦は宇宙艦隊総旗艦を兼任する<アイアース>であるとされる。
自由惑星同盟軍第1艦隊は、もとより首都ハイネセンとバーラト星系の警備や内国の治安維持を任される部隊である。かつて士官学校を優秀な成績で卒業したというクブルスリーも、第1艦隊司令官として宇宙海賊組織の討伐など航路の安全安定に尽力し、いずれ軍人としての最高峰、すなわち統合作戦本部長の座につくことが確実視されていた。
しかし、その予測は本来よりはるかに加速されることになる。宇宙暦796年、自由惑星同盟軍は8個艦隊3000万兵員を動員した帝国領侵攻作戦において歴史的大敗を喫したのである。その結果、2000万の戦死者のみならず、作戦に関連した無数の将校の引責が発生した。特に統合作戦本部長シドニー・シトレ元帥、宇宙艦隊司令長官ラザール・ロボス元帥辞任、宇宙艦隊総参謀長兼統合作戦本部次長ドワイト・グリーンヒル大将転任といった引責者を出した統帥部は空白状態に陥ったのだった。
そこで抜擢されたのが、第1艦隊司令官でありキャリアには申し分なく、内国での活動ばかりだったことから経歴に疵もないクブルスリーであった。彼は大将に昇進して統合作戦本部長に任じられると、幕僚総監としてヤン・ウェンリーを幕下に置くことを望んだが、これは彼がイゼルローン要塞司令官に就任したため実現しなかった。
だが、彼は半年もしないうちに奇禍に遭うこととなる。
宇宙暦797年3月30日、ハイネセン近隣星区の視察を終え統合作戦本部に帰還したクブルスリーは、そのロビーで思わぬ人物に出会った。アンドリュー・フォーク准将である。大敗したアムリッツァ会戦に先立ってヒステリー症状を起こし、予備役に編入されていた彼は、自らの全快を主張するとその場でクブルスリーに現役復帰を願った。
この願いを、クブルスリーが叶えてやることは出来なかった。トップへの直訴によって強引に現役復帰を決定するなどということは、組織の人間として承服し得るものではなかった。なおも現役復帰を強硬に願い出るフォークに対して彼がこの時放った
「私の権限は手順をまもらせるところにあるので、手順を破るところにはない」
という言葉が、彼の組織人としての信念を象徴しているであろう。それに続いて、彼は年長者が若者を諭すかのようにフォークを説諭し、でなおして正規の手続きを通すよう忠告したが、不幸なことに、その言葉はフォークを逆上させる結果にしかならなかった。フォークは懐から小型ブラスターを取り出し、自らの「正当な」願いを叶えようとせず、あまつさえその快癒をすら否定する上司の右脇腹を撃ったのである。
幸いクブルスリーは命を取り留めたが、全治三ヶ月絶対安静の身となる。取り急ぎ、宇宙艦隊司令長官アレクサンドル・ビュコック大将の臨時代行就任が打診されたが、彼が権力集中への忌避から辞退すると、最年長の次長であるドーソンが(不評極まることに)臨時代行の任についた。しかし、クブルスリーの暗殺未遂には陰謀が隠されていた。フォークの行為自体が、同盟にクーデターを起こそうとする者たちの使嗾によるものだったのである。結果、一時的にせよ統合作戦本部の能力は低下し、救国軍事会議のクーデターを許すこととなった。
クーデターののち、快癒したクブルスリーは統合作戦本部長に復帰する。
しかし、彼の部下たちはクーデターによる軍部の発言力低下を利用した政治家の策動によっていつのまにやらトリューニヒト派の軍人にすげ替えられており、良識派のクブルスリーは孤立を深めていくことになった。むろん政治家が勝手に人事を操る事態に対しての抗議はなされたが、クーデター時に絶対安静で床に臥していたクブルスリーにもはや発言力はなく、彼とビュコックという同盟軍のTOP2が思いを同じにしていても、為せることはまったくなかった。
宇宙暦798年、幼帝エルウィン・ヨーゼフ2世の亡命と銀河帝国正統政府の樹立により同盟がラインハルト・フォン・ローエングラムの指弾を受け窮地に陥ると、トリューニヒト派は動揺を抑えるため更なる勢力の強化を計る。その結果、すでに孤立していたクブルスリーは病気を理由に退任させられ、ドーソンが後任として統合作戦本部長の座席を占めることとなった。退役後の登場はなく、詳細不明。後の”オーベルシュタインの草刈り”にも名前が挙がっていない。
掲示板
26 sage
2023/11/01(水) 00:22:13 ID: iyze9KWomb
クブルスリーの本来の綴りは"Kubrusly"と思われる。OVA版は人名や地名、艦名といった固有名詞の綴りがいいかげんで目茶苦茶。
まあとうじは
27 sage
2023/11/01(水) 00:30:54 ID: iyze9KWomb
クブルスリーの本来の綴りは"Kubrusly"と思われる。OVA版は人名や地名、艦名といった固有名詞の綴りがいいかげんで目茶苦茶。
まあ当時はネット上の検索エンジンなんて存在せず、あちこちから固有名詞をつまみ食いしてるので、ラテン文字による本来の綴りを調べるのは大変な手間だった。
短い制作スケジュールと人手と予算の少なさから、そういう固有名詞の綴りについて詳しく考証する専門の担当者なんて設けられなかったのだろう。
当時はOVAなんて視聴する人達も極限られた人達だったし。
28 ななしのよっしん
2023/11/01(水) 01:34:23 ID: 1m1Q0j/pzl
Cubreslyの出典は『銀河英雄伝説事典』ですね
ちなみに原作の公式英訳でもCubreslyです
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最終更新:2025/02/18(火) 19:00
最終更新:2025/02/18(火) 19:00
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