コード進行とは、機能和声の流れを一部分、特に主和音から主和音のまとまりで切り取り明示したものである。
カノンコード・王道進行・ツーファイブさえ覚えれば作曲できます。れっつとらい。
下に述べる基本的な進行を覚えてしまえば、ギター片手に作曲することができる。
元の協和音をトニカ(トニック)、4度を基音とする協和音をサブドミナント、5度のをドミナントと言う。
そして、トニカをT、サブドミナントをS、ドミナントをDと表記することにして、例えばT→S→D→T(I→IV→V→I)と和音を連ねると、
このように、単純な曲の伴奏にすることができる。ちゃんと終わった感じのする、和音のまとまりを、カデンツ(終止形)ともいう。簡単なカデンツとしては、他にT→D→T、T→S→T、T→D→S→T がある。T の所で複数のカデンツをつなげる、D に対するドミナントとして S を使う(一種の代理和音)などして、複雑なカデンツが作られる。
和音を、別の似た和音に置き換えると、コード進行に変化を付けることができる。似た和音の置換えとして、例えば次のようなものがある。
代理和音で置換えすぎると、元の調から外れてくるが、それはそれで、別の調でのコード進行や、転調のつなぎなどに使うこともできる。
コード進行を視覚的に理解するための有力なアプローチとして「五度圏」の図を活用する方法がある。
五度圏はもともと調(五線譜の先頭の♯・♭の数)の遠近関係を視覚的に示すものだが、 和音も調と同じように「Cメジャー」「Aマイナー」のように呼ばれることから 「和音の五度圏」として捉えることもできる。
通常、曲のコード進行は、五度圏の上でその調と同名のコードから始まり、その両隣(サブドミナントとドミナント)のコードを経て、調と同名のコードに帰ってきたタイミングで「曲が終わった」ように感じさせる「終止形」を構成している。
また、「平行調」と呼ばれる、同じ調号のメジャー・マイナーのペア(例: C と Am、G と Em、など)についても、同名のコードが互いに代用されることが多い。 代用されるコードについてもドミナント、サブドミナントの派生コードを作れば、その調で合計6つの「ダイアトニックコード」が浮かび上がってくる。これらのコードだけを使ったコード進行であれば、転調したように感じることなく、普通に曲が作れる。このようにコードの遠近関係を視覚的に把握するのにも五度圏が役立つ。
さらに、ルート音が同じでメジャー・マイナーを変えたり(=同主調に転調)すると、 五度圏の上で「調の隣近所」をはみ出して「直角」に(=調号3個分)移動し、 いわゆる「短調にしてみた」「長調にしてみた」の雰囲気が出せるようになる。 脳内でこの感覚がイメージできれば、やがて自分の出したい雰囲気のコード進行を視覚的に導き出せるようになる(ね、簡単でしょ?)。
「大きな古時計」を例にとってみる。
この曲では和音の進行として、例えば T→D→T→S→S→D→T というカデンツを当てはめることができる。そして、普通の協和音や代理和音を置いていくと、置き方によって以下のサンプルの様に、色々雰囲気を変えることができる。
![]() |
||
カデンツ:T→D→T→S→S→D→T をあてはめたもの | ||
1回目 | C G C F Dm7 G C | 普通 |
2回目 | Am E7/G# C/G D/F# F G {Csus4 C} | マイナーのクリシェ |
別のカデンツ、調をあてはめたもの | ||
3回目 | C E7 Am C7(13)/B♭ F G C | J-POP定番進行 |
4回目 | Am E7 E7 Am B7-9 E7 Am | マイナー |
5回目 | C Em7/B C7/B♭ A7 Dm7 G7 C | メジャーのクリシェ |
6回目 | A♭ B♭ C B♭M7 A♭ G {A♭B♭ C} | サブドミマイナー多用 |
7回目 | Am D Am D Am D Am D | ドリアンもどき |
8回目 | Am7 D7 {G G7} {C Cm(9)} Am7 D7(13) {Gsus4 G} | 属調 |
こういう感じで、様々な組み合わせで和音を並べることで、メロディに色を付けることが出来て、多彩な音楽が生まれてくる。
案外適当。そもそもJ-POPのような2・3の定型コード進行で説明できるジャンルなぞほんの一握りなので、あくまでこんな進行が使われてまっせ程度の覚え書きである。
ロマン主義の時代にはコードネームは存在しなかったが、和声の進行に関する基礎的な部分はおおむね同様の理論に基づいている。
ロマン派音楽はおおざっぱに言えば感情的な表現を好む傾向にある。故に和声も、部分的転調による副解決進行のような、大胆でわかりやすい大味なものがよく用いられている。しかしながら理論としては大元の古典派音楽を踏襲しているので、例えばIV△7→V7→IIIm7→VImのような後代で用いられた俗な進行 (特に例示の進行のIIIm7はアカデミックな理論分析では説明が難しい) はあまり出てこない。
コードネームの考え方が生まれた源流の音楽である。黎明期において既にブルース進行の楽曲が録音されているのが確認できる。強烈な副解決進行が用いられているのは前代のロマン派と共通する部分であるが、明確なツーファイブのカデンツ (ケーデンス、終止形) を重用したのも特徴である。後期にはコード進行そのものを否定した楽曲も作られるようになった。
1950年代前後に興った民俗系の音楽においては、IV - I - V - I などのような単純な進行が用いられることが多い。あまりアカデミックな和声概念のなじまない民謡においてはよくあることだが、それでもBメロ (に相当する部分) にてドッペルドミナント (カノンコード参照) が用いられるなど和声的特徴も見出すことができる。
コード進行よりもビート感重視のジャンルであり、殆どトニックに終始する楽曲もあるが、歌ものなどメロディラインがはっきりしているものでは多少和声的なコード進行も用いられている。
先述のディスコよりも定型化・メロディアス化した、典型的ないわゆる「打ち込み」音楽のジャンル群であり、それまでに類を見ない程度にIV△7→V7→IIIm7→VImのコード進行が多用された。
90年代前後からのJ-POPは先述のユーロビートよりも定型化・形骸化が進んでゆくようになった。コード進行も例に漏れず、メロディアスな楽曲によくあうカノンコードの頻出や一ビッグアーティストによる逆循環の多用、そしてIV△7→V7→IIIm7→VImの重用が特徴として挙げられる。特にIV△7→V7→IIIm7→VImは「このコード進行を使えば必ず売れる」と言わんばかりに売り上げ上位曲に用いられ、今日では (広義の) アニソンにも用いられるようになっている。
掲示板
76ななしのよっしん
2022/10/02(日) 17:48:58 ID: kdYxnZOup8
コード理論が音楽に必要かは分からないけどコード理論を学ぶこと自体は凄く楽しいからお勧め
ただ中途半端に学ぶと創作の幅が狭まるから1から10まで、とはいかなくても8くらいまでは学んだ方が良いと思う
>>75
それ自体は全然問題無いと思う、特徴あるコード進行ならその作曲者の個性足り得る訳だし
問題視されるのは
1.どこにでもある進行を愛用し過ぎている
2.曲調が似通っていて主音がいつも同じ
多分このどちらかな気がする
77ななしのよっしん
2023/01/25(水) 13:20:00 ID: uK+59TttnI
78ななしのよっしん
2023/03/05(日) 13:12:55 ID: Ql6R3gB4u6
急上昇ワード改
最終更新:2023/04/02(日) 17:00
最終更新:2023/04/02(日) 17:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。