ピコカキコ:基礎コース(3級) 単語

ピコカキコキソコースサンキュウ

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初級に引き続き、3級ではピコカキコMML)の基礎的なコマンドについて習熟する。

初級未履修の方は→ピコカキコ:基礎コース(初級)

相対オクターブ 指定 (><)

初級ではCDEFGABで音階定できることを学習した。しかし、「『シ』の上の『ド』はドーやって出すんだ?」「『ド』の下の『シ』の書き方をシらない。」という問題を解消していなかった。まずはこの問題を解消する。

結論から述べると「<C」と書くことでシの次のドを書くことができる。試しに「CDEFGAB<C」と書いて鳴らしてみよう。事に「高いド」が鳴ったはずである。

次に出てくる疑問は「ではその次の『高いレ』はどうなるのか?」である。

高いドが「<C」なら高いレも「<D」と思った方は、試しに「CDEFGAB<C<D<E」と鳴らしてみよう。高いレは「高い高いレ」に「高いミ」は「高い高い高いミ」(?)になってしまったはずである。

CDEFGABに続く音階は<CDEFGABとなる。<が書かれたあとは、(次の示があるまで)1オクターブ高く演奏されるということである。

では元の音階に戻すにはどうしたらいいか。「>」を使えばよい。「CDEFGAB<C C>BAGFEDC」と書けば、元に戻ってくる。もちろん<や>が、CやBの前である必要はない。ソとソの1オクターブのトレモロG16<G16>G16<G16と書ける。イ短調和音(ラドミ)はA8<E8C8E8>A8<E8C8E8となる。

なお、>を繰り返せばどんどん低音になっていく。試しにC>C>Cと書いて演奏してみよう。

イメージとしては<>の記号はBとCの間にある「に見えない線」を越える時に挿入するという感覚である(下記絶対オクターブ定の図参照)。一旦越えてしまうと次の<>が来るまではそのCBで演奏される。

この相対オクターブ定は、ピコカキコで曲を演奏する際に不可欠なのであるが、音階が上下を繰り返す場合、<>のつけ忘れが生じやすく、ピコカキコをするうえで犯す最も頻度の高いミスの一つとなっている。相対オクターブ定はできるだけ見やすい形で記入する必要がある。

なお、「><の向きがどうも納得いかない」「高い音と言ったら>だろう」という方は、後述「選択:オクターブリバース」を参照のこと。

絶対オクターブ 指定 (O)

絶対オクターブ指定

「最初から高い音階を出したい」「最初から低い音階を出したい」といった場合、絶対オクターブ定が有効である。定の仕方は音符の前に「O5」や「O3」を記入すればよい(数字の前は「数字ゼロ」ではなくアルファベットオー」である)。

絶対オクターブ定は曲の途中でも行うことができる。先ほど述べた「ドレミファソラシド」は、
CDEFGAB O5 C C O5 BAGFEDC
と書くことも可である。


デフォルトはO4であり、

O0O8まで定可である。


楽譜ピコカキコに打ち込んでいくと、その音がどこのオクターブにあるのか分からなるかもしれない。そんな時はO[数字]で絶対オクターブ定をすれば間違えることはない。
これは、ピコカキコで繰り返し記号を用いるようになったり、マクロを記述するようになったときに、更に有効になるコマンドである。

複数トラック(;)

これまでは同時に鳴らす音が1つだけのシンプル音楽について扱ってきた。しかし、豊かな音楽を奏でるためには、同時に複数の音を鳴らす必要がある。それを可にするのが複数トラック定(;)である。

原理は簡単である。各トラックは「;」で区切られる。「;」のあとに書かれた音符は「;」の直後から演奏されることになる。

たとえば「GAGGG;EFEFE;CCC>B<C;」と書いて演奏してみよう。「C(ドミソ)」「F(ドファラ)」「C(ドミソ)」「G7シファソ)」「C(ドミソ)」の和音が鳴ったはずである。これは3つのトラックを同時に鳴らしたことになる。より見やすくするために改行スペースを入れてみよう。

GAG  G  G;
EFE  F  E;
CCC>B<C;

それぞれのトラック独立して演奏されるので、リズムが違っていてもよい。一つのトラックで伴奏、もう一つでといった組み合わせが可である。

他方、各トラック独立であるということは、ミスを誘発しやすい。それぞれのトラックを独自に書きこんでいき、最後に演奏したら変なことになったというのはよくある話である。複数のトラックを使う曲ではこまめに同時演奏させてチェックしながら書き込みを進めていく必要がある。なお、このチェックの賢いやり方については1級でもう一度触れる。

練習問題

このような場合は、4トラック使用する。上の楽譜ピコカキコにしてみると・・・

O6 C4C4G4G4 A4A4G2 F4F4E4E4 D4D4C2;

O5 E1       F2  E2 F2  E2   F2  E2;

O5 G1       A2  G2 G2  G2   G2  G2;

O5 C1       C2  C2>B2< C2  >B2 <C2;

のようになる。これを見て気付くと思われるが、絶対オクターブ定、相対オクターブ定はトラックをまたぐ効果はない。トラックが始まるごとにO4からスタートする。一番上のトラックのO6はそのトラックの最後までしか効果を持っていない。今後学習する多くのコマンドもほとんどがトラック単位のものである(例外はあるが(ry

トラックは最初から独立演奏されるので長さが異なっていてもよい。ただし、特定の部分をリピートさせる場合(2級で解説)長さがそろっていないと正しく演奏できない。

課題曲1

初級で作成した「かえるのうた」を4トラック用いて輪唱させなさい。各トラックの長さはそろえなくてよい。

ヒントカエルの歌の輪唱では各トラックが2小節ずつずれて演奏される。つまり遅れはR1R1と記述される。)

解答例:

CDEFEDCREFGAGFERCRCRCRCRC8C8D8D8E8E8F8F8EDCR;
R1R1 CDEFEDCREFGAGFERCRCRCRCRC8C8D8D8E8E8F8F8EDCR;
R1R1 R1R1 CDEFEDCREFGAGFERCRCRCRCRC8C8D8D8E8E8F8F8EDCR;
R1R1 R1R1 R1R1 CDEFEDCREFGAGFERCRCRCRCRC8C8D8D8E8E8F8F8EDCR;

符点(.)

楽譜の中には符点2分音符、符点4分音符、符点8分音符などの符点音符、符点2分休符、符点4分休符、符点8分休符などの符点休符を見かけることがある。符点がつくとその音符の半分の長さが付け加えられる。符点4分音符は4分音符+8分音符の長さである。

ピコカキコでは、符点はそのままピリオド(.)で表される数字の直後にピリオドを打つことで符点音符になる。

また、複付点音符複付点休符、さらには3重付点、4重付点のものを使うことができる。それぞれ元の長さの7/4(=2-1/4)倍、15/8(=2-1/8)倍、31/16(=2-1/16)倍になる。

休符も同様である。R2.は符点二分休符である。

タイ(&)

複数の同じ音階の音をつなげタイ場合、タイが用いられる。

ピコカキコでは音長を表す数字またはピリオドの直後に&をつけることでタイを表現する。これによって全音符より長い音の表現(G1&G1&G1)や、普通の音符では表現できない音の長さ(C4&C16&C32)を表現することができる。

たとえば符点2分音符(G2.)は2分音符+4分音符だからG2&G4とあらわすこともできる。

なお、休符にタイをつける必要はない。G4&G4=G2でありG4G4とは異なるが、R4R4=R2である。

和音(#USING POLY, @pl〈n〉, [])

上述のようにピコカキコ和音を作る際の問題点は長さをそろえるわずらわしさである。複数トラックで音長がずれてしまうと非常にややこしい。音色が同じである場合和音を一トラックにまとめることはその手間をかなり楽にしてくれる。

使い方:

  1. ピコカキコ前文で「#USING POLY 〈PolyMax〉」を宣言する。〈PolyMax〉には1トラックの最大和音数を入力する(例、#USING POLY 3)。「#USING POLY 〈PolyMaxFORCE」と入力すると、全トラック和音対応になる。その際の1トラックの最大和音数は〈PolyMax〉で固定される。
  2. 該当トラックで「@pl〈n〉」を宣言する。〈n〉には最大発音数を入力する。(例、#@pl4)
  3. 和音を[]でくくる。音長は各音の直後に定する。(例、[c2e2g2<c2])

注意点:

  1. #USING POLYと@plの宣言が必須。
  2. #USING POLYは大文字で書くこと。(だめな例#using poly, #Using Poly)
  3. r(休符)を利用することによって分散和音が可。ただし無修正のままだと和音の全体音長が長くなる。(下記例2参照)
  4. FM音源(基礎コースでは扱わない)には使用できない。
  5. オクターブ変更は次の音にを及ぼす。例#USING POLY 4 @PL4 O4[C4E4G4<C4][C4E4G4<C4]と書くと1オクターブ上がった形になる。
  6. 詳しくはこちらexitを参照。

使用例1

#USING POLY 3

O5 C4C4G4G4 A4A4G2 F4F4E4E4 D4D4 C2;

@PL3 [C1E1G1] [C2F2A2][C2E2G2] [>B2<F2G2][C2E2G2] [>B2<F2G2] [C2E2G2];

使用例2:分散和音(間違った例)

#USING POLY 3

O5 C4C4G4G4 A4A4G2 F4F4E4E4 D4D4 C2;

@PL3 [C1R16E1R16G1] [C2R16F2R16A2][C2R16E2R16G2] [>B2<R16F2R16G2][C2R16E2R16G2] [>B2<R16F2R16G2] [C2R16E2R16G2]

使用例3:分散和音(正しい例)

#USING POLY 3

O5 C4C4G4G4 A4A4G2 F4F4E4E4 D4D4 C2;

@PL3 [C1R16E2...R16G2..] [C2R16F4..R16A4.][C2R16E4..R16G4.] [>B2<R16F4..R16G4.][C2R16E4..R16G4.] [>B2<R16F4..R16G4.] [C2R16E4..R16G4.];

♯、♭(+,-)

これまでは、調号が要らないハ長調(またはイ短調)を取り上げてきた。しかし多くの曲には、♭が用いられる。これを表す記号が「+」「-」である。+が半音あげる#の効果を持ち、-が半音下げる♭の効果を持つ。

「+」「-」は音階の直後、音長の前に記入する。

なお、この効果は機械的なものであるため、重ねて書くことができる。たとえばC-4と書いたり、C---4と書くことも可である。

さてここでクイズ。1)C-4をBを用いて表せ。2)C---4をAを用いて表せ。(たぶん多くの人が引っ掛かる問題)

答え:1)>B4 2)>A4 CからBに下がるのだから「>」を書かなければならない。この機を用いると、「C4>B-<C4」が「C4C--4C4」と書けるため、記述がシンプルになる。

「+」や「-」は該当するすべての音につけなければならない。

たとえば、イ長調音階

イ長調

であるが、「AB<C+DEF+G+A AG+F+EDC+>BA」となり(BとC+の間のオクターブ記号に注意!)、C, F, Gが出るたびにC+, F+, G+と書かなければならない。

楽譜では最初に調号()が宣言されたあと、特別なことがない限り移動ドの「ミ(ド)」「ラ(ファ)」「シ(ソ)」は半音あげて演奏されるが、ピコカキコでは毎回C+、F+、G+と記入する手間がかかる。たとえば

K331

は、「O6 C+8.D16C+8E4E8>B8.<C+16>B8<D4D8」となる。

ぴこだるい。

同様にヘ長調音階

ヘ長調

であるが、「FGAB-<CDEF FEDC>B-AGF」のようにBがでるたびにB-と書かなければならない。

その代わり、♮(ナチュラル)で原音に戻るという作業は不要である。ヘ長調で♮Bの場合、単に「B」と書けばよい。

課題曲2

次の楽譜MMLで記述しなさい。

ドレミの歌

解答例)

C4.D8E4.C8E4C4E2 D4.E8F8F8E8D8F1
E4.F8G4.E8G4E4G2 F4.G8A8A8G8F8A1
G4.C8D8E8F8G8A1 A4.D8E8F+8G8A8B1
B4.E8F+8G+8A8B8<C2&C4 >B8B-8A4F4B4G4<C1

課題曲3

3トラック用いて次の楽譜MMLで記述しなさい。
(出典:もっちょ氏のユーザ掲示&ニコニコ大百科:ピコカキコヘルプより勝手に拝借しました)

トラック1

第1トラック

トラック2

第2トラック

第3トラック(下記楽譜より1オクターブ低いほうがいいかもしれない)

第3トラック

解答例) ただしトラック3を1オクターブ下げた。

o5 ae8f8gf8e8dd8f8ag8f8
e4r8f8gafddr;
o5 ec+8d8e4d8c+8>aa8<d8fe8d8
c+r8d8efd>aar;
a8<e8>a8<e8>a8<e8>a8<e8>d8a8d8a8d8a8d8a8
a8<e8>a8<e8>a8<e8>a8<e8>d8a8d8a8d8a8d8a8;

選択:JASRACコード

音楽コピーには「著作権」の問題がかかわってくる。が、ニコニコ大百科では一括申請・使用料支払いをしてくれているので、たいていの場合ユーザが気にすることなく投稿することができる。

運営の円滑化を図るため、ピコカキコエディタには「JASRAC作品コード」を記入する欄がある。自分の作成している曲のJASRACコードを知りたい場合はこちらexit検索することになる。必ずつけて投稿するようにしよう。

もちろん権利者によって申し立てが行われて削除される可性も存在する。権利が存在するかどうかはこちらのページexit解説を参照すること。関連するやり取りについてはこちらも参照。

選択:オクターブリバース(#OCTAVE REVERSE)

相対オクターブ定の項でふれたように、オクターブを切り替える際には<>の記号が用いられる。しかし、この向きが納得いかない場合はこちらのコマンドを用いることが可である。MMLの冒頭に「#OCTAVE REVERSE」を記入することで<と>の効果が逆になる。

なおこのコマンド文字で記入しなければならない。

修了

3級はここまで。

次は→ピコカキコ:基礎コース(2級)へ・・・。

 

ピコカキコ:基礎コース
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