原宿廃止問題とは (ササイナバージョンアップとは) [単語記事]

原宿廃止問題とは、「ニコニコ動画(原宿)」プレイヤーの廃止に反対するユーザーによって提起された問題。

概要

2013年 9月20日、運営により以下の動画が投稿された。

動画は主に、某リンゴのマークの大企業を意識したと思われる形で新しいニコニコ動画プレイヤー、ニコニコ動画:GINZAを発表するものだった。しかし、同時に発表された「ニコニコ動画(原宿)」プレイヤーの廃止が一部ユーザーに問題視された。ニコニコ動画:Zeroおよびその流れをくむQ、GINZAへのアップデートは環境によって安定性や動作の快適さを損なうことがあるため全面的な支持は得られておらず、そのため原宿プレイヤーを支持するユーザーもいたからである。原宿プレイヤーの廃止に反対するコメントや、Zero系列へのアップデートを改悪だとするコメントにより、上記動画は荒れた。

しかしながら、2013年 12月3日にニコニコ動画(原宿)はほぼ全面的に廃止され、GINZAへの移行が行われた。これに対し、一部のユーザーにより原宿バージョンを廃止後も使い続ける暫定的な方法が開発された。

GINZA バージョンの具体的な論点は当該のニコニコ動画:GINZA 大百科記事を参照。

経緯

原宿バージョンの後継である「ニコニコ動画：Q」は様々な機能を追加したものの、直感的に操作しづらかったり、人によっては動画に集中できなかったり、環境によっては動作が重かったり動画の視聴ができなかったりするといった問題を抱えていた。技術的な理由により推奨環境以外での動作が保証されないのは技術の宿命としても、「ニコニコ動画(原宿)」プレイヤーのインターフェイスを、Qバージョンのそれと比べて安定していて使いやすいと評価するユーザーは一定数いると推察される。Qと原宿のどちらを使用するユーザーの方が多かったかは不明だが、そのようなユーザーは上記動画キャプション曰くQからの「史上最も些細なバージョンアップ」であるGINZAへの全面移行に反対した。

模様替えの際にとりあえず批判が出るのはぶっちゃけ恒例行事みたいなところもあり、プレイヤーのアップデートは必ずしも大きな問題とはならない。しかしながら、同時に行われる原宿バージョンの廃止により、GINZA バージョンをクソだと評価するユーザーの退路は事実上断たれる。プレイヤーはニコニコの中でおそらく最も頻繁に使われるものであり、その機能とデザインはユーザーの視聴体験に大きな影響を与え、ニコニコの中核だといえる。ゆえに、上記動画でも語られているように、バージョンアップには相応の慎重さが必要とされる。

このような反対があったが、前述のとおり2013年 12月3日に原宿はほぼ全面的に廃止され、GINZAへの移行が行われた。

これに対し、GINZA アップデート以降も原宿バージョンを使い続けるための以下の様な方法が一部のユーザーによって開発された。ニコニコ動画(原宿) のような見た目にするCSS変更スクリプトを有志が開発したほか、完全には無くなっていないニコニコ動画(原宿) をロールバックする裏ワザも発見された。

一般に、ウェブサイトのUI デザインの変更は日々行われている。fla ddi ctは「スマホUI考（番外編）　顧客やユーザーの要望に全て対応すると、アプリは99%破綻する」に以下のように書いている。

顧客や上司、ユーザーの場当たりな要望に対応しつづけると、どんなアプリもゴミアプリになる。たとえそれが理にかなった要望であっても。なぜなら面積の限られたスマホでは「一画面の機能数とボタン数」が、使い易さと品質に深くリンクしているからです。

これはスマホアプリのUIについて述べられたもので、ウェブサイトデザインではより大きな自由度がある。しかしながら記事中で述べられているように、ユーザーの理にかなった要望を取り入れ続けた結果が改悪になることはウェブデザインにおいてもありうる。ドワンゴは技術者やデザイナーを擁してニコニコを運営している。運営の方針に大きな異議を唱えるには相応の説得力ある技術上及びデザイン上の根拠を提示するのが効果的である。なにも、Googleのごとく3ピクセルの罫線が最適だと証明する必要はない（ウェブデザインにおける 1px の線を加えることの重要性はまた別の話）。意見書提出を約束から約1ヶ月延期する主導者が率いるデモ行進をするよりは、サイト全体のUI デザインを概観できる技術者とデザイナーの協力を得るほうが効果的だということにすぎない。

以下の節において述べる通り、暫定的な対策はユーザー側で可能だが、GINZAにおいて悪評のついている点が変更されないうちに以下の対策が不可能になることもありうる。原宿バージョンと比較したときのGINZA バージョンの問題の固有性と深刻性を運営に対して効果的に提示しないかぎり、そうした点の変更は運営任せのままとなる。