向日葵の咲かない夏とは、2005年11月に新潮社から刊行された道尾秀介による小説である。
道尾秀介のデビュー2作目となる書き下ろし長編ミステリ。2006年の第6回本格ミステリ大賞候補となり[1]、「このミステリーがすごい!」2007年版17位、「本格ミステリ・ベスト10」2007年版9位などランキングでも評価を集め、道尾秀介の出世作となった。2008年に新潮文庫で文庫化され(解説は千街晶之)、現在も入手可能。
動物の不審死が相次ぐ町を舞台に、クラスメイトの死と死体の消失に始まる数々の謎を巡って推理が繰り広げられる。
輪廻転生という合理的な世界観とはかけ離れた現象を取り上げつつ、最後にはすべての謎が解ける本格ミステリに着地する、アンファン・テリブル小説。
新潮文庫版は2009年のオリコン年間文庫ベストセラー1位となり、累計100万部を超えるなど、道尾秀介の初期の代表作として扱われている。が、内容は単行本の刊行直後から賛否両論を巻き起こした問題作であり、かなり陰惨なストーリーのため、実際のところだいぶ人を選ぶ作品。
刊行当時はこの系統の代表作として名前が挙がる作品が立て続けに出ており、本作はそれらの中でも異形の作品という感じのポジションだが、そんな本作がベストセラーとなったのは、今振り返るとこの後の、いわゆる「イヤミス」ブームの先駆け的な側面もあったのかもしれない。
後に道尾は本作に対し「僕が読みたいミステリーが書きたかった」「この作品が書けただけでも、作家になってよかった」と述べている。
足を折られ、口に白い石鹸を詰められた犬猫の死体が連続して見つかっているN町で暮らす小学4年生のミチオは、先生に頼まれた宿題とプリントを届けに行ったいじめられっ子のS君の家で、首を吊って死んでいるS君を発見するも、いったん学校に戻り警察を呼んでいる間に死体が消失してしまう。
一週間後、どうしても事件のことが頭から離れないミチオの前に蜘蛛となったS君が現れ、自分は自殺ではなく担任の岩村先生に殺されたことを告げ、死体の捜索を依頼する。
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最終更新:2024/04/30(火) 22:00
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