唯一王とはポケットモンスターにおけるブースターにつけられた、聞くも涙、語るも涙な称号である……
まず当時の炎タイプだが、今でこそ炎タイプは氷タイプに有利という認識があるものの、当時は 炎タイプに氷耐性がなかったため、高性能なふぶきでごり押しされて負けるという事が多々あった。
加えて、第一世代の氷ポケモンの殆どは水タイプを併せ持っていた(ラプラス、ジュゴン、パルシェンなど)ので、氷タイプに対しても炎は実質等倍であり、弱点であるとは言い難かった。というかそれはつまり、相手のメインウェポンに水が存在するということであり、それらのわざでサクッと返り討ちにされていた。フリーザーやルージュラはみずタイプを持たないので炎が弱点だが、それでも上記のようにふぶきでごり押しされるのである。
草タイプに対してはしっかり有利が取れていたが、当時は「みず/じめん」とか「みず/でんき」などのように気の効いたタイプの組み合わせなど無かったため、対みずなら草を出さずとも電気が、対地面なら同じく水・氷で十分であった。つまり、別に草タイプである必要はなかったのである。それどころか対水ではサブウェポンの吹雪で返り打ちにされるのが宿命。そんな状況のため草タイプにお呼びがかかることは少なく、そんなタイプに有利が取れたところで大して意味が無かったのである。
このように、ブースター以前にまず炎タイプが不遇であった。
そしてブースター自身はというと、
・130という高い攻撃種族値を活かせるタイプ一致技がなく、技マシンでタイプ不一致「はかいこうせん」を習得させるのが関の山。第四世代に入るまで、物理・特殊の分類は技ごとではなくタイプごとであり、当時の炎は全て特殊技であった。つまり物理技は全てタイプ不一致なのである。
例:「たいあたり」「でんこうせっか」「かみつく」「いかり」「とっしん」「スモッグ(ピカ版のみ)」
・お世辞にも高いとは言えない65という素早さ種族値の為、 他の炎タイプポケモンとの差別化さえ難しい。
等、ただでさえ涙目になりがちな炎タイプのなかでも筆頭級の不遇ぶりであった。
(他にも、伝説ないし準伝説級にもかかわらず不遇ぶりを甘受する方達が君臨されていたりもするが)
それでも強力なかえんほうしゃがタイプ一致で使えたり、だいもんじも覚えたり等でフォローの手段があった分、遥かにマシではあったのである。
ステータス種族値が特攻と特防に分かれた後(特殊110→特攻95,特防110)の真の不遇ぶりに比べれば……
なお、第一世代では「ほのおのうず」の効果が「2~5ターンの間攻撃し続け、その間は相手の行動を全て封じる」というものだったため、先制さえ出来れば物理か特殊か以前に連発してれば必ず勝てると言う壊れ技だった。
ブースターもこの技を覚える事が出来たのだが、素早さ種族値65では先手を取れるポケモンは限られており、
同じほのおのうず使いとしてはキュウコンやリザードンの方が使いやすかった。(´・ω・)カワイソス
鋼属性やにほんばれなどの登場もあり炎の相対的な見直しが行われた。
しかし炎技は相変わらず全て特殊技扱いで、ブースターの高い攻撃を活かそうと思ったら、やはりノーマルなどの不一致技に頼らざるを得なかった。そこそこ高威力な物理技、おんがえしを得はしたものの、タイプ不一致では決定力は大して変わらず、鈍いで攻撃力を上げても水タイプが出てきたらそこで終了であった。
そんな感じで相変わらず不遇かと思われていたが、なんと新技シャドーボールを高威力で叩き込めるポケモンとして注目を集める。というのも当時のゴースト技は物理依存で、たとえタイプ一致であってもゲンガーやムウマではうまく使いこなせなかったのである。これにより隠れたゴースト、エスパーキラーとして名を残したブースター! 世の中には新しく登場した悪タイプというより優れたゴースト、エスパーキラーがいた事なんて知りません。電磁砲? そんなのはもっと知らん。
ジュペッタの登場により、シャドーボール決定力No.1の座を追われることになる。強ポケとして名高いメタグロスにはタイプ上有利だがここでも素早さ種族値5の差が仇となり、未調整では地震で返り討ちにされるケースが多かった。
この時期から新たに特性というものが追加された。ブースターが得た特性は「炎技を受けると自身の炎技の威力が高まる」というもらいび。しかしこの時期はまだ炎タイプの需要が少なかったためあまり活かす機会は無かった。そもそも炎技の威力が上がってもブースターの攻撃力を活かせるわけではn(ry
新たにダブルバトルという新ルールができたが、相手2体に攻撃でき、高威力であるじしんが2倍で入り、かつ物理面が紙耐久だったブースターが活躍していたという話はあまり聞かない……
物理、特殊の分類が技ごとに個別に設定された(炎技にも物理依存の技ができた)。高威力物理技フレアドライブ。
相手をやけどにする鬼火が技マシン化。炎ポケモンの最終進化系には軒並みソーラービーム習得可能。
前作でオーバーヒートを使えなかったエンテイやブーバー(ブーバーン)も使えるようになり……と初代での冷遇振りなどどこ吹く風といわんばかりの梃入れが行われた。この調整により、炎タイプに限らず多くのポケモンに活躍の機会が与えられることになる。
ではそんな時代のブースターの待遇はというと……
まず第1に、せっかく炎技にも物理依存の技ができて、なおかつ高威力なフレアドライブが登場したというのに当のブースターはフレアドライブを覚えない(一方、唯一神ことエンテイは2010年の劇場版記念で配布される個体が習得)。結果、タイプ一致物理技は威力65の炎の牙止まり……さらに涙目なのは、シャドーボールが特殊依存となってしまったことで、これも没収同然。
第2に多くの炎ポケモンはソーラービームを覚えれるようになったのにブースターはソーラービームを覚える事が出来ない。これは炎ポケモン最終進化系ではブースターのみ。そのくせ雨乞いは覚えられるという謎仕様。ゲーフリは雷でも与えようというのであろうか……? 彼の現在の不遇は低物理耐久・鈍足という種族値バランスの悪さと、この攻撃面の貧相さの相乗効果によって生まれていると言ってもいい。
やがてプラチナが発売されると、イーブイ進化系には新技が追加された。遂にフレアドライブを覚える日が来たか? と思ったのも束の間。よりによって新しく追加された技は火炎放射より威力の低い「ふんえん(言わずもがな特殊依存)」。一応三割の確率でやけどにさせることができて、かつ全体攻撃ではあるが、ブースターにとっては正直微妙としかいえない追加技であった。物理サブウェポンのばかぢからで待遇はやや改善されたとの見解もあるにはあるが、果たして唯一王に明日はあるのか?
……といった風に、何かと悲惨な目で見られがちなブースターだが、耐久型としてはそこそこ優秀な部類だったりする。
まぁ折角の攻撃力は何の意味も持たないが、悲しいかなこれが多分現状としては一番有効な戦術だろうか。また微妙視されてるふんえんだが、耐久型なら攻撃と状態異常のばら撒きが同時にできるため悪くない……と思いたい。おかげで技スペースが一つ空けられるようになるかもしれない。
実際問題、HPが低くて素早さも無いブースターにとって、フレアドライブは覚えたとしても正直使い難かったりする。
もし使うとなると一発食らって耐えてドライブして反動で死ぬ。まぁ火力だけはそこそこだが多分特性や素早さの関係上炎の御三家でやったほうが強い。故にどちらかというと炎タイプの物理の先制技が欲しい今日この頃。
攻撃と同時に素早さが上がる炎物理技ニトロチャージを習得。多くのポケモンが覚える為に差別点としては厳しいが
、ブースターの弱点の一つである鈍足を補いつつ戦えるサブウェポンを手に入れた。
しかし、
・相変わらずフレアドライブは覚えない。
・第5世代では多くの四足ポケモンが新技ワイルドボルト(電気物理の反動技)をわざマシンで覚えるが、
ブースターは同じブイズの中に電気タイプのサンダースがいるためか覚えられない(そもそもHPの低いブースターが反動技を使えば上述のようなことになりえるため、有効活用できるかといえば微妙だが)
・同タイプであり、元々上位互換に近かったウインディの待遇改善により、前からあった差が更に広がった。
前述のニトロチャージとワイルドボルトをはじめ、インファイト・じならしの習得、しんそくの強化等
・新ポケモンヒヒダルマの存在、驚異の炎タイプポケモンの登場
ブースターを上回るHP・攻撃・素早さを持ち、とくせい:ちからずくで強化されたフレアドライブをぶっ放す。
などなど、これまでの不遇ぶりが解消されないどころか、更なる不遇の道を進むことになったのである。
今作では夢特性という新要素によって、既存のポケモンには新たな特性が与えられた。これによって強化されるのではないかという僅かな希望は、かくももろく崩れ去る。ブースターに与えられた特性はこんじょう。炎タイプなのでかえんだまを持ってやけどになることはできず、自力でなれる状態異常はもうどくのみ。しかもこの特性を選んだ場合は前作教え技であるばかぢからが使えないという痛い仕様がある。
こんじょう+からげんきのコンボをするにしても、タイプ一致のオオスバメやリングマでやったほうがはるかにマシであり、更に悪い事にこれだけやっても破壊力はなんと適応力イーブイの最大じたばた以下。
その後発売されたBW2では念願のばかぢからが教え技で復活。ようやくこんじょう+ばかぢからコンボを手に入れ、多少は他との差別化もしやすくなった。ニトロチャージを一度積めば120族までは追い抜けるため、相手を一方的に殴れるチャンスも広がった。ばかぢからのおかげで、いわタイプ相手でも止まらない。更にこんじょう発動時のばかぢからは、かのヒヒダルマをも超える超火力。
しかし肝心のタイプ一致物理技の最高威力は相変わらずヒヒダルマにもウインディにも敵わない。
ついに、ついにフレアドライブを実装! これによってネタレベルの不遇さからはなんとか脱せたと評されている。
しかし上記のように、他にフレアドライブを覚えつつブースターより強力なポケモンはおり、結局「こいつでなくてもよくね?」な状況から抜け出せたとは言いがたい。
唯一王の明日はどっちだ……
特殊から引き継がれた高い特防を活かした鬼火+守る+願い事を利用した耐久型でも
結局攻撃力の高さは活かせない……あとゴローニャ(´;ω;`)カワイソス
同じく特防の高さを活かした型。ブースターはいらない子なんかじゃない!
鬼火最高や!フレアドライブなんていらなかったんや!(泣)
そしてこちらが夢の高威力炎物理技を習得できたブースター。ロマン派は視聴必須である。
掲示板
553 ななしのよっしん
2023/10/18(水) 05:51:49 ID: L84AZV/wS4
元々はエンテイが唯一神としてネタにされまくっていた流れで同じ炎物理の不遇ポケモンとしてブースターが神から一ランク下がった(?)王と呼ばれていたからね。
今だとエンテイが不遇?ってなると思うけどせいなるほのおどころかフレアドライブも無くて物理炎最高火力がほのおのキバって時代があったから…
554 ななしのよっしん
2023/10/18(水) 06:04:28 ID: 5imac2jsTN
昔ネタにされてた唯一神こと又吉イエスあたりかねえ
それが「同列の3体のうち唯一際立って使いにくい」点に引っかけられたのだと思う
唯一神は準伝説のエンテイがいたのでそっちにあてがわれ、
一般ポケのブースターは神よりは下ということで唯一王になった
555 ななしのよっしん
2024/09/22(日) 13:31:00 ID: EJan5V4vCI
>>548
ほのおテラスしたリーフィアの方が同じほのおタイプでもずっと強いってなって結局「ブースターでなくてもいい」という、結局他のポケモンの方がもっとうまく使える運命から逃れられないのが…
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最終更新:2024/12/04(水) 04:00
最終更新:2024/12/04(水) 04:00
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