東京砂漠(とうきょうさばく)とは、東京都内に存在する「砂漠」のこと。もしくは、東京における何らかの要素を砂漠に例えた表現。
東京都大島町(伊豆大島)に存在する3つの「砂漠」。いずれも、三原山周辺の植生がまばらな地域を指す。
東側が裏砂漠。溶岩が砕けた黒い軽石(スコリア)が一面に広がる荒野である。
このうち、裏砂漠と奥山砂漠が国土地理院の地形図に掲載されている。
いずれも、砂と岩ばかりで植物があまり育たないことからつけられた名前だが、伊豆大島はケッペンの気候区分における温暖湿潤気候(Cfa)に属し、砂漠気候(Bwh,Bwk)ではない。植物が育たない理由は主に火山噴火による溶岩被覆と火山ガスであり、気候が原因ではない。したがって、学術的な意味での砂漠ではない。
昭和39年(1964年)に東京で起こった大渇水を称した用語。東京オリンピックと同年であることから「東京オリンピック渇水」とも言う。
当時の東京は水源の殆どを多摩川に依存しており、高度経済成長により東京都の人口が増え、上水道の整備が急速に進んだことで深刻な水源不足に陥ったことが主要因である。それに加え、同年8月はほとんどの日が30度を超える(当時としては)記録的な猛暑になったことがとどめを刺した。
東京では最大50%の給水制限がかけられ、マスコミは「水飢饉」「東京砂漠」などと騒ぎ立てた。
これを契機に利根川導水事業が促進され、翌1965年には利根川と荒川を結ぶ武蔵水路が完成した。
なお、2020年東京オリンピックを(当初の計画では)翌年に控えた2019年も、異常気象が続く年であったために水不足が懸念され、本年の渇水を踏まえて「東京砂漠」と称した例がある。
昭和39年に登場した「東京砂漠」という用語であるが、当時問題になっていた公害や交通戦争、都市部の人間関係の希薄化などをも象徴する言葉として適していた。
この語がはじめに使われてから12年が経過した1976年、内山田洋とクール・ファイブにより発表されたのが本楽曲である。
優しさや温かさを失った都会の人間関係、という現在にも通じるテーマを扱い、厳しい環境の中でも、「あなた」がいるというだけで生きていけるという愛の尊さを謳っている。
一方、Aメロの歌詞は、東京の大気汚染や水質汚染を示唆しており、公害対策基本法施行後ではあるが東京には「煤けた空」「よどんだ水」というイメージが依然あったことが伺える。
1964年から1976年まで「東京砂漠」の語がどれだけ本楽曲の謳うイメージを持っていたかは不明だが、本楽曲の発表以降、「東京砂漠」という用語は本曲のイメージで人口に膾炙している。
『東京砂漠』がダイア建設のCMでBGMに採用されたときは、「高層ビルの中、マンションの屋上で成人男性がスポーツに興じる」という明るい映像とともに使われている。採用された部分もサビのみであるため、そこだけ聞くと前向きなイメージを与える。
最初のCMは本楽曲発表から2年後の1978年であるが、「東京の空は煤け汚れている」という内容のAメロがあるにも関わらず、青空の映像とともに上記のキャッチコピーをかぶせて「都会の中で前向きに生きていこう! 東京砂漠なんかへっちゃらだい!」というメッセージにしてしまうのはさすが安定成長期の不動産会社といったところ。
もっとも有名なのは1988年版で、夜景の高層ビルの中、蝶ネクタイの成人男性がバスケットボールに興じるもの。バブル絶頂期を象徴するCMとして人々の印象に残っており、このCMでしか『東京砂漠』を知らなければ、同曲前半部が持つよどんだ東京のイメージは消し飛んでしまうことだろう。
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最終更新:2023/03/31(金) 14:00
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