釧路湿原(くしろしつげん)とは、北海道東部の釧路市・釧路郡釧路町・川上郡標茶町・阿寒郡鶴居村にまたがる湿原である。
総面積約287km2を誇る、日本最大の湿原。それだけでなく、タンチョウやイトウ、キタサンショウウオなどの貴重な動植物の楽園にもなっている。
古くはその重要性が十分に理解されず、開拓困難で役に立たない土地と見なされていた。戦後になると農地開発の手が釧路湿原にも迫ってきたが、地元住民の保護活動のおかげもあって1980年に日本初のラムサール条約登録湿地に認定されている。1987年には周辺一帯が釧路湿原国立公園に指定された。
釧路川をはじめとした河川が湿原を蛇行しながら貫く風景が有名で、カヌー等による川下りのアクティビティも楽しめる。周辺には塘路湖・シラルトロ湖・達古武湖などの湖沼も見られる。
近年は釧路湿原周辺でメガソーラー建設計画が進んでおり、生態系への影響が懸念されている。
元々この周辺は何の変哲もない台地であった。
約10000年前~約6000年前になると、地球の気温の上昇に伴い縄文海進が起こり、この周辺は海に沈んで古釧路湾が形成された。
約6000年前~約4000年前、今度は地球の気温が低下したことで縄文海退が起こり、海水面が低下。さらにこの周辺を流れる川が上流から運んできた砂により砂嘴が形成され、やがて古釧路湾は海から切り離され、大部分が再び陸地化した。塘路湖・シラルトロ湖・達古武湖などは、このときに残された水部に由来する海跡湖である。
この周辺は高低差が少なく、蛇行している河川が多く存在することから、枯れた植物が堆積して泥炭層と化し、水はけの悪い湿地となった。こうして、日本最大の釧路湿原が誕生した。
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最終更新:2025/12/11(木) 14:00
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