関西みらいフィナンシャルグループとは (カンサイミライフィナンシャルグループとは) [単語記事]

関西みらいフィナンシャルグループとは、大阪府大阪市中央区備後町2-2-1（りそなホールディングスと同じ場所）に本部を構える金融機関のグループ、およびそれを取りまとめる金融中間持株会社である。

概要

りそなグループ・三井住友銀行グループ両方に二股をかけている。ただし株式保有率はりそなグループが約51％、三井住友銀行グループが約22％とダブルスコア以上の差があるので表向きにはりそなグループ子会社とされている。

2017年 3月、三井住友銀行グループとりそなグループにより、関西圏にある2者傘下の地方銀行の経営統合が発表された。
このプロジェクトで、関西アーバン銀行・近畿大阪銀行・みなと銀行の3銀行が経営統合する運びとなった。

同年9月に最終合意が行われ、同年11月に「関西みらいフィナンシャルグループ」として再出発した。

メンバー紹介

関西みらい銀行

本社所在地:大阪府大阪市中央区備後町2-2-1（りそな銀行大阪営業部と同一）

本店所在地（堺筋営業部）:本社所在地と同じ（堺筋本町支店も同じ。旧所在地：大阪府大阪市中央区本町2-1-6）

2019年 4月に関西アーバン銀行と近畿大阪銀行の2銀行が合併し発足。金融機関コードは近畿大阪銀行（かつての大阪銀行）を受け継いでいる。
関西アーバン銀行は三井住友銀行グループ傘下、近畿大阪銀行はりそなグループ傘下だった。それが関西みらいフィナンシャルグループがりそな・三井住友両者に二股をかけている要因である。

テリトリーは大阪府内が最も濃く、次いで滋賀県内が2番目に濃い。一応京都府・兵庫県・奈良県・和歌山県・愛知県・東京都内にも支店はある。近年は旧関西アーバン・旧近畿大阪の2店舗同士を中心に共同店舗化が進められている。

旧:関西アーバン銀行

関西アーバン銀行は2004年、「関西銀行」と「関西さわやか銀行」が合併し誕生。その後2010年に「びわこ銀行」を吸収した。
そのため、大阪府内・滋賀県内をテリトリーとする地方銀行である。その一方で関西圏では起源となった組織の本拠地であった京都府内や和歌山県内の支店数は少ない傾向にある。
関西以外出身の都道県民からしたら、「アーバンって、変な名前」と思う人が一部いるが、一応関西を代表する地方銀行の1つだった。マスコットキャラクターは「カンサイ」「アーバン」「ギンコ」という3人でサイがモチーフ。

関西銀行の起源は1922年に京都府相楽郡木津町(現在の木津川市)で発足した金融業者の「山城無尽」である。
1951年に関西相互銀行に商号変更し、1957年にテリトリーを大阪市内に移した。本店営業部（現在の心斎橋営業部）は中央区西心斎橋に存在。

関西さわやか銀行の起源は1926年に和歌山県和歌山市で発足した金融業者の「幸福無尽」である。
1951年に幸福相互銀行に商号変更すると同時期にテリトリーを大阪府大阪市西区土佐堀1-2-37に移した。1989年に普通銀行に転換し「幸福銀行」となった。
しかし1999年に経営破綻。その後、アメリカ人投資家の「ウィルバー・ルイス・ロス・ジュニア」氏が発足したファンドにより再建が行われ、2001年に受け皿会社の関西さわやか銀行が発足。幸福銀行は解散した。

びわこ銀行の起源は1942年に滋賀県近江八幡市で発足した金融業者の「滋賀無尽」である。
1951年に滋賀相互銀行に商号変更。1968年に本拠地（現在のびわこ営業部）を大津市内に移した。1989年に普通銀行に転換しびわこ銀行となった。

旧:近畿大阪銀行

近畿大阪銀行は2000年に「大阪銀行」と「近畿銀行」が合併し誕生。大阪銀行は旧:住友銀行(現:三井住友銀行)グループ、近畿銀行は旧:大和銀行(現:りそな銀行)グループ傘下の銀行であった。その後2001年に「なみはや銀行」を吸収した。金融機関コードは大阪銀行を受け継いでいる。ロゴは旧:大和銀行のものを継続して使用していたが、2011年 4月にりそなグループと同一のロゴに変更。このためマスコットキャラも「りそにゃ」へと変わった。

大阪銀行の起源は1950年に大阪府大阪市西区江戸堀下通1-53で発足した「大阪不動銀行」である。1957年に大阪銀行に商号変更すると同時期に本拠地を大阪府大阪市北区曽根崎上4-48→後に西区京町堀1-6-5（後の本町営業部）に移した。

近畿銀行の起源は1942年に発足した金融業者の「近畿無尽」である。近畿無尽は旧:大蔵省(現:財務省)の勧告で大阪中央無尽・大阪不動無尽・関西商工無尽・交野無尽金融・金剛無尽の5業者が合併したことにより誕生した。その後1943年～1944年にかけて、国華無尽・高田無尽・日本殖産無尽・日本共立無尽・三笠無尽を次々に吸収し経営を拡大。
1951年に近畿相互銀行に商号変更。1973年に国民信用組合と合併。1989年に普通銀行に転換し近畿銀行となった。1991年に大阪復興信用組合と合併。

なみはや銀行は1998年に誕生。「なにわ銀行」と「福徳銀行」の2銀行が合併して出来た。
なにわ銀行は1929年に大阪府堺市で発足した金融業者の「堺産業無尽」がその起源。1951年に大阪相互銀行に商号変更、1989年に普通銀行に転換しなにわ銀行となった。
福徳銀行は1949年に大阪府大阪市で発足した金融業者の「福徳殖産」がその起源。1951年に福徳相互銀行に商号変更、1989年に普通銀行に転換し福徳銀行となった。
しかし、この2銀行は両者ともにガバガバな経営で実は債務超過に陥っていた。それにより、1999年経営破綻。わずか1年という超短命の銀行だった。その後なみはや銀行は旧:大和銀行(現:りそな銀行)と近畿大阪銀行が受け皿となり譲渡された。

みなと銀行

本店所在地:兵庫県神戸市中央区三宮町2-1-1

1999年、「阪神銀行」と「みどり銀行」が合併し誕生。
兵庫県内をメインテリトリーとする地方銀行の中では最大規模である。
1990年代後半に旧:さくら銀行(現:三井住友銀行)により支援が行われたことで事実上のさくら銀行(現:三井住友銀行)グループに属することになった。
先述のとおり、関西みらいフィナンシャルグループの一員とはなったが、関西アーバン銀行・近畿大阪銀行とのブランド合併には加わらず、今のところはみなと銀行のブランドは残る模様。今後ブランド統合するという話も今のところは出てきていない。

阪神銀行の起源は1949年に兵庫県神戸市で発足した金融業者の「七福相互無尽」である。1951年に七福相互銀行に商号変更、1966年に阪神相互銀行に商号変更、1989年に普通銀行に転換し阪神銀行となった。

みどり銀行の起源は1912年に兵庫県三木市で発足した金融業者の「三木勧業」である、その後三木無尽となる。その後山陽金融無尽と合併し山陽無尽となる。
1944年の戦時統制で神戸大同無尽・山陽無尽・東亜無尽の3業者が国策で強制的に合併させられ、「兵庫無尽」となる。1951年に兵庫相互銀行に商号変更、1971年に香川県高松市にあった「高松相互銀行」を吸収。1989年に普通銀行に転換し兵庫銀行となった。
しかし、1990年のバブル経済崩壊に加え、1995年に発生した阪神・淡路大震災が致命傷となり経営破綻。これは戦後で初めての銀行の経営破綻として大きく報じられた。
その後受け皿銀行として「みなと銀行」が設立されるも、1999年に阪神銀行と合併し現在のみなと銀行となった。

2022年 3月から新規発行・更新される通帳の一部で、デザインがりそな・埼玉りそな・関西みらいと同じものに一新されることとなった。ただし、他のりそなグループの銀行との区別のため、通帳表紙の右下に「りそにゃ」の顔が付いているのが目印となる。

グループのATMネットワークに関して

りそなグループ傘下の3銀行(りそな・埼玉りそな・関西みらい)は、ATMの利用手数料は3銀行共通・自行扱いとなる。

関西みらい銀行は2019年 4月の合併時はシステム統合をしなかっため、約半年の間は旧:関西アーバン銀行のシステムと旧:近畿大阪銀行のシステムが混在する形となっており、旧銀行名のマークを用いた区別で一時的な対処をしていた。2019年 10月15日にシステムの完全統合が完了し、全店が旧:近畿大阪銀行が用いていた方式のシステムに切り替わり、ATMの利用可能時間帯や手数料も統一された。