心斎橋とは (シンサイバシとは) [単語記事]

心斎橋とは、大阪の繁華街エリア・ミナミを形成する繁華街である。

概要

語源は、長堀川に掛かっていた橋から。現在は川も橋も存在していない。
御堂筋を中心として、南北は道頓堀から中央大通にかけて、東西はなにわ筋から堺筋にかけての一帯を指す。

日本有数の繁華街であり、大阪市内でも最も賑わっているエリアの1つといってよい。
現在では、さらに南の難波に人が流れている。
かつては「東の銀座、西の心斎橋」と称されたように、現在でも高級ブランド店やデパートが数多く連なる。

御堂筋・長堀通沿い

大丸心斎橋本店を中心に高級デパートが連なるメインストリート。
長堀通沿いには東急ハンズなど、東京資本の店舗も進出し、ますますの激戦区となっている。アップルストアなどもここにある。
特にこの2つの通りの交わる新橋交差点は、エトワール心斎橋や心斎橋パルコなどのファッションビルが軒を連ねており、人気ブランドの商品が一気に揃う。また、世界的な有名ブランドは自前で御堂筋沿いにショップを構えていることも多い。

ニコニコ大会議2009-2010 近畿やニコニコ大会議2010-2011全国ツアー近畿が行われた『クラブクアトロ』は、このパルコの中にある。

かつては、関西百貨店界の雄、そごうと大丸が並んで本店を構えており、大阪でも屈指の人気ショッピングエリアだった。映画『ゴジラの逆襲』などでは、劇中に登場しないにも関わらず、ゴジラとアンギラスが心斎橋で戦うスチール写真が作成されている。それほどかつての大阪を象徴するエリアだった。
が、そごうが西武に買い取られた後、かつてのそごう本店は大丸心斎橋店北館を経て、2020年に心斎橋パルコに変わっている（2011年まで心斎橋パルコはエトワール心斎橋の東にあったので結果として復活である）。

心斎橋筋商店街

御堂筋の東側を通る心斎橋筋は、心斎橋の辺りがそのまま巨大なアーケード街となっている。

恐らく心斎橋でも最も人が詰め込まれているエリア。
明治期に発展してから現在に至るまで賑わい続けており、「関西の商店はここに店を構えられれば一流」と昔から言われているほど。

大型デパートは無いものの、数多くのファッション店がしのぎを削る密集地帯。有名ブランド店から気鋭のセレクトショップまで、多種多様な店が並び、その入れ替わりも激しい。
新橋交差点に面した地点では、ユニクロ、H&M、ZARAがそれぞれ旗艦店を構えてしのぎを削っており、ファストファッションブランドにとっても激戦区となっている。
ターゲットが幅広いこともあって、後述のアメリカ村と比べて客の年齢は高め。

ゲームセンターも商店街内の所々に入居していたが、現在はほぼ全店が閉店・撤退している。中にはmaimaiパフォーマーの聖地として知られていた心斎橋GIGOなど全国的に有名な店舗もあった。2019年には最後の砦であったラウンドワン北心斎橋店も閉店し、商店街からはゲームセンターが姿を消してしまった。跡地はドラッグストアやパチンコ店などになっている。

ちなみにストリートパフォーマー・ミュージシャンにとっても人気スポットで、深夜になってすべての店がシャッターを下ろした後は、パフォーマー達がこぞって集まってきて、弾き語りや手品やパントマイムやよくわからないパフォーマンスやらを繰り広げている。
かつては20時頃から集まっていたのだが、うるさいという苦情が集まりすぎて深夜にやらざるを得なくなったとかいろいろ言われている。

アメリカ村

通称・アメ村。若者の街。
大阪の原宿、あるいは竹下通りとも言うべき場所で、終日若者で溢れている。
後述の東心斎橋と比べて通行人の年齢が明らかに若く、客の住み分けがくっきりと為されている。

名物はたこ焼き。原宿名物がクレープなら、アメ村名物はたこ焼き。
なんといっても「甲賀流」が有名だが、ほかにもいろいろ美味しい店が集まっている。

1990年代初頭より若者向けのファッション店が増え始め、現在では延べ約2,500の店舗が集まる。
が、決して治安は良くなく、一時期は街角に落書きが溢れ、さらにはドラッグ取引やその他の犯罪の温床として問題化した。特に多くの店舗が閉まる20時以降は危険度が高く、一人で歩くことを危険視される程。
2006年には、歌舞伎町のようにカメラが街頭の至る所に取り付けられ、監視体制が敷かれた。これにより、落書きを含む犯罪の数はかなり減少し、治安が良くなってきたといわれる。

客層の低年齢化が進み続けた末に、中高生向けの街という様相を呈するようになり、これより上の年齢の若年層はなにわ筋の向こうの堀江や、長堀通の北側の南船場に広がっていった。
現在では“若者の街”と言えるエリアはこの一帯に広がってしまい、アメリカ村の賑わいは全盛期に比べて小さくなっている。更にキタの梅田茶屋町にも若者の街という看板を持っていかれている。しかしアメ村というブランドは根強く残っており、ここに店舗を構え続けるものも少なくない。

西心斎橋（アメ村以南）

心斎橋筋の西側と言えばアメリカ村が有名だが、その南端から道頓堀川にかけての辺りは、恋人向けのホテルと普通のホテルとカプセルホテル、そして風俗店が立ち並ぶ強烈なエリアとなっている。道頓堀の派手なネオン看板はここの御堂筋側に建っている。

昼間は非常に静かで、大通り沿いに比べれば人通りはないも同然だが、夜ともなると、難波あたりのバーやクラブで盛り上がった恋人やら夫婦やらと、風俗店の客と、カプセルホテルに宿をとっている外国人観光客とが一挙に行きかうようになり、まさに一変する。

東心斎橋

心斎橋筋の東側。バブル景気の頃には西側のアメリカ村に対してヨーロッパ村なる愛称も付けられていたが
現在は自然消滅し、東心斎橋または鰻谷エリアと呼ばれている。全体的に道幅が狭く、車での移動は非常に困難。特に夜になると酔った人が道を歩くことが多いため、特に用事でもない限りはここに車両で乗り込むことはお勧めしない。

飲み屋の激戦区。当然ぼったくり店のうさんくらい客引きも多く、アメリカ村一帯と比べてまた違った危なさを持つ。特に道頓堀エリアに客引き禁止条例が制定されてから一時期はより顕著であった。
他のエリアと比べて人通りは少ないものの、酒を飲めるようになった大人にとってはむしろ関西一の繁華街である。
いわゆるバーやスナックと言った小さめの個人経営の店が多い。