DVD(Digital Versatile Disc)とは、デジタルデータの記憶媒体の一種である。
DVD規格は1996年に策定された。ディスク形状はCDと同じく直径12cmの円盤で、容量は片面1層で4.7GB,片面2層で8.5GB,両面1層で9.4GB。
DVDは赤色レーザー光を利用して記録・再生を行うため、DVDの再生機器はCDも再生することができる。
一般的にDVDといえばDVD-Video規格のことを指すことが多い。
高密度化と2層構造により、片面2層で8.5GBもの容量を確保できるため、これまで容量的に厳しかった映画なども1本丸々収まることから爆発的に普及した。
開発当初はかつてのVHSとベータのような陣営が発生し、規格競争の発生が危惧されたが、IBMの仲介もあってDVD規格として統一された(しかし、後述のように規格自体はDVDで統一されたものの、DVD内での派生規格が増えすぎて混乱の元にもなった)。
DVDの後継である次世代光ディスク規格は2008年にBlu-ray Discに確定したものの、DVDは未だ身近な存在としてその地位を保ち続けている。理由としてはBlu-ray Discの録再機器やメディア単価が未だに高い上、再生互換の関係からレンタルやPCソフトウェアの提供にDVDを使用し続けていることが大きいと思われる。
先述の通り、容量は片面一層で4.7GB、片面二層で8.5GBある。片面一層分で標準的な長さの映画1本分(133分)を平均4Mbps前後の画質(従来のVHS標準モードと同等で、通常のテレビ画面でストレス無く視聴できる程度の画質)で丁度ぴったり収録できる容量のものとして開発された。
市販のDVDレコーダーは録画時間をよりきめ細かに設定ができるようになっているが、DVD1枚あたりの録画時間を多く取ると当然その分画質は落ちる。
一応の目安として、XPモード(高画質、1枚約1時間)がS-VHSの標準モード、SPモード(標準画質、同2時間)がVHSの標準モードもしくはS-VHSの3倍モード、LPモード(長時間、同4時間)がVHSの3倍モード、EPモード(超長時間、6~8時間)がVHSの5倍モード以下に相当する画質と言われている。
両者間におけるノイズの性質が全く異なる(DVDはデジタル記録のため、主にブロックノイズの発生や動きがギクシャクするといった形で画像が劣化する)ため一概に比較することはできないが、VHSビデオからDVDへダビングする際にマスターテープがどの録画モードで録画されていたかに合わせてDVD側の録画モードを決めるための一応の目安として考えることはできる。
テレビ番組等を録画するにしても視聴に耐えうるのはせいぜいLPモードまで(画質を重視したいのであればSPモード以上推奨)で、EPモードは放送内容の確認や飛ばし見チェック用と割り切った方が良い。この他に、DVD1枚分にピッタリ収まるようビットレートを調節するFRモードを搭載しているレコーダーもあり、2時間半~3時間くらいの映画や特番を録画するのに重宝する。
市販のDVDソフトの画質については、アニメは大半がXPモード相当で1枚あたりの時間が短いものが主流であるのに対し、実写作品はSPモード相当の画質で長時間記録されたものが販売されることが多い。長いものでは片面ニ層のディスクを使用して、特典映像つきで1枚3時間半超~4時間近く記録されたDVDソフトが販売されることもある。
DVDは記録用メディアの種類が他の光ディスクに比べて多く、DVDフォーラムの規格外であるDVD+RW/+Rを含めると大まかな系統だけで5種類存在する。
なお、個別詳細に記載されている、追記型・書換型の違いについては以下の通り。
追記型。現在でも、記録用DVDメディアの中ではもっとも安価で入手できる。
容量は片面4.7GB/両面9.4GBで、2層タイプのDLは片面8.5GB。
2層タイプの容量が1層タイプの容量の倍(9.4GB)より少ない理由は技術的な問題によるもので、後継のBDでは解消されている。
記録材料には有機色素を使用しており、これに強いレーザー光を照射し熱変化を発生させることで記録している。この変化は不可逆であるため、一度書き込んだ内容は消去できない。
書換型。容量はDVD-Rと同じく、片面で4.7GB。
8.5GBの2層タイプが発売予定であったが、結局発売されることはなかった。
記録面に強いレーザー光を照射する点はDVD-Rと同じだが、DVD-RWは記録材料にアモルファス金属材料を使用している。この記録材料を結晶化させることで記録を行い、逆に非結晶化させることで消去を行っている。
書換型。松下電器(現パナソニック)が中心となってPD(Phase-Change Dual)の規格を基に開発された。
容量はVer1.0規格では片面2.6GB/両面5.2GBで、他のDVDメディアより容量が少なかった。
後に、Ver2.0規格が制定され、片面4.7GB/両面9.4GBと他のメディアと同等の容量になった。
また、当初は記録面の耐久性の問題から、カートリッジ入りのメディアのみの展開であったが、後にカートリッジ無しのタイプが登場。カートリッジ入りのものについても、利用者がディスクを取り出せるタイプに変化した。
また、DVD-RAMは記録面が特徴的な模様になっており、まばらに分布している短い線はランダムアクセスの高速化を図るためのもので、2.6GBメディアと4.7GBメディアではその数や大きさが異なっている。
他の記録型DVDメディアと比較しても異色の規格であり、ドライブも対応しているものでなければ記録はもちろん、再生もできない。
追記型。後述のDVD+RWを含め、DVDフォーラムの規格外の規格である。そのため、これらのディスクにはDVDロゴが付与されていない。
容量はDVD-Rと同じく片面4.7GBで、2層タイプのDLは片面8.5GB。
DVD-Rと比べて、ファイルシステムの構造がDVD-ROMに近く、さらにROM化と呼ばれる処理を行うと、メディアIDをROMに変更することができるため、DVD-ROMとの互換性が高い。
2層タイプの名称は-R,+RともにDLだが、-RはDual Layerの略であることに対し、+RはDouble Layerの略である。
しかし、国内では著作権保護技術であるCPRMに対応していない等の理由からあまり普及していない。
書換型。DVD-RAMの対抗規格として登場した。DVD+R同様、DVDフォーラムの規格外。
容量はDVD+Rと同じく片面4.7GB。また、DVD-RWと同様に2層タイプは計画こそされたものの、対応ドライブもディスクも発売されていない。
DVD-ROMとの互換性は位置情報の記録方式やROM化が可能である点から、DVD-RWと比べて高い。
もともと+R/+RWの規格はDVD-RAMの対抗ということもあり、DVD+Rよりも先に+RWが策定された。
このように、記録型のDVDは規格の乱立でドライブの対応メディアが利用者から分かりにくいという問題点がある。
最近はスーパーマルチ・ハイパーマルチドライブの登場で気にせず使用できるようになったものの、古いドライブを使用する場合は特に注意が必要。
DVD-Rには「録画用」とパソコンなどでバックアップができる「データ用」が存在し、一般的にデータ用の方が販売価格が僅かに安価となっている。前者はDVDレコーダーで映像を保存するためのものであり(DVDレコーダーで録画したい場合は録画用と書かれたものが必要)、両者の違いは要するに「CPRMに対応しているか否か」である(即ちアナログ放送であれば「データ用」と記されているDVDでもテレビ番組の記録が可能であった)。
デジタル放送が始まるまでは録画用のメディアに私的録画補償金が発生していたが、デジタル放送関連でのごたごたがあり、2015年4月に私的録画補償金管理協会が解散したため、現在では上記の通り、違いはCPRM対応か否かのみである。
概要にも書かれている通り、DVDは当初、規格争いが起こる可能性があった。
ソニー・フィリップス陣営のMMCD(MultiMedia Compact Disc)と、東芝・松下(現パナソニック)・日立・日本ビクター(現JVCケンウッド)などの7社が参画したSD(Super Dencity Disc)で対立が起こっていたためである。
結果的に対立は収束したが、この時のSuper Dencity Discの略称であるSD、現在でもデジタルカメラをはじめとして広く使われているあのメモリーカードの名前と同じである。
略称は異なるため直接的なつながりはないが、SDカードのロゴはもともとSuper Dencity Discのロゴとして制作されていたため、SDカード自体は半導体メモリであるにもかかわらずロゴは光ディスクを模したものになっている。
DVDタグが付いた動画は多いが、DVDそのものを扱った動画は少ない。
掲示板
88 ななしのよっしん
2023/10/17(火) 19:17:59 ID: hDbCGt8tPA
D・V・D! D・V・D!
89 ななしのよっしん
2024/01/31(水) 21:46:54 ID: jK+Nh/EQV0
後半で映像が止まったり飛んだりするDVDもレアな物は勿体ないから捨てずに取って置いてる
10年20年先の未来ではそういったDVDを完璧に修復する技術が生まれてたりするのかな
90 ななしのよっしん
2024/03/08(金) 09:27:28 ID: eCyZ9c4pgD
稀覯本じゃないんだから、モノとしてのDVDに骨董的価値なんか出ないよ
何とか読み込めるうちに取り込んでさっさとisoファイル化しとけ
急上昇ワード改
最終更新:2024/10/04(金) 14:00
最終更新:2024/10/04(金) 14:00
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