日本中央競馬会 単語


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JRA

日本中央競馬会(Japan Racing Association)とは、中央競馬の主催であり、農林水産大臣監督下の特殊法人である。略称はJRA

概要

法人概要
名称 日本中央競馬会
所在地 東京都港区西新橋1丁目1番19号
設立 昭和29(1954)年9月16日
資本金 49億2412万9000円
(全額政府出資)

競馬の開催とそれに伴う諸々の手続きや公正の確保、競走馬の研究や改良、伝統馬事の振興が主な役割である。 

競馬法と日本中央競馬会法によって定められており、設立の趣旨は「競馬の健全な発展を図って馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与するため」(日本中央競馬会法 第一条)である。また、法律には記載されていないが国民へのレジャーの提供も社会的役割のひとつであると言える。 

10カ所の競馬場、馬券発売場であるウインズ、調教を行うトレーニングセンター、日高と宮崎の生産牧場など全国の多くの場所に施設を保有している。 

「競馬」の記事も併せてご参照ください。

競馬の売上

勝馬投票券の売上は平成9年(1997年)の年間4兆円を頂点に減少傾向で、平成22年(2010年)は2.4兆円にまで下がった。それに伴い、国庫への納付金(発売額の10%)も減少している。ただし、電話投票(インターネット投票を含む)の普及によりWIN5導入以降売上は横ばいで推移している。

JRAでは競馬場に脚を運んでもらうために、有名人のトークショー・フードフェス・ヒーローショー・来場者プレゼントなど様々なイベントを開催しているが、来場人数の減少を完全に食い止めるまでは至っていない。

競馬場

全国10か所の競馬場で競走を開催している。

  • 札幌競馬場(北海道札幌市)
  • 函館競馬場(北海道函館市)
  • 福島競馬場(福島県福島市)
  • 新潟競馬場(新潟県新潟市)
  • 東京競馬場(東京都府中市)
  • 中山競馬場(千葉県船橋市)
  • 中京競馬場(愛知県豊明市)
  • 京都競馬場(京都府京都市)
  • 阪神競馬場(兵庫県宝塚市)
  • 小倉競馬場(福岡県北九州市)

入場料は、以下の通り

  • 中山競馬場・東京競馬場・中京競馬場・京都競馬場・阪神競馬場は200円
  • 札幌競馬場・函館競馬場・福島競馬場・新潟競馬場・小倉競馬場は100円
  • なお2023年現在、GIデー当日の開催競馬場500円、更に日本ダービー当日の東京競馬場ならびに有馬記念当日の中山競馬場1000円となっている。
  • 回数券は8枚綴で1000円。現在は販売休止中。
  • 桜花賞・優駿牝馬・エリザベス女王杯を開催する競馬場で、所定の入場券を購入した女性は100円
  • 指定席を利用する場合、指定席料金が別途必要

競走体系

競走は、以下のような体系で構成される。

平地競走

馬齢 区分 春季(1月から5月) 夏季(6月から9月1週) 秋季(9月2週から12月)
2歳 新馬 ×
未勝利 ×
1勝クラス × ×
オープン × 7月3週から
3歳 新馬 2月3週まで × ×
未勝利 ×
1勝クラス × ×
オープン 一部のみ[注1] 一部のみ[注2]
3(4)歳以上 1勝クラス 4歳以上 3歳以上 3歳以上
2勝クラス
3勝クラス
オープン
  1. 夏季競馬の3歳限定競走はユニコーンステークス・ラジオNIKKEI賞・レパードステークス
  2. 秋季競馬の3歳限定競走は秋華賞・菊花賞とそのトライアル競走(秋華賞→紫苑ステークス・関西テレビ放送賞ローズステークス、菊花賞→朝日杯セントライト記念・神戸新聞杯)

2歳の競走馬は、出生の日から2年経過しない限り、出走できない(6月以降の生まれの場合に引っかかることがある)。

3歳の2月3週までに新馬戦に出られなかった競走馬は、未勝利戦に出るのが基本になる。また、9月1週までに未勝利戦を抜けることができなかった競走馬は、1勝クラスへの格上挑戦をせざるを得なくなるため、通常は地方競馬への移籍(なお、その場合、地方競馬で勝利を重ねて中央競馬へ戻ってくるような馬もいる)か引退を余儀なくされる(もちろん、格上挑戦をし続けて4歳になって初勝利を得る馬もいたりするが)。なお、○勝クラスとなっているが、実際には勝利数ではなく収得賞金に基づいて計算されるが、収得賞金の半減は、2018年を最後に廃止されたため、格上挑戦して勝利したり、重賞に2着に入ったのでない限り、事実上勝利数と連動する(この手の例外があると勝利数と連動しなくなることがある。例えばヨカヨカの場合、挑めるグレード通りに挑戦しており、2021年5月末時点で合計3勝していたが、新馬(収得賞金400万)・2歳オープン特別(600万)・2歳九州産限定オープン(500万)に加え、フィリーズレビュー2着(1050万)と葵ステークス2着(750万)で、合計収得賞金3300万となり、3歳6月以降もオープン馬。なおその後北九州記念を勝利(1950万)しており、無事に4勝目を挙げるとともに収得賞金を5250万とした。もっと極端な例だと、クラスペディアは小倉2歳ステークス(GIII)で2着に入ったことで収得賞金600万円を加算しており、0勝なのに2(3)歳オープン、このまま加算なしでも2勝クラス編入という、一見すると不思議なことが起きている)。なお、地方競馬から中央競馬へ移籍した場合や、海外遠征をした場合は勝数とうまく連動しないため、少し複雑になる。

地方競馬から中央競馬へ復帰するには、以下の条件を満たす必要がある(現実的には、現在ではほぼ6か7しかないと考えて良い)。

  1. 1994年12月31日以前に地方競馬へ移籍した競走馬の場合は、制限なし
  2. 1995年1月1日から2005年12月31日までに地方競馬へ移籍した競走馬の場合は、2002年12月31日までに5回出走、もしくは2003年1月1日以降に1勝
  3. 2006年1月1日から2009年12月31日までに地方競馬へ移籍した競走馬の場合は、5回以上出走し1勝するか、2勝
  4. 2010年1月1日から2012年12月31日までに地方競馬へ移籍した競走馬の場合は、2勝
  5. 2015年9月11日以前に生まれ、2013年1月1日以降に地方競馬へ移籍した競走馬の場合は、2・3歳時の再登録で2勝、もしくは4歳以上で3勝
  6. 2015年9月12日以降に生まれた競走馬の場合は、3歳までに2勝(申請期限は4歳1月31日まで)、もしくは3勝
  7. 1から6にかかわらず、インターナショナル・カタロギング・スタンダーズが定めるパート1国のG1・G2・G3競走で1着になった場合は、復帰可能

復帰後、重賞に勝利した事例もある。2021年7月4日にCBC賞(GIII)を制したファストフォースは、2019年6月に3歳未勝利でデビューしたが、6戦に出て2着が最高で夏季競馬の終わりを迎えてしまう。前述したとおり、この期限を過ぎた馬は、中央競馬で走ることが難しくなるため、門別競馬場で4走して3勝をあげ、中央競馬復帰条件を満たし、中央競馬へ復帰した。その後、2020年に1勝クラス・2勝クラスに勝利したが、9・10月の3勝クラス2戦に惨敗後、このCBC賞まで走らず、このCBC賞で勝利をあげた(当然、これによりオープン馬に昇格)[1]

中央競馬で走ったことがない競走馬が地方競馬から中央競馬へ移籍するためには、以下の条件のいずれかを満たす必要がある。

  1. 未出走かつ3歳6月30日以前
  2. 2歳時点での収得賞金(計算規則は下の記述の通り)が150万円を超える(申請期限は3歳1月31日まで)
  3. 3歳時点での収得賞金が300万円を超える(申請期限は4歳1月31日まで)
  4. 収得賞金が500万円を超える
  5. (特指)指定された競走で1着になる(申請期限は3歳12月31日まで)

地方競馬でデビューしてから中央競馬へ移籍した代表事例はオグリキャップがいるが、さすがに昔すぎて現行の規定を参照するのは無理がある。

中央競馬以外の競馬において、収得賞金に加算するのは、

  1. 1着
  2. 地方・外国重賞の2着
  3. 地方競馬で2着賞金が100万円以上の2着
  4. 中央競馬に再登録以外で登録、もしくは地方競馬に登録する以前に走った外国競馬で2着賞金が100万円以上の2着

で、本賞金に対する加算金額は以下の通り。

  1. 1着の場合
    1. 1200万円以上→半額
    2. 400万円以上1200万円未満→400万円
    3. 10万円以上400万円未満→全額
    4. 10万円未満→10万円
  2. 2着の場合(上記2から4の場合に限る)
    1. 480万円以上→半額
    2. 160万円以上480万円未満→160万円
    3. 160万円未満→全額

地方重賞以外の地方交流競走の場合、算入額は中央競馬に準ずる(オープンの場合は1000万円)。

以上の額については、2018年12月31日以前に行われた競走については異なるので注意。

例として、ヒューミリティの場合は、このようになる(2020年12月、中央再編入時のもの)。

  1. 船橋競馬場への移籍前の収得金額 0円
  2. 船橋競馬場での収得金額 140万円+160万円+120万円=420万円

このため、収得金額420万円の競走馬扱いとなり、1勝クラスとみなされる。

また、2021年6月20日にレース中の疾病により死亡したピンクカメハメハ(スイープトウショウの半弟)の場合、日本では新馬戦のみ勝利だが、2021年2月20日のサウジダービー(1着賞金90万ドルのオープン競走)で勝利したことで、収得賞金は5030万円の扱いになっていた。

これらJRA所属でJRA外の競走に出走した競走馬の場合、JRAの検索で収得賞金のほうが総賞金よりも多くなることがある(通常は後者のほうが大きくなる。というのも、基本的に1着賞金より収得賞金のほうが小さく、賞金は2着から5着でも出るが、収得賞金には重賞2着以外は2着以下では加算がないため)。地方からの移籍(復帰も含む)の場合、netkeiba.comなどのサイトである程度わかるが、海外競馬の場合、賞金額は実際にJRAからの発表を見るか、レースの公式サイトを調べるしかない。また、為替相場は日々変動するため、確定した収得賞金はJRAの公式サイトを確認せよ。

外国でのみ走ったことがある日本産の競走馬(及び外国産で地方競馬に登録された競走馬で外国のみで走ったことがあるもの)が日本の中央競馬へ移籍するためには、以下の条件のいずれかを満たす必要がある。

  1. 2歳時点で1勝(申請期限は3歳1月31日)
  2. 3歳時点で2勝(申請期限は4歳1月31日)
  3. 4歳時点で3勝(申請期限は5歳1月31日)
  4. 4勝

中央競馬所属の競走馬が地方交流競走に出走した場合も、中央競馬の収得賞金が加算される。例としてタイセイアンシェルの場合、中央で新馬戦4着・未勝利戦3着1回4着2回した後、掲示板に載れないレベルの負けを3回繰り返した後、地方交流競走である川崎競馬場のメイフラワー賞に出走。1着を獲得した(賞金250万円)。この場合、未勝利戦相当を勝利したものと扱われ、収得賞金が400万円加算。1勝クラスに昇格した。

2014年以前生まれの競走馬については、4歳の夏季競馬開始時に、収得賞金を半減させていた(降級制度)。2015年以降生まれの競走馬についてはその規則が廃止になっているが、それ以前の生まれの収得賞金半減は有効である。その基準日(基準日の前日以前の賞金を半減させる)は以下の通りである。

生まれた年 基準日
2014年 2018年6月2日
2013年 2017年6月3日
2012年 2016年6月4日
2011年 2015年6月6日
2010年 2014年6月7日
2009年 2013年6月1日
2008年 2012年6月2日
2007年 2011年6月18日
2006年 2010年6月19日
2005年 2009年6月20日
2004年 2008年6月21日
2003年 2007年6月16日
2002年以前 2006年6月17日

なぜ2002年以前生まれの競走馬が2006年と一律になっているかというと、2006年より前は、「3歳500万円以下・4歳以上1000万円以下」のように、半減ではなく、出走可能範囲のほうを変更していたためである。

収得賞金と、勝数クラスとの対応関係は、下表のとおり(2021年現在)。

区分 区分の収得賞金 獲得可能な収得賞金
未勝利 0円 400万円(新馬戦も同様)
1勝クラス 500万円以下 500万円
2勝クラス 501万円から1000万円 600万円
3勝クラス 1001万円から1600万円 900万円
オープン 1600万円超 2歳九州産馬限定 500万円
2歳オープン特別 600万円
2歳リステッド 800万円
3歳オープン特別 1000万円
3歳リステッド 1200万円
3(4)歳以上オープン特別 1200万円
3(4)歳以上リステッド 1400万円

重賞の場合は、以下のような収得賞金になる(重賞の場合、2着まで収得賞金に加算)。

  • 2歳GIII - 1着1600万円、2着600万円
  • それ以外 - 本賞金の半額

なお、収得賞金と本賞金は、2歳GII・GIおよび3歳以上重賞以外は連動しない点に注意せよ。本賞金は、2022年現在以下の通りである(単位:万円)。

区分 1着 2着 3着 4着 5着
新馬 2歳 700 280 180 110 70
3歳 600 240 150 90 60
未勝利 520 210 130 78 52
1勝クラス 一般 2歳・3歳 750 300 190 110 75
3歳以上・4歳以上 770 310 190 120 77
特別 2歳・3歳 1030 410 260 150 103
3歳以上・4歳以上 1070 430 270 160 107
2勝クラス 一般 1110 440 280 170 111
特別 1510 600 380 230 151
3勝クラス 一般 1780 710 450 270 178
特別 1840 740 460 280 184
オープン 一般 2歳 1150 460 290 170 115
3歳 1350 540 340 200 135
3(4)歳以上ダート 2000 800 500 300 200
3(4)歳以上芝 2100 840 530 320 210
特別 2歳九州産限定 1400 560 350 210 140
2歳 1600 640 400 240 160
3歳ダート 1800 720 450 270 180
3歳芝 1900 760 480 290 190
3(4)歳以上ダート 2200 880 550 330 220
3(4)歳以上芝1800m未満 2300 920 580 350 230
3(4)歳以上芝1800m以上 2400 960 600 360 240
リステッド 特別 2歳 1700 680 430 260 170
3歳ダート 1900 760 480 290 190
3歳芝 2000 800 500 300 200
3(4)歳以上ダート 2300 920 580 350 230
3(4)歳以上芝1800m未満 2500 1000 630 380 250
3(4)歳以上芝1800m以上 2600 1000 650 390 260

ただし、2022年現在、一般のオープン競走は行われておらず(最後に行われたのは1995年9月24日2回函館8日第8レースの3歳(現2歳)オープン(芝1800m)らしい)、3歳芝のオープン特別も開催がない(2019年までに該当するレースがすべてリステッドに昇格したため)。また、3勝クラスの一般競走も原則としてないが、2021年1月に6年ぶりに開催された(2021年1月16日1回中京5日第12レース(ダート1400m))。また、賞金規定では3歳2勝クラスが定義されているが、そもそも開催がないから省略した。なお、それらの開催がない区分の賞金についてはJRAが提供している馬主向けの賞金シミュレーターを用いて計算した。それ以外は馬主向けの賞金の仕組みから区分を確認の上、競馬番組を確認したうえで値を入れている。

なお、2017年以前は6歳以上で収得賞金が200万円以下の競走馬についても同様の制限が適用されていた(当時は収得賞金半減の規則があったので、4歳春までに1勝し、その後勝利できないまま6歳を迎えた馬が該当する)が、現在は未勝利・未出走馬のみに対して適用される。

また、未勝利・未出走馬については、重賞及び3歳以降の3勝クラス・オープンへの出走は原則不可である(結構例外が多いが、詳細は割愛。各開催の競馬番組を確認せよ)。

降級は、1987年以前は5歳(現在の4歳)の夏のほかに、6歳(同5歳)の夏にも行っていた。また、1984年より前は新馬・未勝利・400万以下・800万以下・1300万以下・1800万以下・オープンのように分かれていた。このようなことを行っていたのは、当時は馬資源が多くなく、高齢の競走馬を末長く走らせることを意図したものであった。競走馬が増えたことで、その必要が薄れたこともあり、階級も現在と同じ5階級に、降級も1回に減少した。

平地競走について、以下のような出走制限がある。

  • タイムオーバー 1着の馬から以下の時間を超えて入線した競走馬は、未勝利馬は1回目1か月・2回目2か月・3回目以降3か月、それ以外は1か月出走できない(やむを得ない場合を除く)
    • 芝は1400m以下3秒、1400m超2000m未満4秒、2000m以上5秒
    • ダートは+1秒、新馬戦は+1秒
  • 3アウト制 未勝利馬が3歳以降3回連続して8着に入れなかった場合、以下の例外を除き2か月出走できない。1度3アウトになって出走停止を受けた場合、アウトカウントはリセットされる
    • 未出走馬として出走した場合
    • 競走中止となった場合
    • やむを得ない場合
    • 上記3つの例外を除き2アウトになり、その後2か月中央・地方・海外いずれにも出走しなかった次の競走がJRAの平地競走で8着に入れなかった場合

たとえば、2021年7月3日3回小倉1日第4レース3歳未勝利(ダート1700m、タイムオーバー基準は5秒)で、サバイバルマインド(1分50秒7)が1位馬(ダノンバジリア 1分45秒5)から5秒2離されたことから、出走停止1か月を受けた。結果、中央競馬での現役続行を断念し、7月8日をもって中央競馬から登録を抹消された。その後、名古屋競馬へ移籍し、8月6日に初出走、初勝利をあげた。

一方、やむを得ない場合としてタイムオーバーの適用除外がされた例として、同日第3レース3歳未勝利(芝1800m、タイムオーバー基準は4秒)がある。1着馬エスコーラがレコードの1分43秒8を出したことから、テイクバイフォース(1分47秒9)、ラストアプローズ(1分48秒0)、メイショウクラーク(1分48秒4)が本来タイムオーバーによる出走制限を受けることになっていたのが、なかったことにされた。ただし、このうちメイショウクラークについては、中央競馬での現役続行を断念し、7月7日をもって中央競馬から登録を抹消された。その後、名古屋競馬へ移籍し、8月6日に初出走、上記のサバイバルマインドと同じレースで3着に入った(その後何戦かして大井競馬へ移籍)。また、ラストアプローズについてもその後2走して6着・10着だったこともあり、未勝利戦最終週が非抽選馬(所定の順位に従い出走馬を決めた結果、溢れてしまいレースに出られない馬のこと)になって出走できなくなったこと、1勝クラスへの格上挑戦では歯が立たないことが明らかなことから、9月4日に中央競馬から登録を抹消された。その後、笠松競馬へ移籍し、10月26日に初出走、4着に入った(その後笠松で3歳のうちに2勝した上でJRAへ復帰)。最後まで中央競馬に残ったテイクバイフォースについても、その後出走はなく、10月10日をもって中央競馬から登録を抹消された。netkeiba.comの掲示板によれば、滋賀県で乗馬になる予定とのことである。

3アウト制の適用例として、同日第2レース3歳未勝利(ダート1700m)のエルフバローズがいる。直前2レースの未勝利戦を10着、10着と負けたこの馬は、このレースでも15着と惨敗。同時にタイムオーバーにも引っかかったが3アウトのほうが期間が長いので、2か月の出走停止となった。結果、中央競馬での現役続行を断念し、7月7日をもって中央競馬から登録を抹消された。その後、浦和競馬へ移籍し、8月26日に初出走、9着となった。

どの場合でも、競走中の出来事等に記載される。

障害競走

こっちはシンプルである。まず現在は格付けが未勝利とオープンしかない(1998年以前は障害競走も未勝利・400万以下、オープンの3クラスが存在)。また、5月までは4歳以上、6月からは3歳以上である(3歳馬が出走可能になるのは出生の日から3年以上経過してから)。表にするとこんな感じである。

馬齢 区分 春季 夏季 秋季
3(4)歳以上 未勝利 4歳以上 3歳以上 3歳以上
オープン

当然、障害競走にも収得賞金の概念はあるが、重賞以外はこれだけである。

  • 未勝利 - 400万円
  • 一般競走 - 600万円
  • 特別競走 - 750万円

重賞は1着・2着の場合に加算され、本賞金の半額であるというのは平地競走と同様である。

では、強い馬と勝ち上がったばかりの馬はどのように分けるのかというと、負担重量で分ける。

レース名もしくは負担重量表記 決め方
未勝利戦 基本重量
別定SB 基本重量+400万超について300万円ごとに1kg増
別定SAおよび一部オープン特別 基本重量+700万円ごとに1kg増
牛若丸ジャンプステークスなど 基本重量+以下の重量を足したもの
  • J・GI勝利→5kg
  • J・GII勝利→3kg
  • J・GIII勝利→1kg
  • 収得賞金400万円以下→-1kg
ペガサスジャンプステークスなど 基本重量+以下の重量を足したもの
  • J・GI勝利・及び→3kg
  • J・GII勝利→2kg
J・GIII及びJ・GII 基本重量+以下の重量を足したもの
  • J・GI勝利→2kg
  • J・GII勝利→1kg
J・GI 基本重量+3kg

基本重量は3歳牡馬58kg、4歳春季牡馬59kg、それ以降が60kg、牝馬は2kg減である。

概ね別定SBで重くなりすぎたら別定SAへ、それでも重くなりすぎたら重賞勝利で負担重量が重くなる競走へ進んでいくのが通例である。

本賞金もシンプルである(単位:万円)。

区分 1着 2着 3着 4着 5着
未勝利 790 320 200 120 79
オープン 一般 1350 540 340 200 135
特別 1650 660 410 250 165

なお、平地と障害で収得賞金の通算は現在は行わない(2000年以前は平地競走のクラス分けの時に合算していた)。このため、オジュウチョウサン(障害競走で大活躍している競走馬)が2018年7月に平地競走で走った時には、未勝利戦にも勝利していなかったため、収得賞金は0円として計算し(当時は今(2019年以降)とは異なり、4歳夏季に収得賞金を半減する規則があったが、0を半減しても0)、500万円以下(今の1勝クラス相当)に出走した(7歳なので平地未勝利戦はすでに終了しているため、格上挑戦することになる)。

競走馬やレースの記号

競走馬やレースにいろいろな記号がついていることがある。その記号の意味は以下の通りである。

記号 意味
地方競馬への出走経験(ただし交流競走を除く)がある競走馬で以外のもの
中央競馬指定交流競走のために登録された地方競馬所属の競走馬
外国産の競走馬で、以外のもの
国際交流競走のために登録された外国調教師管理の競走馬
指定 が出走でき、地方競馬所属の騎手が騎乗できる特指以外の競走
特指 JRAが認定した競走で1着になったが出走でき、地方競馬所属の騎手が騎乗できる競走
指定 地方競馬所属の騎手が騎乗できる競走
混合 内国産馬にが混合して出走できる競走
国際 内国産馬におよびが混合して出走できる競走
(牝) 牝馬限定競走
(若手騎手) 若手騎手競走(原則免許取得から7年未満の騎手が騎乗する馬による競走)

昔はほかにも(父内国産馬、父が内国産の種牡馬である競走馬のこと)、(市場取引馬、セリ市で取引された競走馬)、(抽せん馬、現在のJRA育成馬に相当)といった記号があったが、これらの記号は廃止になっている(は2004年、ほかの2つは2007年を最後に)。現役馬もいないはずである。

牡馬・牝馬限定競走(2歳・3歳の競走の一部。セン馬に出走資格がない)もあるが、特別な表記はない。また、JRAの競走では牡馬限定競走、牡馬・セン馬限定競走の設定はない(海外競馬には設定がある。また、昔は朝日杯3歳ステークス→朝日杯フューチュリティステークスは1991年から2003年まで牡馬・セン馬限定競走だった。今は牡馬・牝馬限定競走)。その他ラジオたんぱ杯3歳ステークス(現ホープフルステークス)は1991年から2000年まで牡·セン馬だった。(その後牝馬も出走出来るようになり、レース名がホープフルステークスに改称、中山競馬場に移設以降はセン馬は不可となっている)

競馬番組の組まれ方

どのレースを、いつ実施するかを規定したものを競馬番組と呼ぶが、まず、

  • 前年11月下旬ごろ→春季番組(1月から5月まで)
  • 4月中旬ごろ→夏季番組(6月から9月頭まで)
  • 7月末から8月上旬ごろ→秋季番組(9月中旬から12月まで)

がそれぞれ組まれる。ただし、この段階で組まれた番組は最終的な確定ではなく、諸々の調整が適宜入る。調整が入る原因としては、

  1. 災害などにより中止が発生したため、それの振替などを行う
  2. クラス間で頭数の不均衡が生じたため、その分の開催数の調整を行う

などがある。例えば、2022年3月の福島県沖地震により、4月9日・10日の福島競馬場での開催が中止になったことにより、中山競馬場にて

  • 4月9日の第4レース3歳未勝利ダート1800m牝馬限定戦の牝馬限定を解除(牡馬・セン馬も出走可能)
  • 4月10日の旧第1レース3歳未勝利ダート1800mを削除(上記牝馬限定の解除はそれが理由)
  • 4月10日の旧第9レース葛飾特別(4歳以上2勝クラスダート1200m)を第12レースへ移動し、一般競走に変更
  • 4月10日の第10レースに卯月ステークス(4歳以上オープンダート1800m)を新設
  • それに伴い、4月10日の開催順序を入れ替え

変更が行われた

基本的に、特別競走は原則第9レースから第11レースに行うように組まれる。もちろん例外もあって、特別競走が4レース以上行われる場合は第8レースや第12レースに組まれたりもする(例えば2022年1月8日中山競馬場であれば中山新春ジャンプステークス(8)・黒竹賞(9)・初春ステークス(10)・ニューイヤーステークス(11)、2022年4月16日中山競馬場であれば山藤賞(9)・下総ステークス(10)・中山グランドジャンプ(11)・利根川特別(12)。2022年4月17日中山競馬場に至っては5つもあり、袖ヶ浦特別(8)・野島崎特別(9)・京葉ステークス(10)・皐月賞(11)・サンシャインステークス(12)となっている)。

多くの場合、メインとなるレース(重賞やリステッド競走の場合が多い)が第11レースに組まれることが多い。また、障害の特別競走は第8レースに組まれることが多いが、中山グランドジャンプは第11レースに、中山大障害は第10レースに組まれるのが通例である。また、ジャパンカップはメインレースであるにも関わらず近年は第12レースに組まれることが多い(この関係で京阪杯も第12レースになる)。

ただし、夏季の昼休みを入れる場合はこの限りでない。この場合2024年の場合、

  • メインとなるレースは第7レースに実施する
  • 準メインとなるレースは第6レースに実施する
  • 第12レースは特別競走になる場合が多い(代わりに第11レースが特別競走になることもあるし、第11レース・第12レースともに特別競走になることもある)
  • 障害競走の特別競走は第9レースに実施する

法令により、1日のレース数の上限は12、年間開催の延日数は288日に制限されている[2]。このため、1年間でJRAが開催できるレース数は3456以下となる(通例、上限いっぱい開催する)。

出走可能な馬の決定方法

競走馬が出走するには、出馬投票というものを行うのだが、その際、あまりにも集まった頭数が多い場合は、所定の手順により出走可能な馬を決定する。その所定の手順は年ごとに多少変わるが、2022年現在は以下の通りである。

原則

同順位でボーダーにいる場合は、抽選で決める。以下、レースの条件ごとに規定された出走馬の決定順を記載する。なお、「1勝クラスの馬」と書いた場合、未勝利の馬は含まないものとする。また、5(3)着以内といった場合、平地と障害はまたがないものとする。

  1. 2歳・3歳のオープン競走については、収得賞金が多い順に決定する
    1. 2025年以降は、桜花賞・皐月賞・NHKマイルカップ・優駿牝馬・東京優駿に関しては、芝コースにて行うJRAのオープン・1勝クラス、およびパート1国の競走の収得賞金のみを参照するように変更。なお、これが0の場合であっても、出走制限は未勝利・未出走馬の出走不可なので、未勝利・未出走馬でなければ0円扱いで登録・出走することは可能
  2. 3(4)歳以上平地オープン(ただし重賞・リステッド競走を除く) この規定は2023年から追加(ただし、X・XIは具体的な番組により実際は出走自体不可なので、発生することはない)
    1. JRA所属で、オープンクラスである競走馬について、直近8週間以内に3着以内に入ったもの
    2. オープンクラスとしてJRAに編入後、初出走の馬
    3. オープンクラスである競走馬について、出走間隔が長いもの
    4. 3勝クラスとしてJRAに編入後、初出走の馬
    5. 3勝クラスの馬で、出走間隔が長いもの
    6. 2勝クラスとしてJRAに編入後、初出走の馬
    7. 2勝クラスの馬で、出走間隔が長いもの
    8. 1勝クラスとしてJRAに編入後、初出走の馬
    9. 1勝クラスの馬で、出走間隔が長いもの
    10. 未出走馬
    11. 未勝利馬で、出走間隔が長いもの
  3. 3(4)歳以上3勝クラス(ただし、VIII・IXは具体的な番組により実際は出走自体不可なので、発生することはない)
    1. JRA所属で、3勝クラスである競走馬について、直近1か月以内(2025年以降は8週間以内)に3着以内に入ったもの
    2. 3勝クラスとしてJRAに編入後、初出走の馬
    3. 3勝クラスの馬で、出走間隔が長いもの
    4. 2勝クラスとしてJRAに編入後、初出走の馬
    5. 2勝クラスの馬で、出走間隔が長いもの
    6. 1勝クラスとしてJRAに編入後、初出走の馬
    7. 1勝クラスの馬で、出走間隔が長いもの
    8. 未出走馬
    9. 未勝利馬で、出走間隔が長いもの
  4. 3(4)歳以上2勝クラス
    1. JRA所属で、2勝クラスである競走馬について、直近1か月以内に5着以内に入ったもの
    2. 2勝クラスとしてJRAに編入後、初出走の馬
    3. 2勝クラスの馬で、出走間隔が長いもの
    4. 1勝クラスとしてJRAに編入後、初出走の馬
    5. 1勝クラスの馬で、出走間隔が長いもの
    6. 未出走馬
    7. 未勝利馬で、出走間隔が長いもの
  5. 3(4)歳以上1勝クラス
    1. ブロックごとに優先順位を決めるもの
      具体的には東京競馬場・中山競馬場で行う競走は美浦トレーニング・センター所属馬が、京都競馬場・阪神競馬場で行う競走は栗東トレーニング・センター所属馬が優先される。夏季競馬で本場での開催がない時期は、福島競馬場・新潟競馬場で行う競走は美浦トレーニング・センター所属馬が、中京競馬場・小倉競馬場で行う競走は栗東トレーニング・センター所属馬が優先される。この優先されるトレーニング・センターを自ブロック、他方を他ブロックと呼ぶ
      1. JRA所属で、1勝クラスである競走馬であり、直近1か月以内に5着以内に入った自ブロック所属
      2. 1勝クラスとしてJRAに編入後、初出走の自ブロック所属馬
      3. 1勝クラスの馬で、出走間隔が長い自ブロック所属
      4. aからcの順の、他ブロック所属馬
      5. 未出走の自ブロック所属馬
      6. 未勝利の自ブロック所属馬で、出走間隔が長いもの
      7. 未出走の他ブロック所属馬
      8. 未勝利の他ブロック所属馬で、出走間隔が長いもの
    2. ブロックごとに優先順位を決めないもの
      1. JRA所属で、1勝クラスである競走馬であり、直近1か月以内に5着以内に入ったもの
      2. 1勝クラスとしてJRAに編入後、初出走の馬
      3. 1勝クラスの馬で、出走間隔が長いもの
      4. 未出走馬
      5. 未勝利馬で、出走間隔が長いもの
  6. 平地の未勝利戦
    1. ブロックごとに優先順位を決めるもの
      1. 直近1か月以内に5着以内に入った自ブロック所属馬
      2. 未出走の自ブロック所属馬
      3. 自ブロック所属馬で、出走間隔が長いもの
      4. aからcの順の、他ブロック所属馬
    2. ブロックごとに優先順位を決めないもの
      1. 直近1か月以内に5着以内に入った馬
      2. 未出走馬
      3. 出走間隔が長いもの
  7. 障害の未勝利戦
    1. 直近1か月以内に5着以内に入った馬
    2. JRA編入後、初出走の馬、および未出走馬
    3. 出走間隔が長いもの
  8. それ以外
    1. クラスが高い順
    2. 未勝利・未出走馬

なお、平地競走の重賞・リステッド競走および障害競走のオープン競走(2022年以前は平地・障害問わず3(4)歳以上オープン競走全般)関しては、出走馬決定賞金(収得賞金+直近1年間の収得賞金+直近2年間のGIもしくはJ・GIの収得賞金)を用いて、同順位内で並び替える。

例外

例外には、いくつか種類が存在する。

レースごとに決められたもの

2歳夏季のGIII競走(函館2歳ステークス・新潟2歳ステークス・札幌2歳ステークス・小倉2歳ステークス(2025年からは中京2歳ステークス))

基本は原則通りだが、同順位で並んだ馬に関して、新馬戦で1着に入った馬を優先する。

宝塚記念・有馬記念以外のGI競走

基本は原則通りだが、その前にレーティングに基づいて定めた上位5頭に優先出走権を認める。ただし、牡馬・騸馬110/牝馬106以上が必要である。

宝塚記念・有馬記念

基本は原則通りだが、その前に第1回特別登録を行った馬の中で、上位10頭に優先出走権を認める。

ワールドオールスタージョッキーズ

クラス順。決定のタイミングは第1回特別登録を行った時点で、この段階で出走可能な馬にならなかった馬は補欠馬として順番に並ぶ。

ヤングジョッキーズシリーズ

2024年の場合、単純にクラス順である(中京開催のため、東西の区分がない)。

決定のタイミングは第1回特別登録を行ったタイミングで、この段階で出走可能な馬にならなかった馬は補欠馬として順番に並ぶ。

3歳GI競走のトライアル

3歳GI競走にはトライアル競走の概念があり、以下の条件を満たした馬は、優先出走権を得る。

  • 桜花賞
    • チューリップ賞・フィリーズレビュー - 3着以内(未勝利・未出走馬は2着以内)
    • アネモネステークス - 2着以内(未勝利・未出走馬は1着)
  • 皐月賞
    • 弥生賞・スプリングステークス - 3着以内(未勝利・未出走馬は2着以内)
    • 若葉ステークス - 2着以内(未勝利・未出走馬は1着)
  • NHKマイルカップ
    • ニュージーランドトロフィー・アーリントンカップ - 3着以内(未勝利・未出走馬は2着以内)
  • 優駿牝馬
    • 桜花賞 - 5着以内
    • フローラステークス - 2着以内
    • スイートピーステークス - 1着
  • 東京優駿
    • 皐月賞 - 5着以内
    • 青葉賞 - 2着以内
    • プリンシパルステークス - 1着
  • 秋華賞
    • 紫苑ステークス・ローズステークス - 3着以内
  • 菊花賞
    • セントライト記念・神戸新聞杯 - 3着以内

古馬GI競走のステップレース

古馬GI競走の一部にはステップレースがあり、当該レースの1着馬は、優先出走権を得る。

  • フェブラリーステークス - 東海ステークス・根岸ステークス
  • 高松宮記念 - 阪急杯・オーシャンステークス
  • 大阪杯 - 中山記念・金鯱賞
  • 天皇賞(春) - 阪神大賞典・日経賞
  • ヴィクトリアマイル - 阪神牝馬ステークス・福島牝馬ステークス
  • 安田記念 - マイラーズカップ・京王杯スプリングカップ
  • スプリンターズステークス - キーンランドカップ・セントウルステークス
  • 天皇賞(秋) - オールカマー・毎日王冠・京都大賞典
  • エリザベス女王杯 - 府中牝馬ステークス
  • マイルチャンピオンシップ - 富士ステークス・スワンステークス
  • チャンピオンズカップ - みやこステークス・武蔵野ステークス

国際競走

国際競走については、外国調教馬に優先出走権を認める。

地方所属馬

地方所属馬として、以下の着順をとった場合、優先出走権を認める(2023年時点)。

  • 2歳GI競走全般
    • 芝コースのJRA2歳重賞 - 1着
  •  阪神ジュベナイルフィリーズ
    • アルテミスステークス・ファンタジーステークス - 2着以内
  • 朝日杯フューチュリティステークス
    • 京王杯2歳ステークス・デイリー杯2歳ステークス - 2着以内
  • ホープフルステークス
    • 東京スポーツ杯2歳ステークス・京都2歳ステークス - 2着以内
  • 3歳春季GI競走全般
    • 芝コースのJRA3歳重賞 - 1着
  • 桜花賞・皐月賞
    • 阪神ジュベナイルフィリーズ・朝日杯フューチュリティステークス・ホープフルステークス - 1着
  • NHKマイルカップ
    • 桜花賞・皐月賞 - 2着以内
  • 東京優駿
    • 京都新聞杯 - 2着以内
  • 高松宮記念
    • 同一年度の阪急杯・オーシャンステークス - 2着以内
  • 大阪杯
    • 同一年度の中山記念・金鯱賞 - 2着以内
  • 天皇賞(春)
    • 同一年度の阪神大賞典・日経賞 - 2着以内
  • ヴィクトリアマイル
    • 同一年度の阪神牝馬ステークス・福島牝馬ステークス - 2着以内
  •  安田記念
    • 同一年度のNHKマイルカップ - 3着以内
    • 同一年度のマイラーズカップ・京王杯スプリングカップ - 2着以内
  • スプリンターズステークス
    • 同一年度のキーンランドカップ・セントウルステークス - 2着以内
  • 天皇賞(秋)
    • 同一年度のオールカマー・毎日王冠・京都大賞典 - 2着以内
  • エリザベス女王杯
    • 同一年度の京都大賞典・府中牝馬ステークス - 2着以内
  • マイルチャンピオンシップ
    • 同一年度の富士ステークス・スワンステークス - 2着以内
  • 秋華賞・菊花賞・および3(4)歳以上GI競走(フェブラリーステークス・宝塚記念・ジャパンカップ・チャンピオンズカップ・有馬記念を除く)
    • 直近1年以内の芝コースでのJRAのGI競走および海外のG1(GI)競走 - 1着

指定に指定されている競走で、上にない競走のうち、フェブラリーステークス・宝塚記念・ジャパンカップ・チャンピオンズカップ・有馬記念以外は、以下の通り優先出走権を認める。

  • 3歳競走以外のダートのGII・GIIIは、オープンクラスの馬(中央競馬の基準の収得賞金が1600万円を超える馬)
  • 芝重賞及びトライアルレースについては、別に定める規則により芝実績馬として選定された馬
  • それ以外はすべての馬

特指については、原則クラスが一致する限りにおいて優先出走権を認める。ただし、いくつか例外あり。

ハンデキャップ競走

負担重量がハンデキャップの競走について、負担重量が重い(ただし、馬齢・性別のアローワンスと南半球産の減量分を加味したうえで)馬3頭に優先出走権を認める。同一順位の馬が多数いる場合、抽選により決める。

かっこ書きの意味がよくわからないと思うので簡単に解説をする。

  • A - 3歳牡馬 53kg
  • B - 3歳牝馬 52kg
  • C - 4歳牡馬 56kg

仮にこれが北九州記念(8月、3歳以上芝1200mハンデ戦)と仮定する。3歳以上の牡馬牝馬のアローワンスは2kg、3歳馬のアローワンスは3kgである。この場合、4歳以上牡馬にすべてそろえると、AとCは56kg、Bは57kgとなり、Bのハンデが重く、AとCは同じハンデである、という判断になる。

出走できなかった馬の優先出走権

以下の競走を除く競走について、いくつかの条件を満たした馬について、優先出走権を認める。

  • 平地と障害が異なる競走
  • 格上挑戦
  • 重賞
  • 3(4)歳以上の平地条件戦 2023年以降は、3(4)歳以上の平地競走全般になる
  • 未勝利戦
  • 障害競走の特別競走 2023年以降
  • その他番組で定める競走

優先出走権を用いるには、地方競馬指定交流競走に出走しておらず、かつ2か月以内に用いる必要がある。

優先出走権の付与条件は、以下の通り。

  • 重賞以外のオープン競走について、オープン馬が1か月以内に出走しておらず、かつ出走を希望して出走できなかった場合、最初に出馬投票した重賞以外のオープン競走
  • 自己条件の競走について、出走を希望して出走できなかった場合、最初に出馬投票した競走
  • ワールドオールスタージョッキーズ・ヤングジョッキーズシリーズについて、第1回特別登録を行い補欠馬になり、他の競走に登録しなかったことにより出走できなかった場合は、最初に出馬投票した競走(ただ、実際のところ、3(4)歳以上の平地条件戦に引っかかって行使することはできないはず)
  • 優先出走権があるにも関わらず、それでも出走できなかった場合、出走できるまで回数は累積し、回数が多い馬ほど優先される(同一回数の馬の中で並んだ場合は抽選)

オープン競走でなく、フルゲートを超えた場合、再投票を除き、出走可能頭数のうち5頭分は優先出走権を認めない。

競走の成立条件

出馬投票の際、あまりにも集まった頭数が少ない場合は、競走自体が取りやめになることがある(その場合、馬主・調教師・騎手・厩務員には競走取りやめ金が出る)。その条件は以下の通り。

  1. GI・GII、及びJ・GIもしくはJ・GII競走でない
    • つまりGIII及びJ・GIIIは重賞であっても中止になる可能性がある
  2. 3歳のトライアル競走でない
    • トライアル競走は申し込みが0でない限りは必ず実施する
  3. 国際の出走申し込みがない
  4. 指定その他レースで特に定めた競走での出走申し込みがない
    • 要するにJRA所属でない馬が出走を希望しているなら、必ず実施する
  5. 3歳未勝利戦であれば5頭以下、それ以外であれば4頭以下しか出走申し込みがない

なお、競走が一度成立した後に参加する競走馬の数が出走取消・競走除外により減少した場合は、馬券の種類が減少する場合はあるが、レースは予定通り行われる(例として、2022年梅花賞(3歳1勝クラス芝2200m)においては、5頭立ての予定が競走除外により4頭立てになったがレースは続行された。なお人気通りのガチガチ決着になったためワイドはすべて100円元返し、3連単も270円で史上最低配当を更新することになった)。

これにより競走が取りやめになった場合、所定の条件(申し込み頭数16以上、取りやめた競走と同一場かつ同一競走条件ではなく、かつ特に定められた競走でもない)を満たした競走を分割して穴埋めするのが基本である(ただし、1日で分割できるのは2が上限。3以上の穴埋めは行わない)。これを分割レースと呼ぶ。

例えば2003年4回中山第6日(2003年4月13日)に関しては、第3競走(3歳未勝利ダート1800m)が取りやめになり、第8競走(4歳以上500万下ダート1200m)を2分割した。分割ができなかった例としては、2009年4回新潟第2日(2009年9月13日)があり、第4競走(3歳未勝利芝2400m)が取りやめになったが、他の競走も12・9(出走取消1)・12・11・13・10・12・15・9・9・15と、分割可能な16頭に届かなかったため、分割なしの11レースとなった。

競馬の開催について

競馬の開催は、競馬法により日程が決められている。中央競馬に関しては競馬法第3条で、地方競馬に関しては競馬法第20条に定められている。競馬法及び競馬法施行規則に定められた内容に従うと、以下の通りである。

種類 中央競馬 地方競馬
年間開催総日数 延べ288日 規定なし
年間開催回数 1月から12月までに36回 4月から3月までに都道府県ごとに定められた回数
競馬場あたりの年間開催回数 5 規定なし
競馬場の数 10(規則で指定) 北海道6・その他2
1回あたりの日数 12 6
1日のレース数 12 12
開催可能な日取り 土日祝日
1/5~7・12/28
連続する12日間の範囲内の日取り

中央競馬の競馬場あたりの年間開催回数の上限は、他の競馬場が改修・天災などやむを得ない理由で5回開催できない場合、一部を他の競馬場に振り替えることで6以上にすることができる。

地方競馬の「都道府県ごとに定められた回数」とは、北海道43、兵庫29、愛知28、岩手・東京・石川・岐阜・佐賀21、高知19、神奈川15、埼玉・千葉13、その他4である。

なお、年間開催総日数・1回あたりの日数については、1日のレースの半分以上開催することができない場合は1増やすことができる。

天災などにより開催できなかった(もしくは半分以上残った)場合の日取りの変更先(全部を変更する場合を代替競馬、一部(半分以上)を変更する場合を続行競馬と呼ぶ)は、以下の通りである。

  • 中央競馬の場合、次の開催日の前日以前の月曜日・火曜日・金曜日(ただし、12月28日に関しては翌日か翌々日)
  • 地方競馬の場合、7日以内かつ次の開催の前日まで

なお、これは、あくまでも開催者に責任がない場合であり、開催者に責任がある場合、中止したとしても日数は消費される。ストライキなどに関しても開催者にも責任があるとみなされる。JRAの競馬では、1999年4月3日にあったのが最後である。

続行競馬が行われなかった場合、当然その分の競走は開催されないわけだが、重要な競走に関しては改めて後日に日程を組みなおして開催するのが基本。上記のストライキ中止では阪急杯が延期されているし、直近では2019年5月4日に東京競馬場でひょうにより第10レース(メトロポリタンステークス)・第11レース(プリンシパルステークス)・第12レース(4歳以上牝1600万下)の3レースが中止となり、このうちプリンシパルステークスのみ5月12日第10レースに移動しての開催となった[3]

他業種コラボ~競馬を知ってもらうために~

競馬=ギャンブル、大人の嗜みというイメージが強いが、ここ最近はそのようなイメージを改めるべく様々な異業種とのコラボレーション企画、独自のコンテンツ配信などを行っている。

その一環として製作された「JAPAN WORLD CUP」、「My sweet ウマドンナ〜僕は君のウマ〜」はJRAの新しい一面を開花させ、多数のメディアに取り上げられた。特にニコニコ動画では前者がニコニコ黎明期を中心に、ランキングの上位を占めるなどの盛り上がりを見せている。

最近は幅広く浸透した人気アニメとのコラボも定期的に実施。進撃の巨人ではFlashゲーム「進撃のジャパンカップ」「進撃の有馬記念」を配信、おそ松さんはオリジナルエピソード「おうまでこばなし」を製作し、けものフレンズでもサラブレッドのフレンズを新たに生み出したうえで、すぺしゃる動画「けいばじょう」を配信している。

嘘みたいだろ?農水省監督下の法人なんだぜ、これ・・・とよく言われるが、これらもJRAによる競馬への関心、認知を目的にしたもの。興味を持ったなら、まずは競馬場に足を運んでみよう。

関連動画

関連チャンネル

関連リンク

関連項目

  • 競馬
  • 馬券
  • WIN5
  • JRAの本気
  • JRAの白い悪魔
  • JAPAN RAKUDA ATTACK
  • JAPAN WORLD CUP
  • my sweet ウマドンナ〜僕は君のウマ〜
  • 進撃のジャパンカップ
  • ウマのフレンズ
    • すぺしゃる動画「けいばじょう」
  • ポプテピ記念
  • 公式が予後不良
  • 優駿・・・JRA発行の機関広報誌
  • 農林水産省

脚注

  1. *なお、最終的に高松宮記念を制してGI馬になっている
  2. *競馬法施行規則第2条
  3. *なお、競馬の中止自体はその後も何回かある
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