9mmパラベラム弾とは、自動拳銃用の弾薬の一種。軍用拳銃用の弾薬として世界的に広く普及している。
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概要
20世紀初頭、DWM(ドイツ兵器弾薬会社)のゲオルク・ルガーによって開発された拳銃用弾薬である。9mmルガー弾、9mm×19弾(薬莢長が約19mmであることから)とも呼ばれる。
「パラベラム」とはDMW社のモットーでもあったラテン語の「Si vis pacem, para bellum」(平和を欲するなら戦に備えよ)という言い回しから来ている。
軍用拳銃として十分な威力を持ちながら、高初速で平坦な弾道特性、抑えやすい反動、多弾数化に向いた弾薬自体のコンパクトさなどすぐれた特徴をもち、開発から一世紀を経た現在でも各種の改良を加えつつ、世界中で使用されている。
普及
開発は帝政ドイツであるが、第一次世界大戦後は各国に普及し、ブローニングハイパワーのような現代でも通用する銃器にも採用された。第二次世界大戦中はナチス・ドイツ側のみならず英国など連合国側でも使用されている。
第二次世界大戦後はNATOをはじめとする西側各国の標準的な軍用拳銃弾薬となり、長らく45口径(M1911系)にこだわっていた米国も80年代になってベレッタM92を自国軍用に採用するにいたった。スイスやオーストリアなどの中立国やイスラエルなども使用しており、旧東側(ワルシャワ条約機構国)をのぞく、世界的なデファクト・スタンダードの様相を呈した。冷戦終結後の現在は旧東側でも採用が増えている。
サブマシンガンにおいてはイスラエルのUZIやドイツのMP5など著名な銃器が採用しており、これも事実上のスタンダードといえよう。MP5と9mmパラベラム弾の組み合わせはイラン大使館事件やモガディシオのハイジャック機突入など広く用いられ、対テロ作戦の標準的な装備であったが、近年ではボディアーマーの普及に伴い貫通力不足による信頼性の低下が指摘されている(これは拳銃弾を用いるサブマシンガン全体の問題でもある)。
実績のある拳銃用弾薬として軍用以外にも各国の警察機関でも広く用いられており、拳銃所持が認められている地域での個人所有用途としても人気がある。
日本でも自衛隊、海上保安庁、警察等が所有する小火器(9mmけん銃、9mm機関けん銃等)用弾薬として採用されている。
ニコニコ大百科に記事のある9mmパラベラム弾を使用する銃器
その他、コルトガバメントやM16/M4シリーズ等も対応モデルやカスタムパーツが存在する。
関連項目
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