マルガレータ・フォン・ヘルクスハイマーとは、石黒監督版OVA「銀河英雄伝説」のアニメオリジナル外伝「奪還者」に登場するキャラクター。担当声優は大谷育江。
略歴
帝国の門閥貴族であったヘルクスハイマー伯爵家に生まれる。ヘルクスハイマー家は当代随一の権勢を誇ったリッテンハイム侯の係累であり、その元で鉱山利権の強奪や敵対していたブラウンシュヴァイク公とその周辺に関する情報収集などで辣腕を振るっていた一族である。
帝国暦483年、父ヘルクスハイマー伯が宮廷闘争に敗れて失脚、当時の最新技術であった指向性ゼッフル粒子発生装置を手土産にフェザーンを経由して自由惑星同盟に亡命する事件が発生する。娘であったマルガレータはこれに同行。しかし、イゼルローン回廊から長駆して同盟領内に侵入したラインハルト率いる巡航艦ヘーシュリッヒ・エンチェンに船を捕捉・拿捕されてしまう。焦ったヘルクスハイマーの一族は船から脱出ポットで逃亡を試みるも、減圧事故を起こし、マルガレータを除いた一族全員が事故死すると言う凄惨な結末を向かえる。
生き残ったマルガレータはラインハルトらを憎み、当初は協力を拒んだ。しかし、最終的に略奪を否定し紳士的な態度を取ったキルヒアイスに心を許し信頼を寄せた彼女は、財産をそのまま与えられた上で亡命することを条件に、指向性ゼッフル粒子発生装置の起動パスを開示する取引に応じた。
約束通り船と私財を引き渡されたマルガレータはキルヒアイスとの別れを惜しみつつ、後見役を買って出たベンドリング少佐と共に同盟領へと旅立って行ったのだった。
人物
自分を拘束したキルヒアイスたちにも全く物怖じせずラインハルトに対しても
「この者(キルヒアイス)はそなたにとって従者か?家来か?友か?」
と鋭い問いを発し、その答えに満足すると従者として仕えると宣言していたベンドリング少佐に
「これから赴く異境では身分はないと聞く。そなたも従者でも家来でもなく友となってくれようや?」
と同盟へ向かう際の心構えを諭した。
無能・傲慢であることに定評がある帝国門閥貴族の中にあってこの英明さは異例であり、しかも彼女自身弱冠10歳の少女であることを考えれば末恐ろしさすら感じるほどである。実際に門閥貴族には手厳しいラインハルトでさえ彼女を評価し、キルヒアイスから同盟では女性も前線に出ることを指摘されると冗談とはいえ「そいつは恐ろしい。そうなる前に宇宙を統一しなくてはな」と最大の賛辞とも思える発言をしている。
キルヒアイスを非常に気に入っており、自分の後見役を彼に所望した。ラインハルトとの約束を理由に断られると上述の発言の上でラインハルトにも心を許し、餞別としてキルヒアイスに手製のぬいぐるみを与え笑顔で別れた。
その後の消息は不明。ユリアン・カリンたちとほぼ同世代であるので、同盟軍に参加していればイゼルローンで彼ら周辺にいたハズ(と妄想してしまうのは筆者だけではないだろう)。
一族・縁者
- ヘルクスハイマー伯爵 - 父。非常に強欲かつ権威主義的で、開明派貴族であったヴェストパーレ男爵夫人はその人間性を酷評していた。鉱山利権を巡った決闘さわぎを通じてラインハルトとも縁があり、その傲慢な性格を熟知されていたため「ゆっくりもったいぶって航行しているのがヤツの船」と逃走経路を見破られてしまう。上述のように無残な事故死。これだけ見ると、ラインハルトとセバスティアン・フォン・ミューゼル氏もビックリのトンビが鷹を産む系親子である。 但し、リッテンハイム侯に不都合な事実をつかんでしまったが為に陥れられた挙句、妻を殺されたことが亡命のきっかけとなったとされ、いささか悲劇的な人物としても描かれている。家庭的には悪い父ではなかったのか、マルガレータは彼の死を心から悼んでいる。
- ウィルヘルム・フォン・リッテンハイム3世 - 帝国を牛耳る門閥貴族の一人。縁戚であったヘルクスハイマーに政敵であるブラウンシュヴァイク公の弱みを探るため調査を命じるが、それが自身にとっても不利な情報であったためヘルクスハイマーを宮廷から排除。その妻を毒殺したとされる。
- ベンドリング少佐 - ラインハルトらと共に機密情報を奪還するために作戦に同行。非倫理的な宮廷闘争とその道具にされたことから帝国に失望し、マルガレータに同情したこともあり後見人として共に同盟へ亡命する。
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関連項目
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